LESSON 01

正負の数の乗法

小数と分数のかけ算

小数のかけ算は整数に直してから小数点を打ち直し、分数のかけ算はかける前に約分する。小数と分数が混じった式は分数にそろえる。符号の決め方は整数のときと変わらないことを確かめ、セクション5で作った道具を一枚にまとめる。

小数と分数のかけ算

このレッスンでできるようになること

  • 小数のかけ算を、整数のかけ算に直してから小数点を打ち直して計算できる
  • 分数のかけ算で、かける前に約分してから分子どうし・分母どうしをかけられる
  • 小数と分数が混じった式を、分数にそろえて計算できる

前のレッスンの確認

  • 符号 … 数が正か負かを表す \(+\)\(-\) のしるし。\(+\) は省略できるが、\(-\) は省略できない
  • 絶対値 … ある数を表す点と原点との距離
  • … かけ算の答えのこと
  • 乗法 … かけ算のこと
  • 同じ符号どうしなら積は正、ちがう符号どうしなら積は負になります。
  • 符号が先、絶対値があと … ①符号を先に決める(同じ符号どうしなら \(+\)、ちがう符号どうしなら \(-\)) ②絶対値どうしをかける
  • どんな数に \(0\) をかけても、積は \(0\) です。
  • \(-1\) をかけると、その数の反対の数になります。
  • 負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負になります。
  • 乗法の交換法則 … かける順番を入れかえても、積は変わらない
  • 乗法の結合法則 … どこからかけても、積は変わらない

絶対値は記号でも書きます。\(|-0.4|\)\(0.4\) です。\(|-2.5|\)\(2.5\) です。

変わるのは、絶対値の計算だけです

セクション5では、ずっと整数のかけ算をあつかってきました。今日は小数と分数です。

符号の決め方は、整数のときと何も変わりません。

符号が先、絶対値があと は、そのまま使えます。変わるのは手順②の中身だけです。

手順 整数のとき 小数・分数のとき
①符号を先に決める \(2\) 数の符号を見る まったく同じ
②絶対値どうしをかける 整数のかけ算 小数・分数のかけ算

小数のかけ算は、整数に直して、小数点を打つ

\((-0.4)\times(+1.6)\) を計算します。手順①から、積の符号は \(-\) です。

残っているのは絶対値です。\(|-0.4|\)\(0.4\)\(|+1.6|\)\(1.6\) なので、\(0.4\times 1.6\) を計算します。

小数点をとって、あとで打ち直す

小数のままでは、九九が使えません。そこで、いったん整数に直します。

\(0.4\) の小数点をとると \(4\)\(1.6\) の小数点をとると \(16\) です。\(4\times 16=64\) となります。

\(64\) のままでは大きすぎます。とった小数点を、打ち直します。

どこに打つかは、小数点より右にある数字の個数で決まります。

\(0.4\)\(1.6\) も右に \(1\) つで、合わせて \(2\) つです。

だから \(64\) の小数点を左へ \(2\) つもどして、\(0.64\) とします。

このやり方を、整数に直して、小数点を打つ と呼びます。

  1. 小数点をとって、整数のかけ算にする
  2. 小数点より右にあった数字の個数だけ、小数点を左へもどす
小数点をとって計算し、あとで打ち直す流れ図 上で二つの小数の小数点をとって整数にし、その整数どうしをかけている。下で、とった小数点の個数だけ小数点を左へもどしている。 整数に直して、小数点を打つ ① 小数点をとって 整数のかけ算にする 0.4 → 4 1.6 → 16 小数点より右に 1 つ 小数点より右に 1 つ 4 × 16 = 64 ② 右にあった数字は 合わせて 2 つ 64 左へ 2 つ 0.64 符号は − だから 積は −0.64

答えは \(-0.64\) です。小数点の位置は、かけ算のあとで決めます。

位置は見当でも確かめられます。\(1\) より小さい \(0.4\) をかけたので、積は \(1.6\) より小さいはずです。

なお、答えが \(4.00\) のように右はしに \(0\) が続くときは、書かずに \(4\) とします。

分数のかけ算は、分子どうし・分母どうし

次は分数です。\(\left(-\dfrac{3}{8}\right)\times\left(+\dfrac{5}{6}\right)\) を計算します。

\(2\) 数の符号はちがうので、積の符号は \(-\) です。絶対値は \(\dfrac{3}{8}\)\(\dfrac{5}{6}\) です。

小学校で習ったとおり、分子どうし・分母どうしをかけます

\(\dfrac{3}{8}\times\dfrac{5}{6}=\dfrac{3\times 5}{8\times 6}=\dfrac{15}{48}\)

\(\dfrac{15}{48}\)\(3\) で約分できて \(\dfrac{5}{16}\) です。答えは \(-\dfrac{5}{16}\) になります。

約分は、かける前にしておくと楽

いまの計算では、とちゅうで \(\dfrac{15}{48}\) が出てきました。\(48\) は大きい数です。

じつは、約分はかけ算の前にもできます

\(\dfrac{3}{8}\times\dfrac{5}{6}\)\(3\)\(6\) は、\(3\) で約分できて \(1\)\(2\) になります。

あとは \(\dfrac{1\times 5}{8\times 2}=\dfrac{5}{16}\) です。同じ答えで、大きい数が出てきません。

このやり方を 約分は、かける前に と呼びます。

約分を先にする道と、あとにする道をくらべた図 左の箱では先にかけ算をしてから約分している。右の箱では先に約分してからかけ算をしている。答えはどちらも同じである。 約分は、かける前に 同じかけ算を 二つのやり方でくらべる かけてから約分する かける前に約分する 分子は 3 × 5 = 15 分母は 8 × 6 = 48 15 48 ここから 3 で約分 5 16 3 と 6 を 3 で約分して 1 と 2 にする 分子は 1 × 5 = 5 分母は 8 × 2 = 16 5 16 大きい数が出てこない 答えは同じ 右のほうが あつかう数が小さい

約分する相手は、分子と分母です。分子と分子では約分できません。

ななめの分子と分母どうしでも約分できます。分子は全部が分子、分母は全部が分母だからです。

約分をしても、積の符号は変わりません。

整数や帯分数が混じるとき

\(\left(-\dfrac{9}{4}\right)\times(+6)\) を見ます。符号はちがうので、積の符号は \(-\) です。

整数の \(6\)\(\dfrac{6}{1}\) と書けます。整数は、分母が \(1\) の分数と見ます

かける前に約分します。\(6\)\(4\)\(2\) で約分できて、\(3\)\(2\) になります。

\(\dfrac{9}{4}\times\dfrac{6}{1}=\dfrac{9\times 3}{2\times 1}=\dfrac{27}{2}\)

答えは \(-\dfrac{27}{2}\) です。

帯分数が出てきたときは、先に仮分数に直します\(2\dfrac{1}{4}\) なら \(\dfrac{9}{4}\) です。

帯分数のままでは、分子どうし・分母どうしがどこにあるか分かりません。

小数と分数が混じったら、分数にそろえる

\((-0.4)\times\left(+\dfrac{5}{6}\right)\) のように、小数と分数が混じることがあります。

このままでは、どちらのやり方も使えません。混じった式は、分数にそろえてください。

\(0.4\)\(\dfrac{4}{10}\) で、約分して \(\dfrac{2}{5}\) です。\(\dfrac{2}{5}\times\dfrac{5}{6}\) なら約分もできます。

\(\dfrac{2}{5}\times\dfrac{5}{6}=\dfrac{1\times 1}{1\times 3}=\dfrac{1}{3}\)

積の符号は \(-\) なので、答えは \(-\dfrac{1}{3}\) です。

小数を分数に直す書き方

小数点より右に数字が \(1\) つなら分母は \(10\)\(2\) つなら分母は \(100\) です。約分もしておきます。

小数 分母をつけた形 約分した形
\(0.4\) \(\dfrac{4}{10}\) \(\dfrac{2}{5}\)
\(1.6\) \(\dfrac{16}{10}\) \(\dfrac{8}{5}\)
\(2.5\) \(\dfrac{25}{10}\) \(\dfrac{5}{2}\)

例題1 小数のかけ算

次の計算をしなさい。

(1)\((-0.3)\times(+1.8)\) (2)\((+2.5)\times(-1.6)\) (3)\((-2.5)\times(+12)\)

まず符号を決め、そのあとで整数に直して小数点を打ちます。手順②でかけるのは絶対値で、(1)なら \(|-0.3|\)\(0.3\)\(|+1.8|\)\(1.8\) です。

整数には小数点より右の数字がありません。だから(3)で数える個数は、\(2.5\)\(1\) つだけです。

符号(手順①) 整数のかけ算 右にあった数字
(1)\((-0.3)\times(+1.8)\) \(-\) \(3\times 18=54\) \(2\) \(-0.54\)
(2)\((+2.5)\times(-1.6)\) \(-\) \(25\times 16=400\) \(2\) \(-4\)
(3)\((-2.5)\times(+12)\) \(-\) \(25\times 12=300\) \(1\) \(-30\)

確かめ

(1)0.3 は 1 より小さいので、積は 1.8 より小さいはず
(3)2.5 の 4 倍が 10 、12 倍は 30

答えの吟味

三つとも符号がちがう \(2\) 数の積なので、答えはすべて負の数です。

答え (1)\(-0.54\) (2)\(-4\) (3)\(-30\)

例題2 分数どうしのかけ算

次の計算をしなさい。

(1)\(\left(-\dfrac{5}{18}\right)\times\left(+\dfrac{6}{7}\right)\) (2)\(\left(+\dfrac{7}{10}\right)\times\left(-\dfrac{5}{14}\right)\)

どちらも、かける前に約分できます。(1)でかける絶対値は \(\left|-\dfrac{5}{18}\right|\)\(\left|+\dfrac{6}{7}\right|\) です。約分してから分子どうし・分母どうしをかけます。

符号(手順①) かける前の約分 分子と分母
(1) \(-\) \(6\)\(18\)\(6\) で約分 \(5\times 1\)\(3\times 7\) \(-\dfrac{5}{21}\)
(2) \(-\) \(7\)\(14\)\(5\)\(10\) を約分 \(1\times 1\)\(2\times 2\) \(-\dfrac{1}{4}\)

確かめ

(2)約分せずにかけると 140 分の 35 、35 で約分して 4 分の 1

答えの吟味

(2)は約分が \(2\) 組ありました。ななめの分子と分母どうしでも約分できます。

答え (1)\(-\dfrac{5}{21}\) (2)\(-\dfrac{1}{4}\)

例題3 整数や帯分数とのかけ算

次の計算をしなさい。

(1)\(\left(-\dfrac{11}{6}\right)\times(+9)\) (2)\(\left(+2\dfrac{1}{6}\right)\times\left(-\dfrac{4}{13}\right)\)

(1)は整数を分母 \(1\) の分数に、(2)は帯分数を仮分数に直します。

符号(手順①) 分数に直す かける前の約分
(1) \(-\) \(9\)\(\dfrac{9}{1}\) \(9\)\(6\)\(3\) で約分 \(-\dfrac{33}{2}\)
(2) \(-\) \(2\dfrac{1}{6}\)\(\dfrac{13}{6}\) \(13\)\(13\)\(4\)\(6\) \(-\dfrac{2}{3}\)

確かめ

(1)約分せずにかけると 6 分の 99 、3 で約分して 2 分の 33
(2)約分せずにかけると 78 分の 52 、26 で約分して 3 分の 2

答えの吟味

(1)の \(-\dfrac{33}{2}\)\(-16.5\) です。\(-\dfrac{11}{6}\)\(9\) 倍として合っています。

答え (1)\(-\dfrac{33}{2}\) (2)\(-\dfrac{2}{3}\)

例題4 小数と分数の混じったかけ算

次の計算をしなさい。

(1)\((-0.7)\times\left(+\dfrac{4}{21}\right)\) (2)\(\left(-\dfrac{9}{4}\right)\times(-1.2)\)

小数を分数に直してから、かける前に約分します。

符号(手順①) 小数を分数に かける前の約分
(1) \(-\) \(0.7\)\(\dfrac{7}{10}\) \(7\)\(21\)\(4\)\(10\) \(-\dfrac{2}{15}\)
(2) \(+\) \(1.2\)\(\dfrac{6}{5}\) \(6\)\(4\)\(2\) で約分 \(\dfrac{27}{10}\)

確かめ

(1)約分せずにかけると 210 分の 28 、14 で約分して 15 分の 2
(2)約分せずにかけると 20 分の 54 、2 で約分して 10 分の 27

答えの吟味

(2)は同じ符号どうしなので、積は正の数です。\(\dfrac{27}{10}\)\(2.7\) で、\(\dfrac{9}{4}\)\(1.2\) 倍として合っています。

答え (1)\(-\dfrac{2}{15}\) (2)\(\dfrac{27}{10}\)

例題5 3 つの数の積

\(\left(-\dfrac{3}{8}\right)\times(+1.6)\times(-2.5)\) を計算しなさい。

数が \(3\) つでも、やることは同じです。

この行でしたこと
符号は \(+\) 負の数は \(2\) つで偶数個
\(1.6\)\(\dfrac{8}{5}\)\(2.5\)\(\dfrac{5}{2}\) 小数を分数に直した
\(\dfrac{3}{8}\times\dfrac{8}{5}\times\dfrac{5}{2}\) 絶対値どうしのかけ算にした
\(8\)\(8\)\(5\)\(5\) を約分 かける前に約分した
\(\dfrac{3\times 1\times 1}{1\times 1\times 2}=\dfrac{3}{2}\) 分子どうし・分母どうしをかけた

確かめ

乗法の交換法則と結合法則で 1.6 × 2.5 を先に計算すると 4
8 分の 3 の 4 倍は 8 分の 12 、約分して 2 分の 3 。同じ

答えの吟味

負の数は \(2\) つで偶数個なので、積は正の数です。\(\dfrac{3}{2}\)\(1.5\) です。

答え \(\dfrac{3}{2}\)

例題6 積もった雪が減っていく

積もった雪が、\(1\) 時間に \(1.2\) cm ずつ浅くなっていきます。

深くなる変化を正の数、浅くなる変化を負の数で表します。

\(\dfrac{5}{6}\) 時間で、深さはどれだけ変わりますか。

まず \(1\) 時間あたりの変化を、符号付きの数にします。

この行でしたこと
\(-1.2\) \(1\) 時間あたりの変化を数にした
\((-1.2)\times\dfrac{5}{6}\) \(\dfrac{5}{6}\) 時間ぶんにした
符号は \(-\) 手順① ちがう符号どうし
\(1.2\)\(\dfrac{6}{5}\) にして \(6\)\(6\)\(5\)\(5\) を約分 分数にそろえて約分した
\(-1\) 符号と合わせた

確かめ

6 分の 5 時間は 50 分
1 時間で −1.2 だから、その 6 分の 5 で −1

答えの吟味

雪は浅くなっているので、変化は負の数になるはずです。答えと合っています。

答え \(-1\) cm

セクション5で作った道具

\(5\) 回で作った道具を、\(1\) 枚にまとめます。

レッスン 作った道具
1 負の数をかけるとはどういうことか かけ算は、同じ数を何回かたすこと(前の数が1回分の大きさ、後ろの数が回数)。どんな数に \(0\) をかけても、積は \(0\) です。
2 負×負が正になる理由 きまりを切らさない(表の規則を切らさずに延ばす)と 場面と合う(「◯分前」を負の時間として読んでも、場面と食いちがわない)の二つの理由
3 乗法の計算:符号と絶対値 符号が先、絶対値があと … ①符号を先に決める絶対値どうしをかける同じ符号どうしなら積は正、ちがう符号どうしなら積は負になります。
4 3つ以上の積と、かける順番 負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負になります。 乗法の交換法則(かける順番を入れかえても、積は変わらない)と乗法の結合法則(どこからかけても、積は変わらない)
5 小数と分数のかけ算 整数に直して、小数点を打つ約分は、かける前に。混じった式は分数にそろえる
セクション5の五つのレッスンで作った道具の地図 五つの横長の箱が上から下へならび、矢印でつながっている。それぞれの箱に、そのレッスンのだいめいと、そこで作った道具が書かれている。 セクション5で作った道具 レッスン1 負の数をかけるとはどういうことか かけ算は、同じ数を何回かたすこと レッスン2 負×負が正になる理由 きまりを切らさない 場面と合う レッスン3 乗法の計算:符号と絶対値 符号が先、絶対値があと レッスン4 3つ以上の積と、かける順番 負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負 レッスン5 小数と分数のかけ算 整数に直して、小数点を打つ 約分は、かける前に 符号の決め方は どのレッスンでも同じ

符号の決め方は、上から下までひとつづきです。

今日の問い

小数と分数が混じったら、分数にそろえると決めました。

では反対に、分数を小数に直してそろえてはいけないのでしょうか。

\((-2.5)\times\left(+\dfrac{5}{6}\right)\) で試します。\(\dfrac{5}{6}\) を小数に直してみてください。

\(\dfrac{5}{6}\)\(0.8333\cdots\) となって、書ききれません。

そろえ方 いつでもできるか
分数にそろえる できる(小数は分母が \(10\)\(100\) の分数で書ける)
小数にそろえる できないことがある(\(\dfrac{5}{6}\) は書ききれない)

いつでもできるのは、片方だけです。だから、まず分数にそろえると決めておきます。

よくある間違い

まちがい1:小数点をもどす個数をまちがえる

\((-1.2)\times(+0.15)\) を計算する問題です。

✗ 12 × 15 = 180
✗ 小数点を左へ 2 つもどして
✗ = −1.8

\(1.2\) は右に \(1\) つ、\(0.15\) は右に \(2\) つで、合わせて \(3\) つです。誤答は \(1\) つ足りません。

○ 小数点を左へ 3 つもどして 0.180 、つまり 0.18
○ 答えは −0.18

見当で確かめます。

0.15 は 1 より小さいので、積は 1.2 より小さいはず
誤答は −1.8 で、0 からの距離が 1.2 より大きい。だから まちがい

もどす個数は、両方の数について数えてください。

まちがい2:分数のかけ算で、通分してから分子だけをかける

\(\left(+\dfrac{2}{3}\right)\times\left(-\dfrac{5}{9}\right)\) を計算する問題です。

✗ 通分して 27 分の 18 と 27 分の 15
✗ 分母は 27 のままで、分子だけかけて 27 分の 270
✗ = −10

通分して分母をそろえるのは、たし算と引き算のやり方です。

かけ算では通分せず、分子どうし・分母どうしを、そのままかけます

○ 分子は 2 × 5 = 10 、分母は 3 × 9 = 27 で 27 分の −10

大きさで確かめます。

3 分の 2 も 9 分の 5 も 1 より小さいので、積は 3 分の 2 より小さいはず
誤答は −10 で、0 からの距離が 10 。だから まちがい

通分するのは、たし算と引き算のときだけです。

まちがい3:整数を、分母にもかけてしまう

\(\left(-\dfrac{5}{6}\right)\times(+4)\) を計算する問題です。

✗ 分子にも分母にも 4 をかけて
✗ 24 分の 20
✗ = −6 分の 5

整数は \(\dfrac{4}{1}\) です。分母は \(1\) なので、分母にかかるのは \(1\) だけです。

○ 4 と 6 を 2 で約分して 2 と 3
○ 分子は 5 × 2 = 10 、分母は 3 × 1 = 3 で 3 分の −10

元の数とくらべます。

誤答は −6 分の 5 で、元の数とまったく同じ
4 倍したのに変わらないのは おかしい。だから まちがい

分子と分母の両方にかけると、大きさは変わりません。

自分で確かめよう

紙に書いてから、答えを開いてください。符号を先に決めてから、絶対値を計算すること。

  1. 次の計算をしなさい。 (1)\((-0.6)\times(+0.7)\) (2)\((+1.2)\times(-0.5)\) (3)\((-0.4)\times(-2.5)\)

  2. 次の計算をしなさい。 (1)\((-0.25)\times(+8)\) (2)\((+4.5)\times(-6)\) (3)\((-0.06)\times(-50)\)

  3. かける前に約分してから計算しなさい。 (1)\(\left(-\dfrac{4}{9}\right)\times\left(+\dfrac{3}{8}\right)\) (2)\(\left(-\dfrac{5}{6}\right)\times\left(-\dfrac{9}{20}\right)\) (3)\(\left(+\dfrac{10}{21}\right)\times\left(-\dfrac{14}{15}\right)\)

  4. 次の計算をしなさい。 (1)\(\left(-\dfrac{5}{6}\right)\times(+15)\) (2)\(\left(-1\dfrac{1}{5}\right)\times\left(-\dfrac{10}{9}\right)\) (3)\(\left(+3\dfrac{1}{3}\right)\times\left(-\dfrac{6}{25}\right)\)

  5. 分数にそろえて計算しなさい。 (1)\((+0.45)\times\left(-\dfrac{4}{9}\right)\) (2)\((-1.6)\times\left(-\dfrac{15}{8}\right)\)

  6. \((-0.4)\times\left(-\dfrac{5}{8}\right)\times(-2)\) を計算しなさい。

  7. タブレットの電池の残量が、\(1\) 分ごとに \(\dfrac{3}{8}\) % ずつ減ります。増える変化を正の数、減る変化を負の数で表します。\(20\) 分間で残量はどれだけ変わりますか。

  8. 次の計算はまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく計算しなさい。

(−0.5) × (−0.24)
5 × 24 = 120
小数点を左へ 2 つもどして
= 1.2
  1. 次の計算はまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく計算しなさい。
(−0.4) × (−1.5)
符号は −
4 × 15 = 60 、小数点を左へ 2 つもどして 0.6
= −0.6
  1. \(\left(-\dfrac{9}{4}\right)\times\left(+\dfrac{5}{6}\right)\) の積について、符号と絶対値をそれぞれ書きなさい。

  2. 次の小数を分数に直しなさい。約分できるものは約分しなさい。 (1)\(0.35\) (2)\(1.25\) (3)\(0.04\)

  3. 次の計算をしなさい。 (1)\(\left(-\dfrac{3}{8}\right)\times 0\) (2)\(\left(+\dfrac{7}{9}\right)\times(-1)\)

  4. \(\left(-\dfrac{8}{15}\right)\times\left(+\dfrac{25}{12}\right)\) を、かけてから約分するやり方と、かける前に約分するやり方の両方で計算しなさい。

  5. 小数と分数が混じった式は、分数にそろえて計算します。その理由を書きなさい。

  6. 小数や分数のかけ算では、積の符号の決め方は変わりますか。理由もつけて書きなさい。

答えと考え方

1.〜2. 符号を決めてから、整数に直して小数点を打ちます。

問題 符号 整数のかけ算 もどす個数
1(1) \(-\) \(6\times 7=42\) \(2\) \(-0.42\)
1(2) \(-\) \(12\times 5=60\) \(2\) \(-0.6\)
1(3) \(+\) \(4\times 25=100\) \(2\) \(1\)
2(1) \(-\) \(25\times 8=200\) \(2\) \(-2\)
2(2) \(-\) \(45\times 6=270\) \(1\) \(-27\)
2(3) \(+\) \(6\times 50=300\) \(2\) \(3\)

確かめ

1(3)1.00 の右はしの 0 を書かずに 1
2(3)0.06 の 100 倍が 6 だから、50 倍は 3

答えの吟味

同じ符号どうしは 1(3)と 2(3)で、この二つだけ積が正の数です。

答え 1(1)\(-0.42\) 1(2)\(-0.6\) 1(3)\(1\) 2(1)\(-2\) 2(2)\(-27\) 2(3)\(3\)

3.〜4. 整数は分母 \(1\) の分数、帯分数は仮分数に直してから約分します。

問題 符号 かける前の約分 分子と分母
3(1) \(-\) \(4\)\(8\)\(3\)\(9\) \(1\times 1\)\(3\times 2\) \(-\dfrac{1}{6}\)
3(2) \(+\) \(5\)\(20\)\(9\)\(6\) \(1\times 3\)\(2\times 4\) \(\dfrac{3}{8}\)
3(3) \(-\) \(10\)\(15\)\(14\)\(21\) \(2\times 2\)\(3\times 3\) \(-\dfrac{4}{9}\)
4(1) \(-\) \(15\)\(6\) \(5\times 5\)\(2\times 1\) \(-\dfrac{25}{2}\)
4(2) \(+\) \(\dfrac{6}{5}\) にして \(10\)\(5\)\(6\)\(9\) \(2\times 2\)\(1\times 3\) \(\dfrac{4}{3}\)
4(3) \(-\) \(\dfrac{10}{3}\) にして \(6\)\(3\)\(10\)\(25\) \(2\times 2\)\(1\times 5\) \(-\dfrac{4}{5}\)

確かめ

3(3)約分せずにかけると 315 分の 140 、35 で約分して 9 分の 4
4(3)約分せずにかけると 75 分の 60 、15 で約分して 5 分の 4

答えの吟味

同じ符号どうしは 3(2)と 4(2)で、この二つだけ積が正の数です。

答え 3(1)\(-\dfrac{1}{6}\) 3(2)\(\dfrac{3}{8}\) 3(3)\(-\dfrac{4}{9}\) 4(1)\(-\dfrac{25}{2}\) 4(2)\(\dfrac{4}{3}\) 4(3)\(-\dfrac{4}{5}\)

5.〜6. 小数を分数に直してから約分します。

問題 符号 分数にそろえた形
5(1) \(-\) \(\dfrac{9}{20}\times\dfrac{4}{9}\) \(-\dfrac{1}{5}\)
5(2) \(+\) \(\dfrac{8}{5}\times\dfrac{15}{8}\) \(3\)
6 \(-\) \(\dfrac{2}{5}\times\dfrac{5}{8}\times\dfrac{2}{1}\) \(-\dfrac{1}{2}\)

確かめ

5(2)8 と 8 、15 と 5 を約分して 3 。整数になった
6 負の数は 3 つで奇数個なので積は負

答えの吟味

6 は約分が続けてでき、\(\dfrac{1}{2}\) になりました。

答え 5(1)\(-\dfrac{1}{5}\) 5(2)\(3\) 6 \(-\dfrac{1}{2}\)

7. \(1\) 分ごとの変化を符号付きの数にしてから、\(20\) 分ぶんにします。

この行でしたこと
\(\left(-\dfrac{3}{8}\right)\times 20\) \(1\) 分ごとの変化の \(20\) 分ぶん
符号は \(-\) 手順① ちがう符号どうし
\(20\)\(8\)\(4\) で約分して \(5\)\(2\) かける前に約分した
\(-\dfrac{15}{2}\) 符号と合わせた

確かめ

8 分で 3 % 減るので、20 分で 7.5 %

答えの吟味

残量は減っているので、変化は負の数になります。

答え \(-\dfrac{15}{2}\) %(\(7.5\) % 減る)

8. まちがっているのは、小数点をもどす個数です。

\(0.5\) は右に \(1\) つ、\(0.24\) は右に \(2\) つで、合わせて \(3\) つです。

○ 5 × 24 = 120 、小数点を左へ 3 つもどして 0.120
○ 答えは 0.12

9. まちがっているのは、手順①の符号です。

\(-0.4\)\(-1.5\) は、どちらも負の数です。同じ符号どうしなので、積は正の数です。

○ 4 × 15 = 60 、小数点を左へ 2 つもどして 0.60
○ 答えは 0.6

確かめ

8 … 0.24 は 1 より小さいので、積は 0.5 より小さいはず
8 … 誤答は 1.2 で 0.5 より大きい。だから まちがい
9 … 誤答は −0.6 。正しい答え 0.6 と符号がちがうので、まちがい

答えの吟味

8 は符号が、9 は絶対値の計算が、それぞれ合っていました。

答え 8 小数点を \(2\) つしかもどさなかったのがまちがい。正しくは \(0.12\)。9 同じ符号どうしなのに \(-\) としたのがまちがい。正しくは \(0.6\)

10. 符号は符号だけ、絶対値は絶対値だけで決めます。

\(-\dfrac{9}{4}\)\(\dfrac{5}{6}\) は、ちがう符号どうしです。だから積の符号は \(-\) です。

\(9\)\(6\)\(3\) で約分すると \(3\)\(2\) になります。分子は \(3\times 5=15\)、分母は \(4\times 2=8\) です。

確かめ

約分せずにかけると 24 分の 45 、3 で約分して 8 分の 15 。同じ

答えの吟味

ちがう符号どうしなので、積は負の数です。手順①と合っています。

答え 符号は \(-\)、絶対値は \(\dfrac{15}{8}\)(積は \(-\dfrac{15}{8}\)

11.〜12. 右の数字が \(1\) つなら分母は \(10\)\(2\) つなら分母は \(100\) です。

問題 直した形 答え
11(1) \(\dfrac{35}{100}\) \(\dfrac{7}{20}\)
11(2) \(\dfrac{125}{100}\) \(\dfrac{5}{4}\)
11(3) \(\dfrac{4}{100}\) \(\dfrac{1}{25}\)
12(1) \(0\) をかける形 \(0\)
12(2) \(-1\) をかける形 \(-\dfrac{7}{9}\)

確かめ

11(1)100 分の 35 は 5 で約分して 20 分の 7
12(1)0 をかけると 0 、12(2)−1 をかけると反対の数

答えの吟味

12(2)は絶対値が変わらず、符号だけが入れかわりました。

答え 11(1)\(\dfrac{7}{20}\) 11(2)\(\dfrac{5}{4}\) 11(3)\(\dfrac{1}{25}\) 12(1)\(0\) 12(2)\(-\dfrac{7}{9}\)

13. 符号はどちらのやり方でも \(-\) です。ちがう符号どうしだからです。

やり方 途中に出る数
かけてから約分 分子 \(200\)、分母 \(180\) \(-\dfrac{10}{9}\)
かける前に約分 \(8\)\(12\)\(25\)\(15\) を先に約分 \(-\dfrac{10}{9}\)

確かめ

かけてから約分 … 180 分の 200 を 20 で約分して 9 分の 10
かける前に約分 … 分子 2 × 5 、分母 3 × 3

答えの吟味

答えは同じで、ちがうのは途中に出てくる数の大きさだけです。

答え どちらも \(-\dfrac{10}{9}\)。かける前に約分すると \(200\)\(180\) が出てこない

14.〜15. そろえ方の理由と、符号の決め方をたずねています。

確かめ

14 … 小数はいつでも分数に直せる。0.35 は 100 分の 35
14 … 分数は小数に直せないことがある。6 分の 5 は 0.8333… と続く
15 … (−0.4) × (+1.6) は − 、(−0.4) × (−2.5) は +

答えの吟味

新しくなったのは、絶対値の計算のやり方だけでした。

答え 14 小数はいつでも分数に直せるが、分数は小数に直せないことがあるから。15 変わらない。同じ符号どうしなら積は正、ちがう符号どうしなら積は負で、整数のときと同じだから

次のレッスンへ

これで、正の数・負の数のかけ算がひととおり終わりました。

小数でも分数でも、符号が先、絶対値があと はそのまま使えました。

小数は 整数に直して、小数点を打つ、分数は 約分は、かける前に です。

次のセクションからは、わり算に入ります。第1回は「わり算は、かけ算の逆」です。

\((-24)\div(-6)\) を「\(-6\) に何をかけると \(-24\) になるか」と読みかえて、符号の決まりを作ります。

次のセクションへ わり算は、かけ算の逆 →

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:小数と分数のかけ算

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    小数のかけ算のやり方 「整数に直して、小数点を打つ」 では、いったん整数のかけ算をしてから、小数点を左へもどします。もどす個数の決め方として正しいものはどれですか。
  2. 設問 1
    帯分数の混じったかけ算では、先に仮分数に直してから計算します。その理由として、このレッスンの説明に合うものはどれですか。
  3. 設問 2
    $\left(-\dfrac{7}{12}\right)\times\left(+\dfrac{8}{21}\right)$ を計算した答えはどれですか。
  4. 設問 3
    $(-0.75)\times\left(+\dfrac{8}{9}\right)$ を計算した答えはどれですか。
  5. 設問 4
    $\left(-\dfrac{7}{15}\right)\times(+10)$ を、ある人は分子にも分母にも $10$ をかけて $-\dfrac{70}{150}$ とし、約分して $-\dfrac{7}{15}$ と答えました。正しい答えは $-\dfrac{14}{3}$ です。この人がまちがえた原因はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。