両辺に同じ数を足す・引く
このレッスンでできるようになること
- 等式の性質①②を、自分の言葉と式で説明できる
- 天びんの操作と、式の変形を対応させられる
- 足し算・引き算だけでできている方程式を、理由を書きながら解ける
前のレッスンの確認
- 等式 … 等号 \(=\) で結ばれた式
- 左辺 … 等号の左側にある式/右辺 … 等号の右側にある式/両辺 … 左辺と右辺の両方
- 成り立つ … 左辺の値と右辺の値が等しくなること
- 解 … その方程式を成り立たせる、文字の値
前のセクションで分かっていたこと
天びんを使って、次の2つを見ました。
- 両方の皿に同じことをすれば、つり合いは保たれる
- 片方の皿だけをさわると、天びんは傾く
そして \(x + 3 = 10\) を、両方から3を取ることで \(x = 7\) まで持っていきました。
このとき使ったルールには名前がついています。等式の性質といいます。ここからは天びんの絵ではなく、式の言葉で言い切れるようにします。絵がなくても使えるようにするためです。
等式の性質①(両辺に同じ数を足す)
\(A = B\) のとき、\(A + C = B + C\)
言葉にすると「等しい2つの量に、同じ数を足しても、等しいままである」ということです。
天びんでいえば、左の皿と右の皿に、同じ重さのおもりを1個ずつ乗せる操作です。両方が同じだけ重くなるので、さおは水平のままです。
\(x - 4 = 9\) を例にします。左辺の \(x\) には4が引かれています。これを打ち消すには、引かれた分を足し戻します。
x − 4 = 9
x − 4 + 4 = 9 + 4 ← 両辺に4を足した(性質①)
x = 13
等式の性質②(両辺から同じ数を引く)
\(A = B\) のとき、\(A - C = B - C\)
「等しい2つの量から、同じ数を引いても、等しいままである」ということです。天びんでは、両方の皿から同じ重さを取り除く操作にあたります。
\(x + 6 = 15\) を解きます。左辺の \(x\) には6が足されているので、足された分を引きます。
x + 6 = 15
x + 6 − 6 = 15 − 6 ← 両辺から6を引いた(性質②)
x = 9
確かめ
左辺 = 9 + 6 = 15
右辺 = 15
左辺 = 右辺 なので x=9 は解
動かして確かめよう
下の天びんは、左の皿に \(x + 3\)、右の皿に \(10\) が乗ってつり合っています。ボタンを押すと操作できます。
「左だけ 3 を取る」を先に押してみてください。 そのあと「最初に戻す」を押して、今度は「両方から 3 を取る」を押します。ちがいが見えるはずです。
左の皿には x と 3、右の皿には 10。つり合っています。
傾いてしまった状態を式で書くと、こうです。
✗ x + 3 = 10
✗ x = 10 ← 左からだけ3を消した
\(x\) は7なので、この式は \(7 = 10\) と言っていることになります。成り立ちません。
「同じ数」で「同じ操作」でなければならない
くずれ方は3通りあります。どれも天びんで考えると当たり前です。
| やってしまうこと | 天びんでは | 結果 |
|---|---|---|
| 片方の辺だけを変える | 片方の皿だけ軽くする | 傾く |
| 両辺で違う数を使う | 左から3、右から5を取る | 傾く |
| 両辺で違う操作をする | 左から3を取り、右に3を乗せる | 大きく傾く |
同じ数で、同じ操作を、両方に。 この3つがそろって初めて、等式は保たれます。
左右が入れかわっていても同じ
\(12 = x + 5\) のような形も出てきます。等号は向きを持たないので、\(x + 5 = 12\) と書いても同じことです。慌てずに、\(x\) のある側を見て操作を決めます。
12 = x + 5
12 − 5 = x + 5 − 5 ← 両辺から5を引いた(性質②)
7 = x
x = 7 ← 答えは x = の向きにそろえる
今日の問い
\(x - 3 = 6\) を解くとき、両辺に3を足します。引くのではありません。なぜでしょうか。
左辺を見ます。\(x\) から3が引かれている状態です。この3を消したいので、反対の操作をします。引かれているなら足す、足されているなら引く。これで打ち消し合って \(x\) だけが残ります。
x − 3 = 6
x − 3 + 3 = 6 + 3 ← 両辺に3を足した(性質①)
x = 9
もしここで両辺から3を引いてしまうと、左辺は \(x - 6\) になり、\(x\) から遠ざかります。打ち消すのか、増やすのかを、左辺を見て決めます。
よくある間違い
まちがい1:片方の辺だけを変える
✗ x + 8 = 20
✗ x = 20
左辺の \(+8\) だけを消しています。天びんでいえば左の皿だけ軽くした状態です。\(x\) は12なので、この式は \(12 = 20\) と言っていることになります。
○ x + 8 = 20
○ x + 8 − 8 = 20 − 8
○ x = 12
消えるのではなく、両方から引いた結果いなくなる、と考えてください。
まちがい2:同じ数を使ったが、操作が違う
✗ x + 4 = 9
✗ x + 4 − 4 = 9 + 4
✗ x = 13
同じ4を使っていますが、左は引き算、右は足し算です。天びんでは左の皿からおもりを取って、右の皿におもりを乗せたことになります。大きく傾きます。
○ x + 4 = 9
○ x + 4 − 4 = 9 − 4
○ x = 5
\(x = 13\) を元の式に入れると左辺は \(13 + 4 = 17\) で、右辺の9と合いません。代入して合わなければ、必ずどこかの行が違います。
まちがい3:引かれているのに、さらに引く
✗ x − 5 = 2
✗ x − 5 − 5 = 2 − 5
✗ x − 10 = −3
\(x\) から5が引かれているのに、さらに5を引いてしまいました。左辺は \(x\) に近づくどころか遠ざかっています。打ち消すには足すのが正解です。
○ x − 5 = 2
○ x − 5 + 5 = 2 + 5
○ x = 7
自分で確かめよう
紙に書いてから、答えを開いてください。両辺に何をしたのかを、必ず式に書き残すこと。
等式の性質①と②を、\(A\)、\(B\)、\(C\) を使った式で書きなさい。
\(x + 7 = 16\) を解きなさい。
\(x - 9 = 4\) を解きなさい。
\(20 = x + 12\) を解きなさい。
次の変形はまちがっています。どの行から違いますか。正しく解き直しなさい。
x + 6 = 10
x + 6 − 6 = 10 + 6
x = 16
- 天びんの左の皿に \(x - 2\)、右の皿に \(5\) が乗ってつり合っています。\(x\) だけを残すには、両方の皿に何をすればよいですか。式でも書きなさい。
答えと考え方
1.
- 性質① … \(A = B\) のとき、\(A + C = B + C\)
- 性質② … \(A = B\) のとき、\(A - C = B - C\)
言葉でいえば「等しい2つの量に同じ数を足しても、同じ数を引いても、等しいままである」ということです。
2. 左辺の \(x\) には7が足されているので、両辺から7を引きます(性質②)。
x + 7 = 16
x + 7 − 7 = 16 − 7 ← 両辺から7を引いた
x = 9
左辺 = 9 + 7 = 16
右辺 = 16
左辺 = 右辺 なので x=9 は解
3. 左辺の \(x\) からは9が引かれているので、両辺に9を足します(性質①)。
x − 9 = 4
x − 9 + 9 = 4 + 9 ← 両辺に9を足した
x = 13
左辺 = 13 − 9 = 4
右辺 = 4
左辺 = 右辺 なので x=13 は解
4. \(x\) があるのは右辺です。左右が入れかわっていても、やることは同じです。右辺の \(x\) には12が足されているので、両辺から12を引きます。
20 = x + 12
20 − 12 = x + 12 − 12 ← 両辺から12を引いた
8 = x
x = 8 ← 答えは x = の向きにそろえる
左辺 = 20
右辺 = 8 + 12 = 20
左辺 = 右辺 なので x=8 は解
5. 2行目から違います。
左辺では \(-6\) をしているのに、右辺では \(+6\) をしています。同じ6を使っていますが、操作が反対です。両辺には同じ操作をしなければなりません。
○ x + 6 = 10
○ x + 6 − 6 = 10 − 6
○ x = 4
左辺 = 4 + 6 = 10
右辺 = 10
左辺 = 右辺 なので x=4 は解
誤答の \(x = 16\) を元の式に入れると、左辺は \(16 + 6 = 22\) で右辺の10と合いません。ここで気づけます。
6. 両方の皿に、重さ2のおもりを乗せます。
左の皿は2が引かれた状態なので、2を足し戻せば \(x\) だけになります。右の皿にも同じ2を乗せるので、つり合いは保たれます。
x − 2 = 5
x − 2 + 2 = 5 + 2 ← 両辺に2を足した(性質①)
x = 7
左辺 = 7 − 2 = 5
右辺 = 5
左辺 = 右辺 なので x=7 は解
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足す・引くはこれで扱えるようになりました。でも \(3x = 12\) のように、\(x\) に数がかけられている式はまだ解けません。次は、両方の皿の中身をそっくり同じ回数だけ増やす操作、つまりかけ算を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。