項ってなんだろう/同類項をまとめる
このレッスンでできるようになること
- 式を項に分け、符号までふくめて答えられる
- 2つの項が同類項かどうかを見分けられる
- 同類項をまとめて、式を短く整理できる
前のレッスンの確認
- 係数 … 文字にかけられている数のこと
- 方程式 … 文字を含む等式で、文字に入れる数によって成り立ったり成り立たなかったりするもの
- 解く … 解を求めること
このセクションでやること
前のセクションで、\(x + a = b\)、\(x - a = b\)、\(ax = b\)、\(\dfrac{x}{a} = b\) の四つの形が解けるようになりました。どれも \(x\) にされている操作が1つだけの式です。
これから相手にするのは、次のように操作がいくつも重なった方程式です。
\(3x + 5 = 20 \qquad 5x - 2 = 2x + 7\)
こういう式は、解きはじめる前に式を短く整理する必要があります。そこで今日は方程式を一つも解きません。使う言葉は「項」と「同類項」の2つです。ここを外したまま進むと、この先の変形がすべてぐらつきます。
項とは何か
項 … 式を \(+\) と \(-\) で区切った、ひとかたまりのこと(符号は項に含まれる)
\(5x + 2\) という式は、\(+\) のところで2つに切れます。切ってできたひとかたまりが項です。\(5x + 2\) の項は、\(5x\) と \(2\) です。
項とは、式を組み立てている部品のことです。
符号は項に含まれる
ここが最初の関門です。\(3x - 8\) の項は \(3x\) と \(-8\) で、\(8\) ではありません。
引き算の記号は「引く」という命令ではなく、うしろにある項の符号として読みます。\(3x - 8\) は「\(3x\) と \(-8\) を足したもの」と見るのです。だから項に分けると、マイナスはうしろの \(8\) にくっついていきます。
| 式 | 項 |
|---|---|
| \(5x + 2\) | \(5x\)、\(+2\) |
| \(3x - 8\) | \(3x\)、\(-8\) |
| \(-2x + 7 - x\) | \(-2x\)、\(+7\)、\(-x\) |
| \(4x - 9 - x + 2\) | \(4x\)、\(-9\)、\(-x\)、\(+2\) |
いちばん前の項に符号がないときは、\(+\) がかくれていると考えます。\(5x\) は \(+5x\) です。
\(3x - 8\) の項を「\(3x\) と \(8\)」と答えてしまうと、あとで項を動かす場面でプラスとマイナスが総入れかわりになります。項を答えるときは、必ず符号までセットで。
同類項とは
同類項 … 文字の部分がまったく同じ項どうしのこと
\(5x\) と \(2x\) の文字の部分は、どちらも \(x\) です。同じなので、この2つは同類項です。
\(5x\) と \(2\) はどうでしょう。\(5x\) の文字の部分は \(x\)、\(2\) には文字がありません。ちがうので、同類項ではありません。
見るのは文字の部分だけで、係数は関係ありません。\(5x\) と \(2x\) も、\(-4x\) と \(x\) も、\(100x\) と \(-x\) も、すべて同類項です。
なお \(-4\) と \(1\) のように、数だけでできている項どうしも同類項です。どちらも文字の部分を持たない、という点で同じだからです。
なぜ同類項だけがまとめられるのか
同類項はまとめられ、同類項でないものはまとめられません。暗記することではなく、何を数えているのかを見れば当たり前になります。
\(5x - 2x\) を考えます。\(5x\) は「\(x\) が5個ぶん」という意味です。\(2x\) は「\(x\) が2個ぶん」です。
つまり \(5x - 2x\) は、\(x\) が5個ぶんあるところから、\(x\) が2個ぶんを取り去るということです。残るのは \(x\) が3個ぶん。だから \(5x - 2x = 3x\) になります。
では \(5x + 2\) はどうでしょう。\(5x\) は「\(x\) が5個ぶん」ですが、\(2\) は「1が2個ぶん」です。数えているものの種類がちがいます。りんごが5個とみかんが2個あるとき「7個」と言えないのと同じで、ちがうものを足しても1つの数にはまとまりません。だから \(5x + 2\) は \(5x + 2\) のまま、これ以上短くなりません。
- 同類項どうしは、係数をたし引きしてまとめられる。
- 同類項でないものはまとめられない。式はそのままにしておく。
「まとめられない」は「まちがい」ではありません。そこまでが答えです。
3x − x が 2x になるわけ
同類項をまとめる問題で、中1がいちばん落とすのがこの形です。\(3x - x\) を \(2\) と答えてしまうのです。
思い出してください。係数とは、文字にかけられている数のことでした。では \(x\) の係数はいくつでしょうか。
\(x\) は \(1 \times x\) のことなので、\(x\) の係数は \(1\) です。ふだん \(1\) を書かないだけで、\(x\) は「\(x\) が1個ぶん」を表しています。
そう読めば答えは見えます。
3x − x
x が 3 個ぶん から x が 1 個ぶん を取り去る
3 − 1 = 2
残るのは x が 2 個ぶん
よって 2x
\(x\) が2個ぶん残るのだから、答えは \(2x\) です。\(2\) と書くと「\(x\) が消えて、ただの数の2になった」という意味になります。取り去ったのは1個ぶんだけで、まだ2個ぶん残っているのですから、\(x\) は消えていません。同じことが \(-x\) にも言えます。\(-x\) の係数は \(-1\) です。
例題:式を整理する
ここからは手を動かします。方程式は出てきません。
例題1 \(2x + 3x\)
2x + 3x
どちらも文字の部分は x なので同類項
係数は 2 と 3
2 + 3 = 5
よって 5x
例題2 \(5x - 2x\)
5x − 2x
係数は 5 と −2
5 − 2 = 3
よって 3x
例題3 \(3x - x\)
3x − x
x の係数は 1 なので、係数は 3 と −1
3 − 1 = 2
よって 2x
例題4 \(-4 + 1\)
−4 + 1
どちらも数だけの項なので同類項
−4 + 1 = −3
よって −3
例題5 \(2x + 3 - x - 8\)
文字の項と数の項がまざっています。まず項に分けるところから始めます。
2x + 3 − x − 8
項に分ける … 2x, +3, −x, −8
文字の項 … 2x と −x → 2 − 1 = 1 で x
数の項 … +3 と −8 → 3 − 8 = −5
よって x − 5
\(x\) の係数が \(1\) のときは、\(1x\) と書かずに \(x\) と書きます。
例題6 \(-2x + 7 - x\)
−2x + 7 − x
項に分ける … −2x, +7, −x
文字の項 … −2x と −x → −2 − 1 = −3 で −3x
数の項 … +7 だけなので、そのまま残す
よって −3x + 7
今日の問い
\(5x - 2x\) は \(3x\) になるのに、\(5x + 2\) はどうして \(7x\) にならないのでしょうか。
ちがいは、数えているものの種類にあります。
\(5x - 2x\) で計算しているのは、\(5\) と \(2\) という数そのものではなく、\(x\) が何個ぶんかという個数です。5個ぶんから2個ぶんを取れば3個ぶん。最初から最後まで「\(x\) の個数」だけを数えていて、種類は一度も変わっていません。
\(5x + 2\) では、\(5\) は「\(x\) の個数」、\(2\) は「1の個数」です。数えているものがちがうので、この2つの数をたす意味がありません。それでも \(5 + 2 = 7\) として \(7x\) と書くと、\(2\) がいつのまにか「\(x\) が2個ぶん」に化けてしまいます。
見るべきなのは係数ではなく、文字の部分です。同類項という言葉は、この一点を言い表しています。
よくある間違い
まちがい1:符号を項に入れない
✗ 3x − 8 の項は 3x と 8
○ 3x − 8 の項は 3x と −8
\(-\) はうしろの項の符号なので、\(8\) から切り離せません。ここを外したまま \(4x - 9 - x + 2\) を整理すると、数の項を \(9\) と \(2\) だと思って \(9 + 2 = 11\) とし、正しい \(-9 + 2 = -7\) にたどりつけません。
まちがい2:3x − x を 2 としてしまう
✗ 3x − x = 2
○ 3x − x = 2x
\(x\) の係数は \(1\) です。3個ぶんから1個ぶんを取り去って、残るのは**\(x\) が2個ぶん**であって、ただの数の2ではありません。\(x\) に3を入れて、正しい式のほうを確かめます。
左辺 = 3 × 3 − 3 = 6
右辺 = 2 × 3 = 6
左辺 = 右辺 なので 3x − x = 2x は正しい
誤答の \(2\) のほうも同じように調べます。
左辺 = 3 × 3 − 3 = 6
右辺 = 2
左辺 と 右辺 がちがうので 3x − x = 2 ではない
誤答の \(2\) は \(x\) が3でも4でも2のままで、合いません。
まちがい3:5x + 2 を 7x としてしまう
✗ 5x + 2 = 7x
○ 5x + 2 はこれ以上まとめられない
\(5x\) と \(2\) は同類項ではありません。\(x\) に3を入れます。
左辺 = 5 × 3 + 2 = 17
右辺 = 7 × 3 = 21
左辺 と 右辺 がちがうので 5x + 2 = 7x ではない
まとめられないときは、まとめないのが答えです。短くしたい気持ちが、この間違いを呼びます。
まちがい4:文字の項と数の項をまぜて計算する
✗ 2x + 3 − x − 8 = 2 + 3 − 1 − 8 = −4
○ 2x + 3 − x − 8 = x − 5
すべての数をいっしょくたに計算した形です。文字の項は文字の項どうし、数の項は数の項どうし。列を2本に分けて計算すると決めておけば防げます。
自分で確かめよう
紙に書いてから、答えを開いてください。項を答えるときは、符号を必ずつけること。
次の式を項に分けなさい。
- (1)\(4x + 9\)
- (2)\(7x - 5\)
- (3)\(-3x + 6 - 2x\)
次の2つは同類項ですか。理由も書きなさい。
- (1)\(6x\) と \(2x\)
- (2)\(6x\) と \(2\)
- (3)\(-4x\) と \(x\)
- (4)\(9\) と \(-3\)
\(5x + 3x\) を整理しなさい。
\(7x - x\) を整理しなさい。
次の式を整理しなさい。
- (1)\(3x - 8 - x + 2\)
- (2)\(-2x + 6 + 5x - 9\)
次の2つはまちがっています。それぞれどこがまちがっているかを説明し、正しい答えを書きなさい。
3x − x = 2
5x + 2 = 7x
答えと考え方
1.
- \(4x + 9\) の項は、\(4x\) と \(+9\)
- \(7x - 5\) の項は、\(7x\) と \(-5\)
- \(-3x + 6 - 2x\) の項は、\(-3x\) と \(+6\) と \(-2x\)
\(+\) と \(-\) の前で切り、符号はうしろの項についていきます。\(7x - 5\) の項を \(7x\) と \(5\) と書いたらまちがいです。
2.
- (1)同類項です。 文字の部分がどちらも \(x\) で、まったく同じだからです。係数が6と2でちがっていても関係ありません。
- (2)同類項ではありません。 \(6x\) の文字の部分は \(x\) ですが、\(2\) には文字の部分がありません。
- (3)同類項です。 \(x\) の係数は \(1\) なので、これは \(-4x\) と \(1x\) ということです。文字の部分はどちらも \(x\) です。
- (4)同類項です。 どちらも数だけの項で、文字の部分を持たないという点で同じだからです。
3. 文字の部分がどちらも \(x\) なので、係数をたします。
5x + 3x
係数は 5 と 3
5 + 3 = 8
よって 8x
\(x\) に2を入れて確かめます。
左辺 = 5 × 2 + 3 × 2 = 10 + 6 = 16
右辺 = 8 × 2 = 16
左辺 = 右辺 なので 5x + 3x = 8x は正しい
4. \(x\) の係数は \(1\) です。
7x − x
係数は 7 と −1
7 − 1 = 6
よって 6x
答えは \(6x\) です。\(6\) ではありません。
5.
(1)まず項に分けます。
3x − 8 − x + 2
項に分ける … 3x, −8, −x, +2
文字の項 … 3x と −x → 3 − 1 = 2 で 2x
数の項 … −8 と +2 → −8 + 2 = −6
よって 2x − 6
(2)同じ手順です。数の項の符号に注意します。
−2x + 6 + 5x − 9
項に分ける … −2x, +6, +5x, −9
文字の項 … −2x と +5x → −2 + 5 = 3 で 3x
数の項 … +6 と −9 → 6 − 9 = −3
よって 3x − 3
文字の項が先に並んでいなくても、順番は気にせず同類項どうしを集めれば大丈夫です。
6.
\(3x - x = 2\) について。 \(x\) を消してしまっています。\(x\) の係数は \(1\) なので、\(3 - 1 = 2\) で \(x\) が2個ぶん残ります。正しくは \(2x\) です。
✗ 3x − x = 2
○ 3x − x = 2x
\(5x + 2 = 7x\) について。 \(5x\) と \(2\) は同類項ではないので、まとめられません。\(5x + 2\) のままが答えです。
✗ 5x + 2 = 7x
○ 5x + 2 はこれ以上まとめられない
どちらも \(x = 3\) を入れると確かめられます。
左辺 = 3 × 3 − 3 = 6
右辺 = 2
左辺 と 右辺 がちがうので 3x − x = 2 ではない
左辺 = 5 × 3 + 2 = 17
右辺 = 7 × 3 = 21
左辺 と 右辺 がちがうので 5x + 2 = 7x ではない
次のレッスンへ
\(3x - x\) が \(2x\) であること、\(5x + 2\) はそれ以上短くならないこと。この2つを自分の言葉で説明できれば、今日の目標は達成です。
ところが \(3x + 5 = 20\) は、まだ手がつきません。左辺の \(3x\) と \(+5\) は同類項ではないので、まとめようにも相手がいないからです。
次のレッスンでは、等号をまたいで項を動かすという操作を扱います。動かすときに符号がどう変わるのか、それが等式の性質①②とどうつながっているのか。今日おさえた「符号は項に含まれる」が、そのまま効いてきます。
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