高校入試・漢字マスターチェック:文章・入試問題で使い切る
このレッスンの役割
ここはコース「漢字を読む・書く」の出口です。読み・意味・書きの技能、本番用の四段階の手順、失点の型を、入試本番形式の総合問題で通して使います。
中心技能は、入試形式の漢字問題十問を手順どおりに解き、誤答があればどのセクションに戻るかを自分で決められることです。目安時間は12分です。
入試でどう出るか
公立高校入試の国語では、漢字の読み書きが大問の冒頭か読解文の中に置かれ、配点は全体の一割前後です。読み三〜五問、書き三〜五問が標準で、部首・画数・熟語の組み立てが加わる県もあります。短時間で確実に取る問題です。
総合問題
問1〜問4:読み
次の──線部の読みを平仮名で書きなさい。
- 彼の提案は、会議で承認された。
- 朝の光が、湖面に映える。
- 名残惜しいが、ここで別れよう。
- 長い議論の末、妥協点が見つかった。
問5〜問8:書き
次の──線部の片仮名を漢字に直しなさい。
- 目標の達成に向けて、全員がキョウリョクした。
- 図書館で本をカりる。
- 寒さがキビしい朝だった。
- 新しい工場のケンセツが始まった。
問9:熟語の組み立て
「読書」と同じ組み立ての熟語を選びなさい。
ア 高山 イ 登山 ウ 山河 エ 不要
問10:空欄補充
次の空欄に入る語として最も適切なものを選びなさい。
彼女の意見は、感情ではなく( )的な根拠に基づいていた。
ア 主観 イ 客観 ウ 抽象 エ 特殊
答えと判断
問1
「しょうにん」。音+音の熟語。「承」は「うけたまわる」の訓もありますが、熟語では音です。
問2
「は」。「映える」は送り仮名「える」の前までを書きます。「うつ」ではなく「は(える)」。
問3
「なごり」。熟字訓。一字ずつ読んで「めいざん」とはしません。
問4
「だきょう」。「妥」は「安」に似ていますが「だ」と読みます。
問5
「協力」。同音異義語の「強力」と区別。「全員が〜した」は力を合わせる意味なので「協」。
問6
「借」。同訓異字の「狩る」「刈る」と区別。本を「借りる」。送り仮名は「り」から。
問7
「厳」。「厳しい」の送り仮名は「しい」。字形は「厳」の上の点二つを忘れない。
問8
「建設」。「建」はえんにょう、「設」はごんべん。「建築」と混同しないよう文脈(工場を作る)で確認。
問9
イ。「読書」は「書を読む」で、下の字が上の字の目的語になる組み立て。「登山」は「山に登る」で同じ型。アは修飾(高い山)、ウは並列(山と河)、エは打ち消し。
問10
イ。「感情ではなく」が対の合図で、「根拠」と結びつくのは「客観」。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るセクション |
|---|---|---|
| 問2で「はえ」 | 送り仮名の部分まで書いた | 送り仮名のきまり |
| 問3で「めいざん」 | 熟字訓を一字ずつ読んだ | 熟字訓・特別な読み方 |
| 問5で「強力」 | 同音異義語を文脈で絞らなかった | 同音異義語を書き分けよう |
| 問6で「狩」 | 同訓異字の対象を見なかった | 同訓異字を書き分けよう |
| 問7で「厳」の点を落とした | 字形の落とし | 間違えやすい漢字の形 |
| 問9でア | 組み立ての型を取り違えた | 熟語の組み立て |
| 問10でア | 対の語を取り違えた | 説明文・論説文の抽象語 |
本番の時間配分
| 場面 | すること | 目安 |
|---|---|---|
| 大問冒頭の漢字 | 四段階の手順で解く。迷ったら印をつけて先へ | 読み書き各30秒、計5分以内 |
| 読解文中の漢字 | 読みながらその場で解く | 読解と同時 |
| 最後の見直し | 漢字問題だけを、送り仮名・同音異義語・字形の目的で見る | 1〜2分 |
迷った問題に長く留まらないことが大切です。印をつけて先に進み、見直しで戻ります。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 読みは平仮名か | 指示どおりの文字種 |
| 送り仮名の部分を書いていないか | 映える→「は」 |
| 書き取りの送り仮名は指示どおりか | 「厳しい」なら「厳」のみか「厳しい」か |
| 同音異義語・同訓異字を文脈で絞ったか | 協力/強力、借りる/狩る |
| 字形は楷書で正確か | へん、点、はらい |
| 解答欄に収まっているか | 一マス一字 |
よくある間違い
迷った問題で時間を使い切る
漢字問題は配点が小さいので、迷ったら先に進みます。読解で取れる点のほうが大きいからです。
見直しで文章を読み直してしまう
見直しは、漢字問題だけを、送り仮名・同音異義語・字形の目的で見ます。
自己採点で「惜しい」を正解にする
字形や送り仮名の誤りは、入試では不正解です。自己採点も厳密にします。
自分で説明しよう
確認1:入試の漢字問題で使う四段階の手順
問題の形を見る、技能と手掛かりを決める、候補を出して文脈で絞る、書いたあとに確かめる、です。
確認2:知らない語の読みに出会ったときの手掛かり
形声文字の音符、熟語の組み立て、文脈です。読めなくても意味が取れれば読解は進められます。
確認3:本番で漢字問題を見直すときに見る三つ
送り仮名、同音異義語・同訓異字、字形です。
コースの出口
このコースでは、漢字を「読む」「意味を取る」「書く」の三つに分け、それぞれ手掛かりと手順と誤りの型を学びました。入試の漢字問題を見て、形から技能と手掛かりを決め、候補を出して文脈で絞り、書いたあとに確かめられたら、このコースは完了です。
誤答があったセクションに戻り、手順を一行ずつ使い直してください。知らない語に出会っても、手掛かりで読み、意味を取り、書けるようになっていれば、入試本番でも同じ手順が使えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。