LESSON 01

説明文・論説文の抽象語

説明文・論説文の抽象語:意味と手掛かりをつかむ

論説文の骨組みを作る抽象語(概念・根拠・主観と客観など)が、対の語と漢字の組み立てで意味を取れることを知り、入口をつかみます。

説明文・論説文の抽象語:意味と手掛かりをつかむ

このレッスンの役割

前のセクションでは、数学・理科・社会の教科語を扱いました。ここでは、高校入試の説明文・論説文を支えている抽象的な漢字語を扱います。

今回の中心技能は、「概念」「根拠」「主観」「客観」のような抽象語が、論説文の骨組みを作っていることを知り、対になる語と漢字の組み立てから意味を取れるようになることです。目安時間は8分です。

今日の問い

次の一文は、何を言っているでしょうか。

主観的な印象ではなく、客観的な根拠に基づいて判断すべきだ。

「主観」「客観」「根拠」が分からなければ、この文は読めません。逆に、この三語が分かれば、「自分の感じ方ではなく、誰が見ても確かめられる理由をもとに決めよう」と読めます。

論説文は、こうした語で筆者の考えを組み立てています。語が分かれば、文章の骨組みが見えます。

抽象語とは何か

目に見える物(りんご、机)を表す語を具体語、目に見えない考えや性質(概念、本質、傾向)を表す語を抽象語といいます。論説文は、具体例を挙げながら抽象語で結論を述べるので、抽象語が分からないと結論が取れません。

手掛かり①:対で覚える

抽象語の多くは、対になる語を持ちます。対で並べると、意味の境目がはっきりします。

対 意味
主観↔客観 自分の感じ方/誰が見ても同じ見方
具体↔抽象 個々の例/共通する性質を取り出したもの
普遍↔特殊 どこでも成り立つ/ある場合にだけ成り立つ
絶対↔相対 他と比べず成り立つ/他と比べて決まる
必然↔偶然 必ずそうなる/たまたまそうなる
顕在↔潜在 表に現れている/隠れている
自律↔他律 自分で決める/他人に決められる
多様↔画一 さまざま/みな同じ
合理↔不合理 道理に合う/合わない
肯定↔否定 そうだと認める/ちがうと打ち消す

手掛かり②:漢字の組み立て

熟語の組み立て(前のセクション)を使うと、見当がつきます。

語 組み立て 意味
概念 概(おおむね)+念(考え) 物事のおおまかな考え方・枠組み
根拠 根+拠(よりどころ) 考えの元になる理由
前提 前に提げる 先に成り立っているとする条件
本質 本(もと)の質 そのものの中心となる性質
矛盾 矛と盾(故事から) つじつまが合わないこと
象徴 象(かたどる)+徴(しるし) 形のないものを形あるもので表すこと
契機 契(結ぶ)+機(きっかけ) 物事が始まるきっかけ
媒介 媒(なかだち)+介(間に入る) 間に入って結びつけるもの

例題:「逆説」

「逆」+「説」で、「逆の説明」と見当をつけたくなります。しかし論説文での「逆説」は、「一見矛盾しているように見えて、実は真理を言っている表現」です。「急がば回れ」がその例です。組み立てで見当をつけ、文中の説明で確定する、という教科語と同じ読み方が必要です。

よくある間違い

日常の軽い意味で読む

「絶対」を「とても」、「普通」を「ふつう」、「適当」を「いいかげん」と読むと、論説文の意味がずれます。抽象語は、日常より厳密な意味で使われます。

一語だけ覚えて対を覚えない

「客観」だけ覚えても、「主観」と並べなければ境目が分かりません。必ず対で覚えます。

字面だけで決めつける

「逆説」のように、組み立てだけでは意味が取れない語もあります。文中の説明を探します。

自分で確かめよう

確認1:「客観的」の意味と、対になる語

誰が見ても同じように確かめられる見方。対は「主観的」(自分の感じ方による見方)です。

確認2:「根拠」を組み立てから説明してください

根(ねもと)+拠(よりどころ)で、考えや主張の元になる理由のことです。

確認3:「普遍的」と「特殊な」の境目

普遍的はどこでも誰にでも成り立つこと、特殊はある場合にだけ成り立つことです。

まとめと次の一歩

論説文は抽象語で骨組みを作っています。抽象語は、対になる語と並べ、漢字の組み立てで見当をつけ、文中の説明で確定します。

次のレッスンでは、文中で抽象語に出会ったときに意味を決める手順を一行ずつ使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:抽象語の手掛かり

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「主観」と対になる語はどれですか。
  2. 設問 1
    「根拠」の意味として最も適切なものはどれですか。
  3. 設問 2
    「普遍的」の意味はどれですか。
  4. 設問 3
    「逆説」の意味として正しいものはどれですか。
  5. 設問 4
    「絶対」を「とても」の意味で読む誤りは、どの型にあたりますか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。