LESSON 01

正負の数の除法

乗除の混じった計算

かけ算とわり算の混じった式を、わり算を逆数のかけ算に直してひとつの積にまとめて計算する。符号は負の数の個数で先に決める。左から順に計算する原則と、かっこがあるときの読み分けもあつかう。

乗除の混じった計算

このレッスンでできるようになること

  • \(\times\)\(\div\) のまじった式を、かけ算だけの式に直せる
  • 負の数の個数から符号を先に決めて、乗除の混じった計算ができる
  • かっこがあるときと、ないときを読み分けられる

前のレッスンの確認

  • … わり算の答えのこと
  • 除法 … わり算のこと
  • 絶対値 … ある数を表す点と原点との距離
  • わり算は、かけ算の逆\(12\div 3\) は、\(3\) に何をかけたら \(12\) になるかを探すこと
  • 同じ符号どうしなら商は正、ちがう符号どうしなら商は負になります。
  • 商が出たら、わる数にかけて、わられる数に戻るかを見る。
  • 入れかえてよいのは、かけ算の \(2\) 数だけです。
  • 計算できないのは、わる数が \(0\) のときだけです。
  • かけて \(1\) になる \(2\) 数の、一方をもう一方の逆数といいます。
  • 分数の逆数は、分子と分母を入れかえたものです。
  • 逆数にしても、符号は変わりません。
  • \(0\) に逆数はありません。
  • 整数は、分母が \(1\) の分数と見ます
  • 混じった式は、分数にそろえてください。
  • わる数を逆数にして、かけ算に直す。
  • 逆数にするのは、わる数だけです。わられる数は、そのまま置いておきます。
  • 負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負になります。
  • \(0\)\(1\) つでもあれば、積は \(0\) です。
  • 符号が先、絶対値があと … ①符号を先に決める(同じ符号どうしなら \(+\)、ちがう符号どうしなら \(-\)) ②絶対値どうしを割る
  • 乗法の交換法則 … かける順番を入れかえても、積は変わらない
  • 乗法の結合法則 … どこからかけても、積は変わらない
  • 約分は、かける前に … 分子どうし・分母どうしをかける

絶対値は記号でも書きます。\(|-18|\)\(18\) です。\(\left|-\dfrac{1}{3}\right|\)\(\dfrac{1}{3}\) です。

セクション6の最後の回です。ここまでに作った道具を、全部つないで使います。

かけ算とわり算が、同じ式にならぶ

ここまでの計算は、記号が \(1\) 種類だけでした。入試では、\(2\) つの記号がまじった式が出ます。

\((-18)\div 3\times(-2)\)

新しい計算に見えますが、身につけた道具でかたづきます。

左から順に計算します

小学校で決まっていたことを、思い出してください。

かけ算とわり算がならんだ式は、左から順に計算します。

\(18\div 3\times 2\) で確かめます。左から計算すると \(18\div 3=6\)、次に \(6\times 2=12\) です。

うしろの \(2\) 数を先にかけると、\(3\times 2=6\) から \(18\div 6=3\) になります。

だから \(18\div 3\times 2\)\(18\div(3\times 2)\) と読んではいけません。

ただし、かっこがあるときは、中が先です。 かっこが書いてあれば、そこが先に決まります。

わり算をかけ算に直すと、心配が消える

前のレッスンの道具を思い出してください。わる数を逆数にして、かけ算に直す。 でした。

分数のわり算だけの道具ではありません。どんなわり算にも使えます。

整数は、分母が \(1\) の分数と見ます\(3\) の逆数は \(\dfrac{1}{3}\) です。

逆数にするのは、わる数だけです。わられる数は、そのまま置いておきます。

\((-18)\div 3\times(-2)=(-18)\times\dfrac{1}{3}\times(-2)\)

式から \(\div\) が消えて、\(\times\) だけが残りました。

かけ算だけになれば、順番は自由

かけ算だけの式では、乗法の交換法則乗法の結合法則 が使えます。

式の中のわり算を、全部かけ算に直す。 これが今日の道すじです。

かけ算だけになれば、負の数を数えるだけ

セクション5のレッスン4で、\(3\) つ以上の積の符号を決めました。

負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負になります。

\((-18)\times\dfrac{1}{3}\times(-2)\) の負の数は、\(-18\)\(-2\)\(2\) つです。

偶数個なので、符号は \(+\) です。

絶対値は \(18\times\dfrac{1}{3}\times 2=12\) で、答えは \(12\) になりました。

わり算をかけ算に直してから負の数を数える流れ図 いちばん上に元の式があり、下へ矢印が三本のびている。一本目でわり算がかけ算に変わり、二本目で負の数の個数から符号が決まり、三本目で絶対値どうしをかけて答えが出る。 わり算を全部かけ算に直してから 負の数を数える (−18) ÷ 3 × (−2) わる数を逆数にする (−18) × 3 分の 1 × (−2) 負の数を数える 負の数は 2 つ 偶数個 だから 符号は + 絶対値どうしをかける 18 × 3 分の 1 × 2 = 12 答えは 12

手順を決めます

いましたことを、まとめておきます。

  1. 式の中のわり算を、全部かけ算に直す。
  2. 符号を先に決める(負の数の個数が偶数なら \(+\)、奇数なら \(-\)
  3. 絶対値どうしをかける

\(2\)\(3\) は、セクション5の 符号が先、絶対値があと そのものです。

左から順のまま計算してもよい

\(8\times(-6)\div(-4)\) で、\(2\) つの道をくらべます。

道すじ 計算 答え
左から順に \(8\times(-6)=-48\) から \((-48)\div(-4)\) \(12\)
かけ算に直して \(8\times(-6)\times\left(-\dfrac{1}{4}\right)\) で負の数は \(2\) \(12\)

かけ算に直した道では、負の数が \(-6\)\(-\dfrac{1}{4}\)\(2\) つです。

偶数個なので符号は \(+\) で、絶対値は \(8\times 6\times\dfrac{1}{4}=12\) になります。

割り切れるときは左から順が速く、そうでないときは直すほうが安全です。

どちらの道を通っても、答えは同じです。

かっこがあるときは、中が先

かっこは、かざりではありません。わる相手を決める、大事なしるしです。

\(12\div(-2)\times 3\)\(12\div\{(-2)\times 3\}\) をくらべます。

かっこの外側にもう一組書くときは、外側を \(\{\ \}\) の形にします。

左の式は \(-2\) でわり、右の式は \(\{\ \}\) の中の \(-6\) でわります。

先にすること 計算 答え
\(12\div(-2)\times 3\) 左から順に \(12\div(-2)=-6\) から \((-6)\times 3\) \(-18\)
\(12\div\{(-2)\times 3\}\) かっこの中 \((-2)\times 3=-6\) から \(12\div(-6)\) \(-2\)

答えは \(-18\)\(-2\) で、まるでちがいます。

かっこがあるときとないときでわる相手が変わる図 左にかっこのない式、右に外側のかっこがある式がならんでいる。左は左から順に計算し、右はかっこの中を先に計算する。答えは左と右でちがう。 かっこがあるかないかで わる相手が変わる 12 ÷ (−2) × 3 12 ÷ {(−2) × 3} 外側にかっこがない 外側にかっこがある 左から順に 12 ÷ (−2) = −6 (−6) × 3 = −18 まず かっこの中 (−2) × 3 = −6 12 ÷ (−6) = −2 −18 −2 わる相手が −2 のときと −6 のときで ちがう かっこがあるときは 中が先

かっこを見落とすと、わる相手をまちがえます。式は、かっこから見てください。

中を計算したあとで、かけ算に直してもかまいません。\(-6\) の逆数は \(-\dfrac{1}{6}\) です。

逆数にしても、符号は変わりません。 \(12\times\left(-\dfrac{1}{6}\right)\) の答えも \(-2\) です。

分数がまじってもやり方は同じ

分数が入ると、左から順の道は遠回りになりがちです。

\(\left(-\dfrac{2}{5}\right)\times 6\div\left(-\dfrac{3}{10}\right)\) を計算します。

分数の逆数は、分子と分母を入れかえたものです。 わる数の逆数は \(-\dfrac{10}{3}\) です。

\(\left(-\dfrac{2}{5}\right)\times 6\times\left(-\dfrac{10}{3}\right)\)

負の数は \(2\) つで偶数個なので、符号は \(+\) です。

絶対値は \(\dfrac{2}{5}\times 6\times\dfrac{10}{3}\) で、約分は、かける前に を使います。

分母の \(5\) と分子の \(10\)、分母の \(3\) と分子の \(6\) を約分すると \(8\) です。

0 がまじるとき

\(0\) が出てきたら、まず場所を見ます。場所で、答えががらりと変わります。

かけられている数の中に 0 があるとき

\((-7)\times 0\div 5\) をかけ算に直すと、ならぶのは \(-7\)\(0\)\(\dfrac{1}{5}\) です。

\(0\)\(1\) つでもあれば、積は \(0\) です。 負の数を数えるまでもなく、答えは \(0\) です。

わる数が 0 のとき

\((-7)\times 4\div 0\) は、事情がちがいます。かけ算に直すには \(0\) の逆数がいります。

ところが \(0\) に逆数はありません。 かけ算に直せないので、答えもありません。

計算できないのは、わる数が \(0\) のときだけです。

二つを混ぜないでください

\(0\) の場所 式の例 答え
かけられている数の中 \((-7)\times 0\div 5\) \(0\)
わる数 \((-7)\times 4\div 0\) 計算できない
わられる数 \(0\div(-7)\times 4\) \(0\)

\(0\div(-7)\) の商は \(0\) で、\(4\) をかけても \(0\) のままです。

\(0\) がどこにあるかで、答えは \(0\) にも「計算できない」にもなります。

セクション6の道具を、一枚にまとめる

セクション6では、除法をあつかいました。\(5\) 回で作った道具です。

レッスン この回で決まったこと
1「わり算は、かけ算の逆」 わり算は、かけ算の逆\(12\div 3\) は、\(3\) に何をかけたら \(12\) になるかを探すこと。同じ符号どうしなら商は正、ちがう符号どうしなら商は負になります。 符号が先、絶対値があと … ①符号を先に決める絶対値どうしを割る商が出たら、わる数にかけて、わられる数に戻るかを見る。
2「0のあつかいと、0で割れない理由」 計算できないのは、わる数が \(0\) のときだけです。 「一つもない」と「一つに決まらない」は、別のことです。
3「逆数」 かけて \(1\) になる \(2\) 数の、一方をもう一方の逆数といいます。 分数の逆数は、分子と分母を入れかえたものです。 逆数にしても、符号は変わりません。 \(0\) に逆数はありません。 逆数を書いたら、かけて \(1\) になるかを見る。
4「分数のわり算」 わる数を逆数にして、かけ算に直す。 逆数にするのは、わる数だけです。わられる数は、そのまま置いておきます。
5「乗除の混じった計算」 式の中のわり算を、全部かけ算に直す。
セクション六で作った道具の地図 五つの行が上から下へならんでいる。左にレッスンの番号と題、右にその回の中心になる道具が書いてある。左はしの長い矢印が、積み上がる順を示している。 セクション 6 で作った道具の地図 レッスン 1 わり算は、かけ算の逆 わり算を かけ算の逆として読む レッスン 2 0のあつかいと、 0で割れない理由 計算できないのは わる数が 0 のときだけ レッスン 3 逆数 かけて 1 になる相手が 逆数 レッスン 4 分数のわり算 わる数を逆数にして、かけ算に直す レッスン 5 乗除の混じった計算 式の中のわり算を、全部かけ算に直す どの回の道具も 最後の回で 一つにつながる

レッスン5だけは、新しい計算を教えていません。前の \(4\) 回を組み合わせただけです。

例題1 乗除の混じった式を計算する

次の計算をしなさい。

(1)\((-24)\div 4\times(-5)\) (2)\((-22)\times 6\div(-4)\) (3)\((-15)\div 6\times(-4)\) (4)\(20\div(-8)\times(-6)\)

(3)でかける絶対値は、\(|-15|\)\(15\)\(\left|\dfrac{1}{6}\right|\)\(\dfrac{1}{6}\)\(|-4|\)\(4\) です。

直したかけ算 個数 符号 絶対値の計算 答え
(1) \((-24)\times\dfrac{1}{4}\times(-5)\) \(2\) \(+\) \(24\times\dfrac{1}{4}\times 5=30\) \(30\)
(2) \((-22)\times 6\times\left(-\dfrac{1}{4}\right)\) \(2\) \(+\) \(22\times 6\times\dfrac{1}{4}=33\) \(33\)
(3) \((-15)\times\dfrac{1}{6}\times(-4)\) \(2\) \(+\) \(15\times\dfrac{1}{6}\times 4=10\) \(10\)
(4) \(20\times\left(-\dfrac{1}{8}\right)\times(-6)\) \(2\) \(+\) \(20\times\dfrac{1}{8}\times 6=15\) \(15\)

確かめ

(1)−6 → 30  (2)−132 → 33
(3)−2 分の 5 → 10  (4)−2 分の 5 → 15
どれも 左から順に 2 数ずつ計算した結果

答えの吟味

(1)と(2)は割り切れるので、左から順のほうが速くすみます。

答え (1)\(30\) (2)\(33\) (3)\(10\) (4)\(15\)

例題2 かっこのあるなしを読み分ける

次の計算をしなさい。

(1)\((-30)\div(-5)\times 3\) (2)\((-30)\div\{(-5)\times 3\}\)

数は同じで、ちがうのはかっこだけです。

先にすること 計算 答え
(1) 左から順に \((-30)\div(-5)=6\) から \(6\times 3\) \(18\)
(2) かっこの中 \((-5)\times 3=-15\) から \((-30)\div(-15)\) \(2\)

確かめ

(1)(−5) × 6 = −30  もどった。6 × 3 = 18
(2)(−15) × 2 = −30  もどった

答えの吟味

(1)は \(-5\) でわり、(2)は \(-15\) でわりました。わる相手がちがいます。

答え (1)\(18\) (2)\(2\)

例題3 0 がまじる式

計算できるものは計算しなさい。できないものは「計算できない」と書きなさい。

(1)\((-20)\times 0\div 7\) (2)\((-20)\times 7\div 0\) (3)\(0\div(-20)\times 7\)

\(0\) の場所を、はじめに見ます。

\(0\) の場所 見ること 答え
(1) かけられている数の中 \(0\)\(1\) つでもあれば積は \(0\) \(0\)
(2) わる数 \(0\) に逆数がない 計算できない
(3) わられる数 \(0\div(-20)\) の商が \(0\) \(0\)

確かめ

(1)(−20) × 0 = 0 、0 × 7 分の 1 = 0
(2)0 に何をかけても 0  −140 に戻る数がない
(3)(−20) × 0 = 0 、0 × 7 = 0

答えの吟味

(1)と(3)は答えが \(0\) です。(2)は答えそのものがありません。

答え (1)\(0\) (2)計算できない (3)\(0\)

例題4 分数がまじる乗除

次の計算をしなさい。

(1)\(\left(-\dfrac{7}{9}\right)\div\left(-\dfrac{14}{3}\right)\times(-12)\) (2)\(9\div\left(-\dfrac{6}{7}\right)\times\left(-\dfrac{2}{3}\right)\)

わる数だけを逆数にして、かけ算だけの式にします。

直したかけ算 個数 符号 絶対値の計算 答え
(1) \(\left(-\dfrac{7}{9}\right)\times\left(-\dfrac{3}{14}\right)\times(-12)\) \(3\) \(-\) \(\dfrac{7}{9}\times\dfrac{3}{14}\times 12=2\) \(-2\)
(2) \(9\times\left(-\dfrac{7}{6}\right)\times\left(-\dfrac{2}{3}\right)\) \(2\) \(+\) \(9\times\dfrac{7}{6}\times\dfrac{2}{3}=7\) \(7\)

確かめ

(1)7 と 14 、3 と 9 を約分して 6 分の 12 = 2  符号は − で −2
(2)9 と 6 、2 と 2 を約分して 3 分の 21 = 7

答えの吟味

(1)だけ負の数が奇数個です。だから(1)だけ、答えが負の数になりました。

答え (1)\(-2\) (2)\(7\)

例題5 クッキーを箱につめる

手作りのクッキーを、\(1\) 箱に同じ数ずつつめています。

\(7\) 箱ぶんつめたところ、残りの個数は \(-84\) 個変化しました。

同じペースであと \(3\) 箱つめると、残りの個数はどれだけ変わりますか。

\(1\) 箱あたりの変化を求めてから、\(3\) 箱ぶんにします。

この行でしたこと
\((-84)\div 7\times 3\) \(1\) 箱あたりを出して \(3\) 箱ぶんにする式
\((-12)\times 3\) \(1\) 箱あたりの変化を求めた
符号は \(-\) 負の数は \(1\) 個で奇数個
\(-36\) 絶対値は \(12\times 3=36\)

確かめ

7 × (−12) = −84  わられる数にもどった
1 箱で −12 、3 箱で −36

答えの吟味

つめるほど、残りの個数はへります。\(-36\) 個は場面と合っています。

答え \(-36\) 個(\(36\) 個へる)

今日の問い

かけ算に直すと、並べかえてよくなりました。直す前から、よかったのでしょうか。

\(8\times(-6)\div(-4)\) でためします。答えは \(12\) でした。

\(-4\) を前に出すと \((-4)\div(-6)\times 8\) で、\(\dfrac{2}{3}\times 8=\dfrac{16}{3}\) です。

\(12\) とはちがいます。わり算のままでは、動かせません。

レッスン1で、こう決めてありました。入れかえてよいのは、かけ算の \(2\) 数だけです。

\(2\) 数だけ、というのは わり算では入れかえられない という意味です。

かけ算だけの式なら、\(3\) つ以上でも並べかえられます。

\(\left(-\dfrac{1}{4}\right)\times 8\times(-6)\) と並べかえても \(12\) です。

根拠は 乗法の交換法則乗法の結合法則 です。

並べかえてよくなるのは、かけ算だけに直したあとです。

よくある間違い

まちがい1:わり算のうしろの 2 数を、先にかけてしまう

\((-42)\div 7\times(-3)\) を計算する問題です。

✗ 先に 7 × (−3) = −21
✗ (−42) ÷ (−21) = 2

かっこが書いてないのに、うしろの \(2\) 数をくくっています。左から順が決まりです。

○ (−42) ÷ 7 = −6 、(−6) × (−3) = 18
○ 答えは 18

かけ算に直しても確かめられます。

(−42) × 7 分の 1 × (−3)  負の数は 2 つ → +  絶対値は 18
誤答は 2 。正しい答え 18 とちがうので、まちがい

かけ算だけの式なら、セクション5の 乗法の交換法則乗法の結合法則 がそのまま使えます。

わり算がまじった式で、うしろの \(2\) 数を先にかけてよいのは、かっこで囲まれているときだけです。

まちがい2:記号だけ変えて、逆数にし忘れる

\((-30)\div 6\times(-4)\) を計算する問題です。

✗ ÷ を × に書きかえて
✗ (−30) × 6 × (−4) = 720

記号は変わりましたが、\(6\) が残ったままです。\(6\)\(\dfrac{1}{6}\) に変えます。

○ (−30) × 6 分の 1 × (−4)  負の数は 2 つ → +  絶対値は 20
○ 答えは 20

左から順に計算しても確かめられます。

(−30) ÷ 6 = −5 、(−5) × (−4) = 20
誤答は 720 。正しい答え 20 とちがうので、まちがい

記号と数は、二つで一組です。かたほうだけ変えても、かけ算になりません。

まちがい3:0 の場所を見ずに、答えを 0 にする

\((-8)\times 3\div 0\) を計算する問題です。

✗ 式の中に 0 があるから 答えは 0

\(0\)\(1\) つでもあれば、積は \(0\) です。 これはかけられている数の話です。この式の \(0\) は、わる数の場所にあります。

○ わる数が 0 なので 逆数がない
○ かけ算に直せないので 計算できない

かけ算に戻して確かめます。\((-8)\times 3\)\(-24\) です。

0 × 0 = 0 、0 × (−24) = 0  どちらも −24 とちがう
誤答は 0 。どの数をかけても −24 に戻らないので、まちがい

計算できないのは、わる数が \(0\) のときだけです。

自分で確かめよう

紙に書いてから、答えを開いてください。負の数の個数を先に数えること。

  1. 答えの符号だけを答えなさい。絶対値は計算しなくてかまいません。 (1)\((-6)\div 2\times(-9)\) (2)\((-40)\div(-8)\times(-3)\) (3)\(4\times(-27)\div(-6)\) (4)\((-2)\times(-21)\div(-3)\)

  2. \((-32)\div 8\times(-3)\) を計算しなさい。

  3. \(45\div(-9)\times 4\) を計算しなさい。

  4. \(54\div(-6)\times(-5)\) を計算しなさい。

  5. \((-25)\div 10\times(-8)\) を計算しなさい。

  6. \((-9)\div(-12)\times(-16)\) を計算しなさい。

  7. \((-48)\div(-4)\times(-2)\)\((-48)\div\{(-4)\times(-2)\}\) を計算し、答えをくらべなさい。

  8. \(60\div\{(-5)\times(-4)\}\) を計算しなさい。

  9. \(\left(-\dfrac{3}{4}\right)\times 8\div\left(-\dfrac{6}{5}\right)\) を計算しなさい。

  10. \(\left(+\dfrac{5}{12}\right)\div\left(-\dfrac{10}{9}\right)\times(-8)\) を計算しなさい。

  11. \((-3.5)\div 1.4\times(-4)\) を計算しなさい。

  12. 次の計算はまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく計算しなさい。

(−20) ÷ (−5) × (−2)
わる数 −5 を逆数にして 5 分の 1
= (−20) × 5 分の 1 × (−2)
負の数は 2 つなので 符号は +
= 8
  1. 次の計算はまちがっています。どこがまちがっているかを書き、正しく計算しなさい。
(−9) × (−10) ÷ (−6)
負の数が 3 つあるので 符号は −
絶対値は 9 × 10 × 6 分の 1 = 15
= 15
  1. \(40\div 5\times 2\)\(40\div(5\times 2)\) と読んではいけない理由を、二通りの答えを出して説明しなさい。

  2. 地域の資源回収で、集めたアルミかんを置き場から運び出します。\(6\) 回運び出したところ、置き場のかんの数は \(-144\) 個変化しました。同じペースであと \(5\) 回運び出すと、かんの数はどれだけ変わりますか。

  3. \(\times\)\(\div\) のまじった式で、負の数の個数から符号を決められるのはなぜですか。

答えと考え方

1. わり算をかけ算に直しても符号は変わりません。負の数を数えるだけです。

負の数の個数 答えの符号
(1)\((-6)\div 2\times(-9)\) \(2\) \(+\)
(2)\((-40)\div(-8)\times(-3)\) \(3\) \(-\)
(3)\(4\times(-27)\div(-6)\) \(2\) \(+\)
(4)\((-2)\times(-21)\div(-3)\) \(3\) \(-\)

確かめ

(1)2 個は偶数 → + (2)3 個は奇数 → −
(3)2 個は偶数 → + (4)3 個は奇数 → −

答えの吟味

逆数にしても符号はそのままなので、数える個数は変わりません。

答え (1)\(+\) (2)\(-\) (3)\(+\) (4)\(-\)

2.〜6. かけ算に直し、符号を決めてから絶対値をかけます。

2 でかける絶対値は、\(|-32|\)\(32\)\(\left|\dfrac{1}{8}\right|\)\(\dfrac{1}{8}\)\(|-3|\)\(3\) です。

直したかけ算 個数 符号 絶対値の計算 答え
2. \((-32)\times\dfrac{1}{8}\times(-3)\) \(2\) \(+\) \(32\times\dfrac{1}{8}\times 3=12\) \(12\)
3. \(45\times\left(-\dfrac{1}{9}\right)\times 4\) \(1\) \(-\) \(45\times\dfrac{1}{9}\times 4=20\) \(-20\)
4. \(54\times\left(-\dfrac{1}{6}\right)\times(-5)\) \(2\) \(+\) \(54\times\dfrac{1}{6}\times 5=45\) \(45\)
5. \((-25)\times\dfrac{1}{10}\times(-8)\) \(2\) \(+\) \(25\times\dfrac{1}{10}\times 8=20\) \(20\)
6. \((-9)\times\left(-\dfrac{1}{12}\right)\times(-16)\) \(3\) \(-\) \(9\times\dfrac{1}{12}\times 16=12\) \(-12\)

確かめ

2. −4 → 12  3. −5 → −20  4. −9 → 45
5. −2 分の 5 → 20  6. 4 分の 3 → −12
どれも 左から順に 2 数ずつ計算した結果

答えの吟味

5 と 6 はとちゅうで分数が出ました。それでも答えは整数です。

答え 2. \(12\) 3. \(-20\) 4. \(45\) 5. \(20\) 6. \(-12\)

7.〜8. かっこの有無で、わる相手が変わります。

先にすること 計算 答え
7 前 左から順に \((-48)\div(-4)=12\) から \(12\times(-2)\) \(-24\)
7 後 かっこの中 \((-4)\times(-2)=8\) から \((-48)\div 8\) \(-6\)
8. かっこの中 \((-5)\times(-4)=20\) から \(60\div 20\) \(3\)

確かめ

7 前 (−4) × 12 = −48  7 後 8 × (−6) = −48
8. 20 × 3 = 60  どれも わられる数にもどった

答えの吟味

7 は数が同じで、ちがうのはかっこだけです。それで答えが \(4\) 倍ちがいました。

答え 7. 前は \(-24\)、後は \(-6\)(わる相手が \(-4\)\(8\) でちがう) 8. \(3\)

9.〜11. わる数だけを逆数にします。

11 では 混じった式は、分数にそろえてください。 を使います。\(3.5\)\(\dfrac{7}{2}\)\(1.4\)\(\dfrac{7}{5}\) です。

直したかけ算 個数 符号 絶対値の計算 答え
9. \(\left(-\dfrac{3}{4}\right)\times 8\times\left(-\dfrac{5}{6}\right)\) \(2\) \(+\) \(\dfrac{3}{4}\times 8\times\dfrac{5}{6}=5\) \(5\)
10. \(\dfrac{5}{12}\times\left(-\dfrac{9}{10}\right)\times(-8)\) \(2\) \(+\) \(\dfrac{5}{12}\times\dfrac{9}{10}\times 8=3\) \(3\)
11. \(\left(-\dfrac{7}{2}\right)\times\dfrac{5}{7}\times(-4)\) \(2\) \(+\) \(\dfrac{7}{2}\times\dfrac{5}{7}\times 4=10\) \(10\)

確かめ

9. 3 と 6 、4 と 8 を約分して 5
10. 5 と 10 、12 と 8 を約分して 3
11. 左から順に (−3.5) ÷ 1.4 = −2.5 、(−2.5) × (−4) = 10

答えの吟味

どれも負の数が \(2\) つで偶数個です。だから答えは正の数になりました。

答え 9. \(5\) 10. \(3\) 11. \(10\)

12. まちがっているのは、逆数の符号です。 \(-5\) の逆数は \(-\dfrac{1}{5}\) です。

○ (−20) × (−5 分の 1) × (−2)  負の数は 3 つ 奇数個 → −
○ 絶対値は 20 × 5 分の 1 × 2 = 8  答えは −8

確かめ

左から順に (−20) ÷ (−5) = 4 、4 × (−2) = −8
誤答は 8 。正しい答え −8 と符号がちがうので、まちがい

答えの吟味

符号を落とすと、負の数の個数が \(1\) つへってしまいます。

答え 逆数の符号を落としたのがまちがい。正しくは \(-8\)

13. まちがっているのは、決めた符号を答えに付けていないところです。

個数も絶対値も合っていて、最後の行だけがちがいます。

○ 負の数は −9 と −10 と −6 の 3 つ 奇数個 → −
○ 絶対値は 9 × 10 × 6 分の 1 = 15  答えは −15

確かめ

(−9) × (−10) = 90 、90 ÷ (−6) = −15
誤答は 15 。正しい答え −15 と符号がちがうので、まちがい

答えの吟味

符号と絶対値は、二つで一組です。片方だけで安心しないでください。

答え 符号 \(-\) を答えに付け忘れたのがまちがい。正しくは \(-15\)

14. 二通りに読んで、答えをくらべます。

読み方 計算 答え
左から順に \(40\div 5=8\) から \(8\times 2\) \(16\)
うしろを先にかける \(5\times 2=10\) から \(40\div 10\) \(4\)

確かめ

40 ÷ 5 = 8 、8 × 2 = 16
5 × 2 = 10 、40 ÷ 10 = 4  16 とちがう

答えの吟味

かっこが書いてあれば、うしろを先にかけてよいのです。ないので読みかえられません。

答え 左から順なら \(16\)、うしろを先にかけると \(4\) で、答えがちがってしまうから

15. \(1\) 回あたりの変化を求めてから、\(5\) 回ぶんにします。

この行でしたこと
\((-144)\div 6\times 5\) \(1\) 回あたりを出して \(5\) 回ぶんにする式
\((-24)\times 5\) \(1\) 回あたりの変化を求めた
符号は \(-\) 負の数は \(1\) 個で奇数個
\(-120\) 絶対値は \(24\times 5=120\)

確かめ

6 × (−24) = −144  わられる数にもどった
1 回で −24 、5 回で −120

答えの吟味

運び出すほどかんはへるので、変化は負の数です。場面と合っています。

答え \(-120\) 個(\(120\) 個へる)

16. 符号の決まりが、どこで作られたかを思い出します。

確かめ

個数で符号が決まるのは かけ算だけの式の決まり
わり算を全部かけ算に直せば 式全体がかけ算だけになる
逆数にしても符号は変わらないので 数える個数も変わらない

答えの吟味

わり算が残ったままの式では、この数え方は使えません。

答え わり算を全部かけ算に直せば、式全体がかけ算だけになるから

次のレッスンへ

セクション6が終わりました。新しい計算は、ひとつも増えていません。

式の中のわり算を、全部かけ算に直す。 これだけで、乗除のまじった式が片づきました。

直したあとは、セクション5の道具です。負の数が偶数個なら積は正、奇数個なら積は負になります。

かけ算とわり算がならんだ式は、左から順に計算します。 ただし かっこがあるときは、中が先です。

\(0\) の見分けも変わりません。計算できないのは、わる数が \(0\) のときだけです。

ここまでで、たし算・引き算・かけ算・わり算がそろいました。

次のセクションでは、\(3\times 3\times 3\times 3\) を短く書く方法を用意します。

次のセクションは「累乗と四則の混合計算」で、第1回は「累乗(底と指数)」です。

次のセクションへ 累乗(底と指数) →

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:乗除の混じった計算

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    $\times$ と $\div$ がならんだ式は、どの順に計算しますか。
  2. 設問 1
    $10\times(-9)\div(-5)$ で、$-5$ をいちばん前に移してはいけません。その理由として、正しいものはどれですか。
  3. 設問 2
    $(-96)\div\{(-8)\times 3\}$ の答えはどれですか。
  4. 設問 3
    $\left(-\dfrac{8}{3}\right)\div\left(-\dfrac{4}{9}\right)\times\left(-\dfrac{1}{2}\right)$ の答えはどれですか。
  5. 設問 4
    $(-12)\times 5\div 0$ の答えを $0$ としました。このまちがいの説明として、正しいものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。