LESSON 01

累乗と四則の混合計算

くふうして計算する

くふうの型と、その見分け方をそろえる。交換法則・結合法則・分配法則という根拠があるときだけ順番を変えてよいこと、型が見つからなければ順序どおりに計算すればよいことを確かめる。セクション7のまとめ。

くふうして計算する

このレッスンでできるようになること

  • 式を見て、どのくふうが使えるかを見分けられる
  • くふうした道と、順序どおりの道が、同じ答えになることを確かめられる
  • くふうが使えないときは、順序どおりに計算して答えを出せる

前のレッスンの確認

  • 絶対値 … ある数を表す点と原点との距離
  • 反対の数 … 符号だけを変えた数のこと
  • 項 … 式を \(+\) と \(-\) で区切った、ひとかたまりのこと(符号は項に含まれる)
  • 加法の交換法則 … たす順番を入れかえても、和は変わらない/加法の結合法則 … どこからたしても、和は変わらない
  • 乗法の交換法則 … かける順番を入れかえても、積は変わらない/乗法の結合法則 … どこからかけても、積は変わらない
  • \(0\) が \(1\) つでもあれば、積は \(0\) です。
  • 加減の四つの手順 … ①項に分ける(符号は項に含める)②並べかえる(加法の交換法則・結合法則が根拠)③正の項の和と、負の項の和をそれぞれ求める ④合わせる
  • 分配法則 … かっこの外の数を、かっこの中のそれぞれにかけて、たすこと。
  • 引き算のときは、引いた形のまま配ります。
  • 同じ数が二か所にかけられていたら、その数をかっこの外へ出せます。
  • 選ぶのは、計算が楽なほうの道です。
  • かっこの中 → 累乗 → 乗除 → 加減/同じ優先順位のものは、左から順に。
  • 底が負の数のときは、指数が偶数なら正、指数が奇数なら負になります。
  • \(0\) は何乗しても \(0\) です。/\(1\) は何乗しても \(1\) です。

絶対値は記号でも書きます。\(|-17|\) は \(17\) です。

セクション7の最後の回です。ここまでの道具を、全部つなぎます。

同じ答えに、短い道で着く

順序どおりに進めば、答えは必ず出ます。ただし、遠回りになることがあります。

\(25\times(-17)\times 4\) を見てください。

順序どおりなら、左から \(25\times(-17)\) です。\(-425\) という、暗算しにくい数が出ます。

ところが \(25\) と \(4\) をかけると \(100\) です。\(100\times 17\) なら、すぐ \(1700\) と出ます。

選ぶのは、計算が楽なほうの道です。 短い道を選ぶことを、くふうといいます。

くふうは、順序を破ることではありません

ここが、いちばん大事なところです。

順序は動きません。 かっこの中 → 累乗 → 乗除 → 加減、同じ優先順位のものは、左から順に。 です。

では、なぜ \(25\times 4\) を先にできたのでしょうか。

乗法の交換法則があるので、\(25\times(-17)\times 4\) は \(25\times 4\times(-17)\) と書きかえられます。

順序を破ったのではありません。先に式を書きかえて、そのあとで順序どおりに計算したのです。

順番を変えてよい根拠は、三つ

順番を変えてよい根拠は、次の三つです。どれも答えを変えません。

根拠になる法則 何を書きかえてよいか
加法の交換法則・結合法則 たし算だけの式で、項の順番と先にたす場所
乗法の交換法則・結合法則 かけ算だけの式で、かける順番と先にかける場所
分配法則 配る向きと、その逆の向き

順番を変えてよいのは、この三つのどれかが根拠になるときです。

根拠がないのに順番を変えると、答えが変わります。あとでやってみせます。

計算の順序と、順番を変えてよい根拠をならべた図 左の枠に計算の順序が四段ならんでいる。右の枠に、書きかえてよい根拠になる法則がならんでいる。下に、根拠があるときだけ順番を変えてよいと書かれている。 くふうしても 順序は 動かない 計算の順序(動かない) ① かっこの中 ② 累乗 ③ 乗除 × ÷ ④ 加減 + − 同じ優先順位のものは 左から 順に 順番を変えてよい 根拠 加法の交換法則・結合法則 乗法の交換法則・結合法則 分配法則 どれも 答えを 変えない 根拠が あるときだけ 順番を 変えてよい 根拠が なければ 順序どおりに 計算する

くふうの型をならべます

くふうは、いくつかの決まった形にまとまります。この決まった形を、くふうの型と呼びます。

ここでは六つあつかい、型ごとにいつ使うかをはっきりさせます。

かける順番を変える

見分け方は、かけて \(100\) や \(10\) になる組がないかです。

\(25\times(-17)\times 4\) では、\(25\) と \(4\) で \(100\) になります。

負の数は \(-17\) の \(1\) つで奇数個なので、符号は \(-\) です。

絶対値は \(25\times 4=100\)、\(100\times 17=1700\) です。答えは \(-1700\) になります。

確かめ

順序どおりの道 25 × (−17) = −425 、(−425) × 4 = −1700
くふうした道  25 × 4 = 100 、100 × 17 = 1700 、符号は − で −1700
どちらも −1700

根拠は乗法の交換法則と乗法の結合法則です。\(4\) を動かし、先にかけました。

くくり出し

レッスン3で、同じ数が二か所にかけられていたら、その数をかっこの外へ出せます。 と決めました。名前をつけましょう。

同じ数が二か所にかけられているとき、その数をかっこの外へ出すことを、くくり出しといいます。

見分け方は、同じ数が二か所にかけられていないかです。

\((-24)\times 17+(-24)\times 13\) では、\(-24\) が二か所にあります。

外へ出すと \((-24)\times(17+13)\) で、かっこの中は \(30\) です。答えは \(-720\) です。

確かめ

くくり出さない道 (−24) × 17 = −408 、(−24) × 13 = −312 、−408 + (−312) = −720
くくり出した道  17 + 13 = 30 、(−24) × 30 = −720
どちらも −720

根拠は分配法則です。くくり出しは、分配法則を右から左へ読んだものです。

符号ごと、かっこの外へ出します。 \(-\) を置いていってはいけません。

きりのよい数に寄せる

こんどは、分配法則をふつうの向きに使います。見分け方は、きりのよい数の近くにないかです。

\(98\times 7\) を見てください。\(98\) は \(100\) の近くにあります。

\(98\) を \(100-2\) と書きかえると、\((100-2)\times 7\) になります。

引き算のときは、引いた形のまま配ります。 \(100\times 7-2\times 7\) です。

\(700-14=686\) になりました。

確かめ

そのまま計算 98 × 7 = 686
寄せて計算  100 × 7 = 700 、2 × 7 = 14 、700 − 14 = 686
どちらも 686

\(103\times 6\) なら、\((100+3)\times 6\) と書きかえます。

たして 0 になる組を作る

見分け方は、反対の数どうしが混じっていないかです。

\(18-45+32+45\) には、\(-45\) と \(+45\) があります。加減の四つの手順 を使います。

①項に分ける(符号は項に含める)で、項は \(+18\)、\(-45\)、\(+32\)、\(+45\) の四つです。

②並べかえる(加法の交換法則・結合法則が根拠)で、\(-45\) と \(+45\) をとなりへ動かします。

③正の項の和と、負の項の和をそれぞれ求める で、\(18+32=50\)、\(-45+45=0\) です。

④合わせる で、\(50\) になります。

確かめ

順序どおりの道 18 − 45 = −27 、−27 + 32 = 5 、5 + 45 = 50
くふうした道  −45 と +45 で 0 、18 + 32 = 50
どちらも 50

たして \(0\) になる組は、先に消してかまいません。 根拠は加法の交換法則と加法の結合法則です。

累乗を先に見る

累乗の中には、計算しなくても値が決まるものがあります。

見分け方は、底が \(-1\) や \(0\) や \(1\) の累乗がないかです。

底が負の数のときは、指数が偶数なら正、指数が奇数なら負になります。 \(-1\) の累乗は、これで決まります。

\((-1)^{25}\times 34+(-1)^{26}\times 34\) を見てください。

\((-1)^{25}\) は指数が奇数なので \(-1\)、\((-1)^{26}\) は偶数なので \(1\) です。

式は \(-34+34\) になり、答えは \(0\) です。

\(0\) は何乗しても \(0\) です。 \(1\) は何乗しても \(1\) です。

0 をかける組を見つける

\(0\) が \(1\) つでもあれば、積は \(0\) です。 と、セクション5のレッスン4で決めました。

見分け方は、積のどこかに \(0\) がないかです。\(0\) が、かっこの中にかくれていることもあります。

\((-47)\times\{26+(-26)\}\times 31\) では、かっこの中が \(26+(-26)=0\) です。

だから積は \(0\) です。\(47\) や \(31\) をかける手間はいりません。

かっこの中がたして \(0\) になっていないか、先に見てください。

見分け方を、一枚の表に

六つを一枚にまとめます。見るのは、式のどこかです。

くふうの型 どんなときに使うか 根拠
かける順番を変える かけて \(100\) や \(10\) になる組があるとき 乗法の交換法則・乗法の結合法則
くくり出し 同じ数が二か所にかけられているとき 分配法則
きりのよい数に寄せる きりのよい数の近くに数があるとき 分配法則
たして \(0\) になる組を作る 反対の数どうしが混じっているとき 加法の交換法則・加法の結合法則
累乗を先に見る 底が \(-1\) や \(0\) や \(1\) の累乗があるとき 指数の偶数・奇数(レッスン1)
\(0\) をかける組を見つける 積のどこかに \(0\) があるとき \(0\) が \(1\) つでもあれば、積は \(0\)

下の二つは、順番を変えない型です。値が先に決まるので、手間が減ります。

さがす順番も決めておくと迷いません。手間の減り方が大きいものから見ます。

式を見たときにさがす順番をならべた図 六つの問いかけが上から下へならんでいる。それぞれの右に、当てはまったときに使うくふうの型が書かれている。いちばん下に、どれも当てはまらないときの進め方が書かれている。 式を見たら 上から 順に さがす 積に 0 は ないか 0 をかける組を見つける 底が −1 や 0 や 1 の 累乗は 累乗を 先に 見る 反対の数 どうしは たして 0 になる組を作る 同じ数が 二か所に くくり出し かけて 100 や 10 になる組は かける順番を変える きりのよい数の 近くに きりのよい数に寄せる 当てはまらなければ 順序どおりに 計算する

くふうが見つからないとき

型をひととおりさがしても、どれも当てはまらないことがあります。

そのときは、順序どおりに計算すればよいのです。

\(-4^{2}+91\div(-13)\) には、どの型も当てはまりません。

累乗で \(-16\)、次に除法で \(-7\)、最後に加減で \(-23\) です。

確かめ

−4 の 2 乗 = −(4 × 4) = −16  91 ÷ (−13) = −7  −16 + (−7) = −23

くふうできないことは、失敗ではありません。 順序があるから、いつでも答えに着けます。

例題1 かける順番を変える

次の計算をしなさい。

(1)\((-2)\times 39\times 50\) (2)\((-7)\times 125\times 8\)

かけて \(100\) や \(1000\) になる組をさがします。符号は先に決めます。

かける絶対値は、(1)が \(|-2|\) の \(2\)、(2)が \(|-7|\) の \(7\) です。

式 先にかける組 符号 絶対値の計算 答え
(1) \(2\times 50=100\) \(-\) \(100\times 39=3900\) \(-3900\)
(2) \(8\times 125=1000\) \(-\) \(1000\times 7=7000\) \(-7000\)

確かめ

(1)順序どおり (−2) × 39 = −78 、(−78) × 50 = −3900
(2)順序どおり (−7) × 125 = −875 、(−875) × 8 = −7000
どちらも くふうした答えと そろった

答えの吟味

負の数はどちらも \(1\) つで奇数個なので、答えは負です。

答え (1)\(-3900\) (2)\(-7000\)

例題2 くくり出す

次の計算をしなさい。

(1)\(37\times 22+37\times 28\) (2)\((-19)\times 43-(-19)\times 23\)

二か所にある同じ数を、符号ごと外へ出します。(2)で出すのは \(-19\) で、絶対値は \(|-19|\) の \(19\) です。

式 二か所にある数 くくり出した形 かっこの中 答え
(1) \(37\) \(37\times(22+28)\) \(50\) \(1850\)
(2) \(-19\) \((-19)\times(43-23)\) \(20\) \(-380\)

確かめ

(1)くくらない道 37 × 22 = 814 、37 × 28 = 1036 、814 + 1036 = 1850
(2)くくらない道 (−19) × 43 = −817 、(−19) × 23 = −437
         −817 − (−437) = −817 + 437 = −380
どちらも くくり出した答えと そろった

答えの吟味

(2)は引き算なので、かっこの中も引き算のまま残ります。

答え (1)\(1850\) (2)\(-380\)

例題3 文化祭で使う画用紙の代金

文化祭の展示で、\(1\) 枚 \(97\) 円の画用紙を \(8\) 枚買います。代金はいくらになりますか。

\(97\) は \(100\) の近くにあります。\(100-3\) と書きかえて配ります。

式 この行でしたこと
\(97\times 8\) 値段と枚数から式を作った
\((100-3)\times 8\) \(97\) を \(100-3\) に書きかえた
\(100\times 8-3\times 8\) 引いた形のまま配った
\(800-24=776\) 二つの積を求めて引いた

確かめ

そのまま計算 97 × 8 = 776
寄せて計算  100 × 8 = 800 、3 × 8 = 24 、800 − 24 = 776
どちらも 776

答えの吟味

\(1\) 枚 \(100\) 円なら \(800\) 円です。それより少し安くなるはずです。

答え \(776\) 円

例題4 たして 0 になる組を作る

次の計算をしなさい。

(1)\(-36+58-14+36\) (2)\(-19+37-37-25\)

加減の四つの手順 で項に分け、反対の数の組をさがします。

式 項 たして \(0\) になる組 残りの計算 答え
(1) \(-36\)、\(+58\)、\(-14\)、\(+36\) \(-36\) と \(+36\) \(58-14\) \(44\)
(2) \(-19\)、\(+37\)、\(-37\)、\(-25\) \(+37\) と \(-37\) \(-19-25\) \(-44\)

確かめ

(1)順序どおり −36 + 58 = 22 、22 − 14 = 8 、8 + 36 = 44
(2)順序どおり −19 + 37 = 18 、18 − 37 = −19 、−19 − 25 = −44
どちらも くふうした答えと そろった

答えの吟味

(1)は残った項が \(+58\) と \(-14\) で、正のほうが大きいので答えも正です。

答え (1)\(44\) (2)\(-44\)

例題5 累乗と 0 を先に見る

次の計算をしなさい。

(1)\((-1)^{2026}\times 39\) (2)\((-1)^{2027}\times 39\) (3)\((19-19)\times(-8)^{3}\)

見るのは、指数が偶数か奇数かだけです。(3)はかっこの中が先です。

式 見たところ 分かったこと 答え
(1) 指数 \(2026\) は偶数 \((-1)^{2026}=1\) \(39\)
(2) 指数 \(2027\) は奇数 \((-1)^{2027}=-1\) \(-39\)
(3) \(19-19=0\) 積の中に \(0\) がある \(0\)

確かめ

(1)(−1) を 2026 個かける 。負の数が偶数個なので 1  1 × 39 = 39
(2)(−1) を 2027 個かける 。負の数が奇数個なので −1  (−1) × 39 = −39
(3)19 − 19 = 0  0 × (−8) の 3 乗 = 0

答えの吟味

(3)の \((-8)^{3}\) は \(-512\) ですが、求めずに答えが決まります。

答え (1)\(39\) (2)\(-39\) (3)\(0\)

セクション7で作った道具

\(5\) 回で作った道具を、ならべます。

レッスン 作った道具(確定した言い方のまま)
1 累乗(底と指数) 累乗 … 同じ数をいくつかかけたもの/底 … 累乗で、繰り返しかける数/指数 … 累乗で右上に書く、かける個数を表す数/指数は、かける回数です。/底が負の数のときは、指数が偶数なら正、指数が奇数なら負になります。
2 かっこがつくときとつかないとき 指数は、すぐ左にあるものだけにかかります。/かっこがあれば、かっこの中ぜんぶが底になります。/かっこがなければ、底は数の部分だけです。/\((-4)^{2}\) と \(-4^{2}\) は、別の数です。
3 分配法則 分配法則 … かっこの外の数を、かっこの中のそれぞれにかけて、たすこと。/引き算のときは、引いた形のまま配ります。/同じ数が二か所にかけられていたら、その数をかっこの外へ出せます。/選ぶのは、計算が楽なほうの道です。
4 四則の混じった計算の順序 かっこの中 → 累乗 → 乗除 → 加減/同じ優先順位のものは、左から順に。
5 くふうして計算する くくり出し … 同じ数が二か所にかけられているとき、その数をかっこの外へ出すこと/順番を変えてよいのは、この三つのどれかが根拠になるときです。/くふうできないことは、失敗ではありません。
セクション7の五つのレッスンでそろえた道具の地図 五つの枠が上から下へならび、矢印でつながっている。それぞれの枠に、レッスンの名前と、そこで作った道具が書かれている。 セクション 7 で 作った 道具 レッスン1 累乗(底と指数) 累乗・底・指数 指数は かける回数 レッスン2 かっこがつくときとつかないとき 指数は すぐ左に あるものだけに かかる レッスン3 分配法則 配る道と くくり出す道 答えは 同じ レッスン4 四則の混じった計算の順序 かっこの中 → 累乗 → 乗除 → 加減 レッスン5 くふうして計算する 根拠が あるときだけ 順番を 変えてよい

今日の問い

\(25\times(-17)\times 4\) で、\(25\times 4\) を先に計算しました。

\(4\) は左から三番目です。順序を破ったように見えます。

乗法の交換法則があるので、\(25\times(-17)\times 4\) は \(25\times 4\times(-17)\) と書きかえられます。

書きかえた式を左から計算すれば、\(25\times 4\) が先です。順序どおりになっています。

根拠がないと、答えが変わります

根拠のない書きかえをやってみます。\(20-7\times 25\) です。

\(20-7\) を先にすると \(13\) で、\(13\times 25=325\) になります。

順序どおりなら \(7\times 25=175\) が先で、\(20-175=-155\) です。

確かめ

順序どおり 7 × 25 = 175 、20 − 175 = −155
勝手な書きかえ 20 − 7 = 13 、13 × 25 = 325
答えが そろわない

引き算とかけ算のあいだをまたいで入れかえてよい、という法則はありません。

式 先にした計算 よいか 理由
\(25\times(-17)\times 4\) \(25\times 4\) よい 乗法の交換法則がある
\(20-7\times 25\) \(20-7\) いけない 根拠の法則がない

くふうかどうかは、根拠があるかどうかで決まります。 楽そうに見えるかではありません。

よくある間違い

まちがい1:くふうのつもりで、順序を破る

\(6+4\times 21\) を計算する問題です。

✗ 6 + 4 = 10 で きりがよい
✗ 10 × 21
✗ = 210

きりのよい数を作ったつもりですが、たし算とかけ算をまたいでいます。

○ 4 × 21 = 84
○ 6 + 84 = 90
○ 答えは 90

誤答の \(210\) が、どの式の値かを見てみます。

210 は (6 + 4) × 21 の値 。もとの式に かっこは ない
誤答は 210 。正しい答え 90 とちがうので、まちがい

きりがよくなっても、根拠がなければ動かせません。

まちがい2:寄せたときに、かけ忘れる

\(99\times 4\) を、きりのよい数に寄せて計算する問題です。

✗ 99 = 100 − 1 だから
✗ 400 − 1
✗ = 399

\(100\) には \(4\) をかけたのに、\(1\) にはかけていません。配り残しです。

○ (100 − 1) × 4 = 100 × 4 − 1 × 4
○ = 400 − 4
○ = 396

そのまま計算して確かめます。

99 × 4 = 396 。誤答は 399 で ちがうので、まちがい

寄せた式でも、配る相手は二つとも同じです。

まちがい3:符号を見ずに、たして 0 の組にする

\(-38+45-38\) を計算する問題です。

✗ 38 と 38 で たして 0
✗ 残りは 45
✗ = 45

二つの \(38\) は、どちらも負の項です。反対の数どうしではありません。

○ 項は −38 と +45 と −38
○ 負の項の和は −38 + (−38) = −76
○ −76 + 45 = −31

順序どおりに計算して確かめます。

−38 + 45 = 7 、7 − 38 = −31
誤答は 45 。正しい答え −31 とちがうので、まちがい

たして \(0\) になる組は、符号がちがいます。

自分で確かめよう

紙に書いてから、答えを開いてください。まず、使えるくふうの型をさがすこと。

  1. 次の式に使えるくふうの型の名前を答えなさい。計算はしなくてかまいません。 (1)\(50\times(-23)\times 2\) (2)\(41\times 18-41\times 8\) (3)\(-52+35+52\) (4)\((-1)^{33}\times 66\)

2 から 13 までを計算しなさい。使えるくふうがあれば、使ってください。

  1. \((-5)\times 29\times 20\)

  2. \(53\times 24+53\times 76\)

  3. \((-31)\times 62-(-31)\times 42\)

  4. \(96\times 5\)

  5. \(108\times 6\)

  6. \(-41+73+41\)

  7. \(58-92+42-8\)

  8. \((-1)^{58}\times 87\)

  9. \((-1)^{61}\times 87\)

  10. \((-45)\times\{(-19)+19\}\times 77\)

  11. \(88\div(-11)\times 7+24\)

  12. \(\{-35+(-49)\}\div(-21)+9\)

  13. \(25\times(-36)\times 4\) を、くふうした道と順序どおりの道で計算しなさい。

  14. 次の計算はまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく計算しなさい。

(−9) × 43 + (−9) × 57
= (−9) × (43 + 57)
= (−9) × 100
= 900
  1. 式の順番を変えてよいのは、どんな根拠があるときですか。根拠になる法則を三つ書きなさい。
答えと考え方

1. \(0\)、累乗、反対の数、同じ数、かけて \(100\) になる組、きりのよい数の順にさがします。

確かめ

(1)50 × 2 = 100  (2)41 が 二か所  (3)−52 と +52 は 反対の数  (4)指数 33 は 奇数

答えの吟味

見分けるだけなら、計算はいりません。

答え (1)かける順番を変える (2)くくり出し (3)たして \(0\) になる組を作る (4)累乗を先に見る

2.〜4. \(100\) になる組を先にかけ、同じ数は符号ごと外へ出します。

確かめ

2. くふう 5 × 20 = 100 、100 × 29 = 2900 、符号は − で −2900
2. 順序どおり (−5) × 29 = −145 、(−145) × 20 = −2900
3. くくり出し 24 + 76 = 100 、53 × 100 = 5300
3. くくらない道 53 × 24 = 1272 、53 × 76 = 4028 、1272 + 4028 = 5300
4. くくり出し 62 − 42 = 20 、(−31) × 20 = −620
4. くくらない道 (−31) × 62 = −1922 、(−31) × 42 = −1302
        −1922 − (−1302) = −1922 + 1302 = −620

答えの吟味

\(4\) は引き算なので、かっこの中も引き算のまま残ります。

答え 2. \(-2900\) 3. \(5300\) 4. \(-620\)

5.〜8. \(5\) と \(6\) は寄せて配り、\(7\) と \(8\) は項に分けます。

確かめ

5. 寄せて (100 − 4) × 5 = 500 − 20 = 480  そのまま 96 × 5 = 480
6. 寄せて (100 + 8) × 6 = 600 + 48 = 648  そのまま 108 × 6 = 648
7. くふう −41 と +41 で 0 、残りは 73
7. 順序どおり −41 + 73 = 32 、32 + 41 = 73
8. くふう 正の項の和 58 + 42 = 100 、負の項の和 −92 − 8 = −100 、合わせて 0
8. 順序どおり 58 − 92 = −34 、−34 + 42 = 8 、8 − 8 = 0

答えの吟味

\(5\) は \(100\) より小さいので引き、\(6\) は大きいので足します。

答え 5. \(480\) 6. \(648\) 7. \(73\) 8. \(0\)

9.〜11. 底が \(-1\) の累乗は指数だけを見ます。\(11\) はかっこの中が先です。

確かめ

9. 指数 58 は 偶数 。(−1) の 58 乗 = 1  1 × 87 = 87
10. 指数 61 は 奇数 。(−1) の 61 乗 = −1  (−1) × 87 = −87
11. (−19) + 19 = 0  (−45) × 0 = 0 、0 × 77 = 0

答えの吟味

\((-1)\) を \(58\) 回かけ算する必要はありません。

答え 9. \(87\) 10. \(-87\) 11. \(0\)

12.〜13. くふうの型が当てはまりません。順序どおりに計算します。

確かめ

12. 88 ÷ (−11) = −8  −8 × 7 = −56  −56 + 24 = −32
12. (−11) × (−8) = 88  もどった
13. −35 + (−49) = −84  −84 ÷ (−21) = 4  4 + 9 = 13
13. (−21) × 4 = −84  もどった

答えの吟味

\(12\) は乗除がならんでいます。同じ優先順位のものは、左から順に。 です。

答え 12. \(-32\) 13. \(13\)

14. \(25\) と \(4\) をかけると \(100\) になります。

確かめ

くふうした道 25 × 4 = 100 、100 × 36 = 3600 、符号は − で −3600
順序どおりの道 25 × (−36) = −900 、(−900) × 4 = −3600
どちらも −3600

答えの吟味

根拠は乗法の交換法則と乗法の結合法則です。だから答えがそろいます。

答え どちらも \(-3600\)

15. まちがっているのは、最後の行です。 \(-9\) を符号ごと外へ出したので、かっこの外は \(-9\) のままです。

○ (−9) × (43 + 57) = (−9) × 100 = −900

確かめ

くくらない道 (−9) × 43 = −387 、(−9) × 57 = −513 、−387 + (−513) = −900
誤答は 900 。正しい答え −900 と符号がちがうので、まちがい

答えの吟味

符号がちがう \(2\) 数の積なので、答えは負の数になるはずです。

答え 最後の行で符号を落としたのがまちがい。正しくは \(-900\)

16. 根拠になるのは、書きかえても答えを変えない法則です。

確かめ

加法の交換法則・結合法則 たし算だけの式で 順番を 変えられる
乗法の交換法則・結合法則 かけ算だけの式で 順番を 変えられる
分配法則 配る向きと その逆の向き

答えの吟味

くふうは、順序を破ることではありません。

答え 加法の交換法則・結合法則、乗法の交換法則・結合法則、分配法則

次のレッスンへ

くふうの型と、見分け方がそろいました。

同じ数が二か所にかけられているとき、その数をかっこの外へ出すことを、くくり出しといいます。

いちばん大事なのは、順番を変えてよいのは、この三つのどれかが根拠になるときです。 ということです。

順序は動きません。かっこの中 → 累乗 → 乗除 → 加減、同じ優先順位のものは、左から順に。 です。

そして くふうできないことは、失敗ではありません。 型がなければ、順序どおりに計算します。

これでセクション7は終わりです。

次のセクションは「数の集合と素数」です。第1回は「自然数・整数・数の広がり」です。

こんどは計算のしかたではなく、数そのものを見ます。仲間に分けて、数がどこまで広がったのかを確かめます。

次のセクションへ 自然数・整数・数の広がり →

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:くふうして計算する

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    くくり出しとは、どんな操作のことですか。
  2. 設問 1
    $2\times(-67)\times 5$ を計算するとき、$2\times 5$ を先に計算してよいのはなぜですか。
  3. 設問 2
    $(-47)\times 68-(-47)\times 28$ を、くくり出しを使って計算しなさい。
  4. 設問 3
    $(-1)^{45}\times 26+(-1)^{46}\times 74$ を計算しなさい。
  5. 設問 4
    $9+6\times 15$ を、$9+6=15$、$15\times 15=225$ と計算しました。まちがいの原因はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。