LESSON 01

正負の数の利用

入試型の利用問題

平均から欠けた一つを求める、時差、教科ごとの得点、標高差、資料の読み取りという入試頻出の五つの場面を、基準との差の道具だけで解く。セクション9で作った道具を一枚の表にまとめて締めくくる。

入試型の利用問題

このレッスンでできるようになること

  • 平均が分かっている問題で、欠けた一つの値を求められる
  • 時差・標高差・教科ごとの得点を、基準がいる場面かを見分けて解ける
  • 資料から、実際の値・差・ちがいのどれを問われたかを見分けられる

前のレッスンの確認

  • 基準との差 … 基準値を引いて出した、符号つきの数
  • 差 = 実際の値 − 基準値
  • 実際の値 = 基準値 + 差
  • 差が出たら、基準値にたして、実際の値に戻るかを見る。
  • 答えるときは、基準と単位を言葉で添えてください。
  • 基準を取り替えても、値どうしのちがいは変わりません。
  • 仮平均 … 平均を求めるときに、値の近くに置く、計算しやすい基準の数
  • 平均 = 仮平均 + 差の平均
  • 平均が出たら、いちばん小さい値といちばん大きい値のあいだにあるかを見る。
  • 変化量 = 最後の値 − 最初の値
  • 二つの語を混ぜないでください。
  • 基準との差の表 … 項目、実際の値、基準との差の三つの列でつくる表
  • 合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計
  • ここでいう「差」は基準からのずれ、「ちがい」は二つの値のへだたりです。
  • 資料を読み取るときの順序 … 1. まず基準と単位を確かめる 2. 差の欄を見て、正の行と負の行を分ける 3. 問われているのが、実際の値か、差か、値どうしのちがいかを見分ける
  • 加減の四つの手順 … ①項に分ける(符号は項に含める)②並べかえる(加法の交換法則・結合法則が根拠)③正の項の和と、負の項の和をそれぞれ求める ④合わせる
  • 絶対値 … ある数を表す点と原点との距離

絶対値は記号でも書きます。\(|-17|\)\(17\) です。\(|+13|\)\(13\) です。

道具はもうそろっている

このセクションでは、基準との差・仮平均・変化量・基準との差の表に名前をつけてきました。

ここからは、その道具を入試の場面に当てはめます。新しい計算は出てきません。

場面は五つです。平均から欠けた一つ、時差、教科ごとの得点、標高差、資料の読み取りです。

はじめの一手は、どれも同じです。何を基準にするかを、先に決めてください。

平均を、そのまま基準にする

\(5\) 人で受けた小テストの平均点は \(72\) 点でした。分かっているのは \(4\) 人ぶんで、\(68\)\(59\)\(52\)\(91\) 点です。残る一人は何点でしょうか。

合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計 の基準値に、平均の \(72\) 点を置きます。

差 = 実際の値 − 基準値 を、四つの行で順に使います。

68 − 72 = −4
59 − 72 = −13
52 − 72 = −20
91 − 72 = +19

差の合計は、加減の四つの手順で求めます。

手順1 項に分ける −4 、−13 、−20 、+19
手順2 並べかえる +19 − 4 − 13 − 20
手順3 正の項の和は +19 、負の項の和は −37
手順4 合わせて +19 − 37 = −18

差の合計が0になる理由

\(5\) 人ぶんの合計は \(72\times 5=360\) 点で、基準値の \(5\) つ分も \(360\) 点です。

合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計 の左と右に同じ数がならびました。差の合計は \(0\) しかありません。

平均を基準にすると、差の合計は \(0\) になります。

\(4\) 人ぶんの差の合計は \(-18\) で、あと \(+18\) たりません。

欠けた一つの差は、ほかの差の合計の反対の数です。

実際の値 = 基準値 + 差 で得点に戻します。

72 + (+18) = 90
68 + 59 + 52 + 91 + 90 = 360 、360 ÷ 5 = 72

答えは \(90\) 点でした。

時刻のずれを、正負の数で表す

世界の都市では、同じしゅんかんでも時計のさす時刻がちがいます。

基準にする都市から見た、もう一つの都市の時刻のずれを、時差といいます。

時差は、どちらから見るかで符号が変わります。だから 時差の問題では、まず基準にする都市を決めます。

東京を基準にし、進んでいる都市を正、おくれている都市を負とします。

都市 東京を基準にした時差
東京 \(0\) 時間
ロンドン \(-9\) 時間
シドニー \(+1\) 時間
ニューヨーク \(-14\) 時間

これは 基準との差の表 と同じ形で、基準は東京、単位は時間です。

時差から、その都市の時刻を出す

実際の値 = 基準値 + 差 の基準値が東京の時刻、差が時差にあたります。

その都市の時刻 = 東京の時刻 + 時差

東京が \(9\) 日の午前 \(7\) 時のとき、ロンドンは何時でしょうか。

7 + (−9) = −2

\(-2\) 時という時刻はありません。

日付をまたぐときの直し方

一日は \(24\) 時間で、\(0\) 時より前は前の日の時刻になります。

計算した時刻が \(0\) より小さくなったら、\(24\) をたして、日付を \(1\) 日もどします。

\(24\) 以上になったら、\(24\) を引いて、日付を \(1\) 日進めます。

\(-2\)\(24\) をたすと \(22\) で、日付は \(1\) 日もどります。ロンドンは \(8\) 日の午後 \(10\) 時でした。

東京とロンドンの時刻を二本の時刻の軸でくらべた図 上の軸に東京の時刻、下の軸にロンドンの時刻がならんでいる。同じしゅんかんをたてにつなぐと、ロンドンの時刻は九時間おくれていて、とちゅうで日付が変わる。 東京の 7時 は ロンドンの 前の日の 22時 東京の 時刻 9日 0 3 6 9 12 15 18 21 24 7時 時差 −9 時間 22時 ロンドンの 時刻 8日 と 9日 15 18 21 0 3 6 9 12 15 ここで ロンドンの 日付が 変わる 東京の 時刻に 時差を たすと その都市の 時刻

差が出たら、基準値にたして、実際の値に戻るかを見る。 を、時刻でも行います。

22 − (−9) = 22 + 9 = 31
31 は 24 以上なので 24 を引いて 7 、日付を 1 日 進める
9 日の 午前 7 時 。東京の時刻に戻った

東京を通さずに、二つの都市をくらべる

表があれば、二つの都市のずれも出せます。ロンドンとニューヨークで見ます。

\((-9)-(-14)=(-9)+(+14)=+5\)

ロンドンのほうが \(5\) 時間進んでいます。

基準を取り替えても、値どうしのちがいは変わりません。

教科ごとの得点を、基準との差で見る

ある生徒の \(5\) 教科の得点を、\(70\) 点を基準にして記録しました。実際の得点は書かれていませんが、合計も平均も求められます。

項目 基準との差
国語 \(-6\)
社会 \(+11\)
数学 \(-17\)
理科 \(+4\)
英語 \(+13\)

合計と平均を、差の欄から出す

合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計 を使い、差の合計は 加減の四つの手順 で求めます。

手順1 項に分ける −6 、+11 、−17 、+4 、+13
手順2 並べかえる +11 + 4 + 13 − 6 − 17
手順3 正の項の和は +28 、負の項の和は −23
手順4 合わせて +28 − 23 = +5

基準値の \(5\) つ分と差の合計を合わせます。平均は 平均 = 仮平均 + 差の平均 です。

70 × 5 = 350 、350 + 5 = 355
5 ÷ 5 = +1 、70 + (+1) = 71

合計は \(355\) 点、平均は \(71\) 点でした。

いちばん高い教科と、いちばん低い教科

差の最大は英語の \(+13\)、最小は数学の \(-17\) です。差の欄だけでちがいが出せます。

\((+13)-(-17)=(+13)+(+17)=+30\)

ちがいは \(30\) 点です。基準からいちばん遠い教科は、絶対値で決まります。

差の絶対値は \(|-6|=6\)\(|+11|=11\)\(|-17|=17\)\(|+4|=4\)\(|+13|=13\) で、いちばん遠いのは数学です。

標高は、海面を基準にした差

標高は、海面を \(0\) m とした基準との差です。

基準が海面と決まっているので、自分で選ぶ必要はありません。高ければ正、低ければ負です。

ある山の展望台は \(+745\) m、ふもとの駅は \(+236\) m、海底トンネルの底は \(-48\) m でした。

標高差は、ちがいであって変化量ではない

二つの地点の標高のへだたりを、標高差といいます。展望台と海底トンネルで求めます。

\((+745)-(-48)=(+745)+(+48)=+793\)

標高差は \(793\) m です。

標高差は、二つの標高のちがいです。時間の前後がないので、変化量ではありません。

標高差の「差」は、前のレッスンでいう「ちがい」のほうです。

二つの語を混ぜないでください。

海面を0メートルとしたたての数直線で三つの標高を表した図 たての数直線のまん中に海面の線がある。展望台とふもとの駅は線より上、海底トンネルは線より下にある。右のかっこが、展望台と海底トンネルのへだたりを示している。 海面を 0 m と した たての 数直線 展望台 +745 m ふもとの駅 +236 m 海面 0 m 海底トンネル −48 m 標高差 標高差は 745 − (−48) = 793 m

資料を渡されたら、順序どおりに見る

表だけを渡されて問いが続く形が、入試ではよく出ます。前のレッスンの 資料を読み取るときの順序 を使います。

  1. まず基準と単位を確かめる
  2. 差の欄を見て、正の行と負の行を分ける
  3. 問われているのが、実際の値か、差か、値どうしのちがいかを見分ける

大事なのは手順3です。ここでいう「差」は基準からのずれ、「ちがい」は二つの値のへだたりです。

式を書く前に、何を聞かれたかを紙に書いてください。

セクション9で作った道具

五つの場面で使った道具を、一枚にまとめます。

レッスン 名前をつけた道具
基準との差 基準との差(基準値を引いて出した、符号つきの数)/差 = 実際の値 − 基準値実際の値 = 基準値 + 差差が出たら、基準値にたして、実際の値に戻るかを見る。引かれる数になるのは、いつも実際の値です。答えるときは、基準と単位を言葉で添えてください。基準を取り替えても、値どうしのちがいは変わりません。
仮平均で平均を求める 平均仮平均(平均を求めるときに、値の近くに置く、計算しやすい基準の数)/仮平均の四つの手順平均 = 仮平均 + 差の平均どの数を仮平均にしても、本当の平均は同じです。平均が出たら、いちばん小さい値といちばん大きい値のあいだにあるかを見る。
変化量 変化量 = 最後の値 − 最初の値最後の値 = 最初の値 + 変化量最初の値 = 最後の値 − 変化量引かれる数になるのは、いつも最後の値です。変化量が出たら、最初の値にたして、最後の値に戻るかを見る。全体の変化量は、最初の値と最後の値だけで決まります。二つの語を混ぜないでください。
表と資料を正負の数で整理する 基準との差の表(項目、実際の値、基準との差の三つの列)/合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計ここでいう「差」は基準からのずれ、「ちがい」は二つの値のへだたりです。資料を読み取るときの順序
入試型の利用問題 時差(基準にする都市から見た、もう一つの都市の時刻のずれ)/時差の問題では、まず基準にする都市を決めます。その都市の時刻 = 東京の時刻 + 時差計算した時刻が \(0\) より小さくなったら、\(24\) をたして、日付を \(1\) 日もどします。\(24\) 以上になったら、\(24\) を引いて、日付を \(1\) 日進めます。平均を基準にすると、差の合計は \(0\) になります。欠けた一つの差は、ほかの差の合計の反対の数です。標高は、海面を \(0\) m とした基準との差です。標高差は、二つの標高のちがいです。時間の前後がないので、変化量ではありません。
セクション9で作った道具の地図 いちばん上に基準との差の箱がある。そこから仮平均、基準との差の表、変化量の三つの箱に矢印がのび、さらに入試で出る五つの場面の箱へつながっている。 セクション9で 作った 道具の 地図 基準との差 差=実際の値−基準値 実際の値=基準値+差 仮平均 平均=仮平均+差の平均 基準との差の表 合計=基準値×個数+差の合計 変化量 変化量=最後の値−最初の値 入試で 出る 五つの 場面 平均の欠け 時差 教科ごとの得点 標高差 資料の読み取り

例題1 平均から、欠けた一人を求める

\(5\) 人の平均点は \(58\) 点、\(4\) 人の得点は \(46\)\(74\)\(51\)\(63\) 点です。残る一人の得点を求めなさい。

平均の \(58\) 点を、そのまま基準にします。

この行でしたこと
\(46-58=-12\)\(74-58=+16\) \(1\) 人目と \(2\) 人目の差
\(51-58=-7\)\(63-58=+5\) \(3\) 人目と \(4\) 人目の差
\(+16+5-12-7=+2\) 加減の四つの手順で差を合計した
\(58+(-2)=56\) 欠けた差は反対の数の \(-2\) 。基準値にたした

確かめ

46 + 74 + 51 + 63 + 56 = 290
290 ÷ 5 = 58 。58 は 46 と 74 のあいだにある

答えの吟味

平均が出たら、いちばん小さい値といちばん大きい値のあいだにあるかを見る。 のとおりでした。

答え \(56\)

例題2 時差で日付が変わる

東京を基準にした時差は、ニューヨークが \(-14\) 時間、シドニーが \(+1\) 時間です。東京が \(9\) 日の午後 \(11\) 時のとき、二つの都市の日付と時刻を求めなさい。

午後 \(11\) 時は \(23\) 時です。その都市の時刻 = 東京の時刻 + 時差 を使います。

この行でしたこと
\(23+(-14)=9\) ニューヨークの時刻を出した
\(23+(+1)=24\) シドニーの時刻を出した
\(24-24=0\) \(24\) 以上なので \(24\) を引いた

ニューヨークの \(9\)\(0\) 以上 \(24\) 未満なので、日付は \(9\) 日のままです。

確かめ

9 − (−14) = 9 + 14 = 23 。東京の 9 日の 23 時に戻った
0 − (+1) = −1 。24 をたして 23 、日付を 1 日もどして 9 日

答えの吟味

おくれる都市は同じ日、進む都市は次の日でした。

答え ニューヨークは \(9\) 日の午前 \(9\) 時、シドニーは \(10\) 日の午前 \(0\)

例題3 教科ごとの差から、合計と平均を出す

\(4\) 教科の得点を \(60\) 点を基準にすると、差は \(+18\)\(-7\)\(+9\)\(-4\) 点でした。

(1)合計と平均、(2)いちばん高い教科といちばん低い教科の得点のちがいを求めなさい。

(1)は 合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計、(2)は差の最大と最小を引きます。

この行でしたこと
(1)\(+18+9-7-4=+16\) 加減の四つの手順で差を合計した
(1)\(60\times 4+16=256\) 基準値の分と差の合計を合わせた
(1)\(16\div 4=+4\)\(60+(+4)=64\) 差の平均を出し、仮平均に戻した
(2)\((+18)-(-7)=(+18)+(+7)=+25\) 差の最大と最小を引いた

確かめ

60 + 18 = 78 、60 + (−7) = 53 、60 + 9 = 69 、60 + (−4) = 56
78 + 53 + 69 + 56 = 256 、256 ÷ 4 = 64 、78 − 53 = 25

答えの吟味

平均の \(64\) 点は \(53\) 点と \(78\) 点のあいだにあります。

差の絶対値は \(|+18|=18\) がいちばん大きく、基準からいちばん遠いのはこの教科です。

答え (1)合計 \(256\) 点、平均 \(64\) 点 (2)\(25\)

例題4 標高差を求める

海面を \(0\) m とします。展望台は \(+926\) m、坑道の底は \(-36\) m です。標高差を求めなさい。

二つの標高のちがいです。高いほうを引かれる数にします。

この行でしたこと
\((+926)-(-36)\) 展望台から坑道を引いた
\((+926)+(+36)=+962\) 引き算をたし算に書きかえた

確かめ

展望台は海面より 926 上 、坑道は 36 下 、926 + 36 = 962

答えの吟味

坑道が海面より下なので、標高差は標高より大きくなります。

答え \(962\) m

例題5 時差の表から、問われたものを読み取る

東京を基準にした時差の表です。

都市 時差
パリ \(-8\) 時間
カイロ \(-7\) 時間
ロサンゼルス \(-17\) 時間
ホノルル \(-19\) 時間

東京が \(12\) 日の午前 \(10\) 時のとき、(1)カイロ、(2)ホノルルの日付と時刻を求めなさい。(3)パリとロサンゼルスでは、どちらが何時間進んでいますか。

資料を読み取るときの順序のとおり、基準は東京、単位は時間です。(3)はちがいです。

この行でしたこと
(1)\(10+(-7)=3\) カイロの時刻を出した
(2)\(10+(-19)=-9\)\(-9+24=15\) \(0\) より小さいので \(24\) をたした
(3)\((-8)-(-17)=(-8)+(+17)=+9\) 二つの時差を引いた

確かめ

3 − (−7) = 10 。東京の 10 時に戻った
15 − (−19) = 34 、34 − 24 = 10 、日付を 1 日進めて 12 日

答えの吟味

(2)は \(24\) をたしたので、日付が \(1\) 日もどって \(11\) 日になります。

答え (1)\(12\) 日の午前 \(3\) 時 (2)\(11\) 日の午後 \(3\) 時 (3)パリが \(9\) 時間進んでいる

今日の問い

平均をそのまま基準にすると、差の合計はいつも \(0\) になりました。なぜでしょうか。

合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計 の左の合計は、平均に個数をかけた数です。

右の「基準値 × 個数」も、基準が平均なので同じ数です。

左と右に同じ数がならぶので、残る差の合計は \(0\) しかありません。

だから、分かっている差を合計すれば、欠けた一つの差が出ます。

よくある間違い

まちがい1:時差の計算で、日付を直さない

東京が \(9\) 日の午前 \(6\) 時、時差が \(-11\) 時間の都市の時刻を求める問題です。

✗ 6 + (−11) = −5
✗ 答え 9 日の 午前 5 時

\(-5\) の符号を落として \(5\) 時と読み、日付もそのままです。

○ 6 + (−11) = −5
○ −5 + 24 = 19 、日付を 1 日もどす
○ 答え 8 日の 午後 7 時

東京の時刻に戻して確かめます。

誤答の 9 日 5 時 から 5 − (−11) = 16 。東京が 16 時になり、6 時に戻らない
正しい 8 日 19 時 から 19 − (−11) = 30 、30 − 24 = 6 、日付を 1 日進めて 9 日

計算した時刻が \(0\) より小さくなったら、\(24\) をたして、日付を \(1\) 日もどします。

まちがい2:欠けた一人を、分かっている人だけの平均で答える

\(6\) 人の平均が \(73\) 点、\(5\) 人の得点が \(65\)\(80\)\(71\)\(79\)\(85\) 点の問題です。

✗ 65 + 80 + 71 + 79 + 85 = 380 、380 ÷ 5 = 76 、答え 76 点

\(5\) 人でならしています。求めるのは、\(6\) 人ぶんの穴をうめる得点です。

○ 差は −8 、+7 、−2 、+6 、+12 で、合計は +15
○ 欠けた差は −15 、73 + (−15) = 58 、答え 58 点

誤答を入れ直して確かめます。

誤答の 76 なら 380 + 76 = 456 、456 ÷ 6 = 76 。平均が 73 点にならない
正しい 58 なら 380 + 58 = 438 、438 ÷ 6 = 73

欠けた一つの差は、ほかの差の合計の反対の数です。

自分で確かめよう

紙に書いてから、答えを開いてください。時差の問題では、日付も書くこと。

  1. \(5\) 人の平均点は \(64\) 点、\(4\) 人の得点は \(57\)\(71\)\(49\)\(68\) 点です。残る一人の得点を求めなさい。

  2. \(6\) 人の平均点は \(75\) 点、\(5\) 人の得点は \(82\)\(69\)\(77\)\(64\)\(88\) 点です。残る一人の得点を求めなさい。

  3. \(4\) つのふくろの重さの平均は \(102\) kg、\(3\) つの重さは \(96\)\(115\)\(108\) kg です。残る一つを求めなさい。

  4. 東京を基準にした時差が \(-6\) 時間の都市があります。東京が \(5\) 日の午前 \(4\) 時のとき、その都市の日付と時刻を求めなさい。

  5. 東京を基準にした時差が \(+3\) 時間の都市があります。東京が \(5\) 日の午後 \(10\) 時のとき、その都市の日付と時刻を求めなさい。

  6. 問4と問5の都市では、どちらが何時間進んでいますか。

  7. \(5\) 教科の得点を \(80\) 点を基準にすると、差は \(-11\)\(+6\)\(-3\)\(+14\)\(-6\) 点でした。合計と平均を求めなさい。

  8. 問7で、いちばん高い教科といちばん低い教科の得点のちがいを求めなさい。

  9. 海面を \(0\) m とします。山小屋は \(+1380\) m、ある海底の地点は \(-72\) m です。標高差を求めなさい。

  10. 問9の山小屋と、標高 \(+455\) m の橋の標高差を求めなさい。

  11. 東京を基準にした時差は、ドバイが \(-5\) 時間、リオデジャネイロが \(-12\) 時間です。東京が \(20\) 日の午前 \(8\) 時のとき、リオデジャネイロの日付と時刻を求めなさい。

  12. 問11で、ドバイとリオデジャネイロでは、どちらが何時間進んでいますか。

  13. 次の答えはまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく直しなさい。

東京を基準にした時差が −14 時間の都市がある。
東京が 3 日の午前 5 時のとき、5 − 14 = −9 として
3 日の午前 9 時と答えた。
  1. 次の答えはまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく直しなさい。
5 人の平均が 70 点、4 人の得点が 62 、80 、74 、68 点だった。
残る一人を求めるのに 284 ÷ 4 = 71 として 71 点と答えた。
  1. 標高差を求めるときに、変化量の式を使わないのはなぜですか。説明しなさい。
答えと考え方

1.〜3. 平均をそのまま基準にします。欠けた一つの差は、ほかの差の合計の反対の数です。

この行でしたこと
1 \(-7+7-15+4=-11\)\(64+(+11)=75\) 差を合計し、反対の数をたした
2 \(+7-6+2-11+13=+5\)\(75+(-5)=70\) 差を合計し、反対の数をたした
3 \(-6+13+6=+13\)\(102+(-13)=89\) 差を合計し、反対の数をたした

確かめ

57 + 71 + 49 + 68 + 75 = 320 、320 ÷ 5 = 64
82 + 69 + 77 + 64 + 88 + 70 = 450 、450 ÷ 6 = 75
96 + 115 + 108 + 89 = 408 、408 ÷ 4 = 102

答えの吟味

三つとも、平均が最小と最大のあいだにあります。

答え 1. \(75\) 点 2. \(70\) 点 3. \(89\) kg

4.〜6. その都市の時刻 = 東京の時刻 + 時差 を使います。午後 \(10\) 時は \(22\) 時です。

この行でしたこと
4 \(4+(-6)=-2\)\(-2+24=22\) \(0\) より小さいので \(24\) をたした
5 \(22+(+3)=25\)\(25-24=1\) \(24\) 以上なので \(24\) を引いた
6 \((+3)-(-6)=(+3)+(+6)=+9\) 二つの時差を引いた

確かめ

22 − (−6) = 28 、28 − 24 = 4 、日付を 1 日進めて 5 日
1 − (+3) = −2 、−2 + 24 = 22 、日付を 1 日もどして 5 日

答えの吟味

問4は日付が \(1\) 日もどり、問5は \(1\) 日進みます。

答え 4. \(4\) 日の午後 \(10\) 時 5. \(6\) 日の午前 \(1\) 時 6. 問5の都市が \(9\) 時間進んでいる

7.〜8. 合計 = 基準値 × 個数 + 差の合計 を使います。

この行でしたこと
7 \(+6+14-11-3-6=0\) 加減の四つの手順で差を合計した
7 \(80\times 5+0=400\) 基準値の分と差の合計を合わせた
7 \(0\div 5=0\)\(80+0=80\) 差の平均を出し、仮平均に戻した
8 \((+14)-(-11)=(+14)+(+11)=+25\) 差の最大と最小を引いた

確かめ

80 + (−11) = 69 、80 + 6 = 86 、80 + (−3) = 77 、80 + 14 = 94 、80 + (−6) = 74
合計 400 、400 ÷ 5 = 80 、94 − 69 = 25

答えの吟味

差の合計が \(0\) なので、平均は基準と同じ \(80\) 点です。

答え 7. 合計 \(400\) 点、平均 \(80\) 点 8. \(25\)

9.〜10. 二つの標高のちがいです。高いほうを引かれる数にします。

この行でしたこと
9 \((+1380)-(-72)=(+1380)+(+72)=+1452\) 海底の地点を引いた
10 \((+1380)-(+455)=+925\) 橋の標高を引いた

確かめ

山小屋は海面より 1380 上 、海底の地点は 72 下 、1380 + 72 = 1452
1380 − 455 = 925 。どちらも海面より上なので、そのまま引ける

答えの吟味

海面をまたぐので、標高差が山小屋の標高より大きくなります。

答え 9. \(1452\) m 10. \(925\) m

11.〜12. 問11は日付をまたぎ、問12は値どうしのちがいです。

この行でしたこと
11 \(8+(-12)=-4\)\(-4+24=20\) \(0\) より小さいので \(24\) をたした
12 \((-5)-(-12)=(-5)+(+12)=+7\) 二つの時差を引いた

確かめ

20 − (−12) = 32 、32 − 24 = 8 、日付を 1 日進めて 20 日

答えの吟味

問12に基準の東京は出てきません。基準を取り替えても、値どうしのちがいは変わりません。

答え 11. \(19\) 日の午後 \(8\) 時 12. ドバイが \(7\) 時間進んでいる

13. 引いた答えの符号を落とし、日付も直していないのが、まちがいです。

14. \(4\) 人だけでならしているのが、まちがいです。 求めるのは、\(5\) 人ぶんの穴をうめる得点です。

この行でしたこと
13 \(5+(-14)=-9\)\(-9+24=15\) \(0\) より小さいので \(24\) をたした
14 \(-8+10+4-2=+4\)\(70+(-4)=66\) 差を合計し、反対の数をたした

確かめ

誤答の 3 日 9 時 から 9 − (−14) = 23 。東京が 3 日 23 時になり、5 時に戻らない
正しい 2 日 15 時 から 15 − (−14) = 29 、29 − 24 = 5 、日付を 1 日進めて 3 日
誤答の 71 を入れると 284 + 71 = 355 、355 ÷ 5 = 71 。平均が 70 にならない
正しい 66 を入れると 284 + 66 = 350 、350 ÷ 5 = 70

答えの吟味

\(-9\)\(0\) より小さいので前の日です。差の合計が正なので、欠けた一人は平均より低くなります。

答え 13. \(2\) 日の午後 \(3\) 時 14. \(66\)

15. 変化量 = 最後の値 − 最初の値 は、前とあとをくらべる道具です。二つの地点は同じ時点でならんでいます。

確かめ

標高は海面を 0 m とした基準との差 、標高差は その差どうしのちがい

答えの吟味

二つの語を混ぜないでください。 時間の前後があるときだけ、変化量を使います。

答え 二つの地点に時間の前後がなく、どちらが最初の値か決められないから

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セクション9の道具は、五つの入試の場面でそのまま働きました。

何を基準にするかを、先に決めてください。 そして 答えるときは、基準と単位を言葉で添えてください。

次はセクション「総仕上げとマスターチェック」です。この単元で決めた用語と記号の総整理から始まります。

次のセクションへ 用語と記号の総整理 →

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:入試型の利用問題

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    時差の説明として、正しいものはどれですか。
  2. 設問 1
    平均をそのまま基準にすると、差の合計は $0$ になります。その理由として、正しいものはどれですか。
  3. 設問 2
    東京を基準にした時差が $-10$ 時間の都市があります。東京が $14$ 日の午前 $3$ 時のとき、その都市の日付と時刻はどれですか。
  4. 設問 3
    $5$ 人の平均点は $66$ 点で、$4$ 人の得点は $59$、$72$、$80$、$61$ 点です。残る一人の得点はどれですか。
  5. 設問 4
    海面を $0$ m とします。山の観測所は $+318$ m、地下の坑道は $-52$ m です。標高差を $318-52=266$ m と答えました。このまちがいの説明として、正しいものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。