LESSON 01

等式の性質

両辺に同じ数を足す・引く

天びんで確かめた「両方に同じことをする」を、等式の性質①②として式の言葉で確定させる。両辺に同じ数を足す・引く操作を、動かせる天びんで自分で試す。

両辺に同じ数を足す・引く

このレッスンでできるようになること

  • 等式の性質①②を、自分の言葉と式で説明できる
  • 天びんの操作と、式の変形を対応させられる
  • 足し算・引き算だけでできている方程式を、理由を書きながら解ける

前のレッスンの確認

  • 等式 … 等号 \(=\) で結ばれた式
  • 左辺 … 等号の左側にある式/右辺 … 等号の右側にある式/両辺 … 左辺と右辺の両方
  • 成り立つ … 左辺の値と右辺の値が等しくなること
  • … その方程式を成り立たせる、文字の値

前のセクションで分かっていたこと

天びんを使って、次の2つを見ました。

  • 両方の皿に同じことをすれば、つり合いは保たれる
  • 片方の皿だけをさわると、天びんは傾く

そして \(x + 3 = 10\) を、両方から3を取ることで \(x = 7\) まで持っていきました。

このとき使ったルールには名前がついています。等式の性質といいます。ここからは天びんの絵ではなく、式の言葉で言い切れるようにします。絵がなくても使えるようにするためです。

等式の性質①(両辺に同じ数を足す)

\(A = B\) のとき、\(A + C = B + C\)

言葉にすると「等しい2つの量に、同じ数を足しても、等しいままである」ということです。

天びんでいえば、左の皿と右の皿に、同じ重さのおもりを1個ずつ乗せる操作です。両方が同じだけ重くなるので、さおは水平のままです。

\(x - 4 = 9\) を例にします。左辺の \(x\) には4が引かれています。これを打ち消すには、引かれた分を足し戻します

x − 4 = 9
x − 4 + 4 = 9 + 4      ← 両辺に4を足した(性質①)
        x = 13

等式の性質②(両辺から同じ数を引く)

\(A = B\) のとき、\(A - C = B - C\)

等しい2つの量から、同じ数を引いても、等しいままである」ということです。天びんでは、両方の皿から同じ重さを取り除く操作にあたります。

\(x + 6 = 15\) を解きます。左辺の \(x\) には6が足されているので、足された分を引きます

x + 6 = 15
x + 6 − 6 = 15 − 6      ← 両辺から6を引いた(性質②)
        x = 9

確かめ

左辺 = 9 + 6 = 15
右辺 = 15
左辺 = 右辺 なので x=9 は解

動かして確かめよう

下の天びんは、左の皿に \(x + 3\)、右の皿に \(10\) が乗ってつり合っています。ボタンを押すと操作できます。

「左だけ 3 を取る」を先に押してみてください。 そのあと「最初に戻す」を押して、今度は「両方から 3 を取る」を押します。ちがいが見えるはずです。

操作できる天びん 左の皿にxと3、右の皿に10が乗った天びん。両方から3を取るとつり合いが保たれ、左だけから取ると傾く様子を確かめられる。 x + 3 10

左の皿には x と 3、右の皿には 10。つり合っています。

傾いてしまった状態を式で書くと、こうです。

✗ x + 3 = 10
✗     x = 10      ← 左からだけ3を消した

\(x\) は7なので、この式は \(7 = 10\) と言っていることになります。成り立ちません。

「同じ数」で「同じ操作」でなければならない

くずれ方は3通りあります。どれも天びんで考えると当たり前です。

やってしまうこと 天びんでは 結果
片方の辺だけを変える 片方の皿だけ軽くする 傾く
両辺で違う数を使う 左から3、右から5を取る 傾く
両辺で違う操作をする 左から3を取り、右に3を乗せる 大きく傾く

同じ数で、同じ操作を、両方に。 この3つがそろって初めて、等式は保たれます。

左右が入れかわっていても同じ

\(12 = x + 5\) のような形も出てきます。等号は向きを持たないので、\(x + 5 = 12\) と書いても同じことです。慌てずに、\(x\) のある側を見て操作を決めます。

12 = x + 5
12 − 5 = x + 5 − 5      ← 両辺から5を引いた(性質②)
     7 = x
     x = 7              ← 答えは x = の向きにそろえる

今日の問い

\(x - 3 = 6\) を解くとき、両辺に3を足します。引くのではありません。なぜでしょうか。

左辺を見ます。\(x\) から3が引かれている状態です。この3を消したいので、反対の操作をします。引かれているなら足す、足されているなら引く。これで打ち消し合って \(x\) だけが残ります。

x − 3 = 6
x − 3 + 3 = 6 + 3      ← 両辺に3を足した(性質①)
        x = 9

もしここで両辺から3を引いてしまうと、左辺は \(x - 6\) になり、\(x\) から遠ざかります。打ち消すのか、増やすのかを、左辺を見て決めます。

よくある間違い

まちがい1:片方の辺だけを変える

✗ x + 8 = 20
✗     x = 20

左辺の \(+8\) だけを消しています。天びんでいえば左の皿だけ軽くした状態です。\(x\) は12なので、この式は \(12 = 20\) と言っていることになります。

○ x + 8 = 20
○ x + 8 − 8 = 20 − 8
○         x = 12

消えるのではなく、両方から引いた結果いなくなる、と考えてください。

まちがい2:同じ数を使ったが、操作が違う

✗ x + 4 = 9
✗ x + 4 − 4 = 9 + 4
✗         x = 13

同じ4を使っていますが、左は引き算、右は足し算です。天びんでは左の皿からおもりを取って、右の皿におもりを乗せたことになります。大きく傾きます。

○ x + 4 = 9
○ x + 4 − 4 = 9 − 4
○         x = 5

\(x = 13\) を元の式に入れると左辺は \(13 + 4 = 17\) で、右辺の9と合いません。代入して合わなければ、必ずどこかの行が違います。

まちがい3:引かれているのに、さらに引く

✗ x − 5 = 2
✗ x − 5 − 5 = 2 − 5
✗        x − 10 = −3

\(x\) から5が引かれているのに、さらに5を引いてしまいました。左辺は \(x\) に近づくどころか遠ざかっています。打ち消すには足すのが正解です。

○ x − 5 = 2
○ x − 5 + 5 = 2 + 5
○         x = 7

自分で確かめよう

紙に書いてから、答えを開いてください。両辺に何をしたのかを、必ず式に書き残すこと。

  1. 等式の性質①と②を、\(A\)\(B\)\(C\) を使った式で書きなさい。

  2. \(x + 7 = 16\) を解きなさい。

  3. \(x - 9 = 4\) を解きなさい。

  4. \(20 = x + 12\) を解きなさい。

  5. 次の変形はまちがっています。どの行から違いますか。正しく解き直しなさい。

x + 6 = 10
x + 6 − 6 = 10 + 6
        x = 16
  1. 天びんの左の皿に \(x - 2\)、右の皿に \(5\) が乗ってつり合っています。\(x\) だけを残すには、両方の皿に何をすればよいですか。式でも書きなさい。
答えと考え方

1.

  • 性質① … \(A = B\) のとき、\(A + C = B + C\)
  • 性質② … \(A = B\) のとき、\(A - C = B - C\)

言葉でいえば「等しい2つの量に同じ数を足しても、同じ数を引いても、等しいままである」ということです。

2. 左辺の \(x\) には7が足されているので、両辺から7を引きます(性質②)。

x + 7 = 16
x + 7 − 7 = 16 − 7      ← 両辺から7を引いた
        x = 9
左辺 = 9 + 7 = 16
右辺 = 16
左辺 = 右辺 なので x=9 は解

3. 左辺の \(x\) からは9が引かれているので、両辺に9を足します(性質①)。

x − 9 = 4
x − 9 + 9 = 4 + 9      ← 両辺に9を足した
        x = 13
左辺 = 13 − 9 = 4
右辺 = 4
左辺 = 右辺 なので x=13 は解

4. \(x\) があるのは右辺です。左右が入れかわっていても、やることは同じです。右辺の \(x\) には12が足されているので、両辺から12を引きます。

20 = x + 12
20 − 12 = x + 12 − 12      ← 両辺から12を引いた
      8 = x
      x = 8                ← 答えは x = の向きにそろえる
左辺 = 20
右辺 = 8 + 12 = 20
左辺 = 右辺 なので x=8 は解

5. 2行目から違います。

左辺では \(-6\) をしているのに、右辺では \(+6\) をしています。同じ6を使っていますが、操作が反対です。両辺には同じ操作をしなければなりません。

○ x + 6 = 10
○ x + 6 − 6 = 10 − 6
○         x = 4
左辺 = 4 + 6 = 10
右辺 = 10
左辺 = 右辺 なので x=4 は解

誤答の \(x = 16\) を元の式に入れると、左辺は \(16 + 6 = 22\) で右辺の10と合いません。ここで気づけます。

6. 両方の皿に、重さ2のおもりを乗せます。

左の皿は2が引かれた状態なので、2を足し戻せば \(x\) だけになります。右の皿にも同じ2を乗せるので、つり合いは保たれます。

x − 2 = 5
x − 2 + 2 = 5 + 2      ← 両辺に2を足した(性質①)
        x = 7
左辺 = 7 − 2 = 5
右辺 = 5
左辺 = 右辺 なので x=7 は解

次のレッスンへ

足す・引くはこれで扱えるようになりました。でも \(3x = 12\) のように、\(x\) に数がかけられている式はまだ解けません。次は、両方の皿の中身をそっくり同じ回数だけ増やす操作、つまりかけ算を扱います。

次のレッスンへ 両辺に同じ数をかける →

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:両辺に同じ数を足す・引く

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    等式の性質①を、正しく式で表しているのはどれですか。
  2. 設問 1
    $x - 8 = 5$ を解くとき、両辺に $8$ を足します。両辺から $8$ を引くのではありません。その理由として正しいものはどれですか。
  3. 設問 2
    $x - 6 = 8$ を解いたときの、解と使った等式の性質の組み合わせとして正しいものはどれですか。
  4. 設問 3
    $16 = x - 7$ を解き、その解をもとの式に代入して確かめたものとして正しいのはどれですか。
  5. 設問 4
    $x - 8 = 3$ を、ある人が次のように変形しました。$x - 8 - 8 = 3 - 8$ と書き、$x - 16 = -5$ としています。この変形についての説明として正しいものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。