高校入試・漢字マスターチェック:よくある誤りを見抜いて直す
このレッスンの役割
入試の漢字問題で失点が起きる型は、コース全体を通して見るとそれほど多くありません。ここでは、それらを読み・書き・意味・答案の書き方の四つにまとめ、どの段階で崩れたかを見抜き、どのセクションの直し方を使うかを一覧にします。
今回の中心技能は、誤答を見て「どの技能の、どの型か」を言い、直し方を一つ選べることです。目安時間は8分です。
今日の問い
ある人の答案に、次の誤りがありました。それぞれ、どの技能のどの型でしょうか。
- 「促す」の読みを「うながす」と書いた
- 「イギを唱える」を「意義」と書いた
- 「絶対的な基準」を「とても厳しい基準」と読んだ
- 「専門」の「専」に点を打った
1は読みの型①(送り仮名の部分まで書いた。正しくは「うなが」)。2は書きの型①(同音異義語を文脈で絞らなかった)。3は意味の型①(日常の軽い意味で読んだ)。4は書きの型③(字形の点の有無)です。
読みの型
| 型 | 例 | 直し方 | セクション |
|---|---|---|---|
| ① 送り仮名の部分まで書く | 促す→「うながす」 | 送り仮名の前までを書く | 送り仮名のきまり |
| ② 音訓の取り違え | 役割→「やくかつ」 | 熟語の読み方の型(音+音、訓+訓、重箱、湯桶) | 音読み・訓読み |
| ③ 形声文字の音符で誤る | 緒→「しゃ」(正しくは「しょ」「ちょ」) | 音符は目安、語で確かめる | 形声文字 |
| ④ 熟字訓を一字ずつ読む | 今朝→「いまあさ」 | 語全体の読みとして覚える | 熟字訓 |
書きの型
| 型 | 例 | 直し方 | セクション |
|---|---|---|---|
| ① 同音異義語の混入 | 異議→意義 | 候補を並べ、ちがう字の意味を文脈で | 同音異義語 |
| ② 同訓異字の混入 | 量る→測る | 対象と場面で選ぶ | 同訓異字 |
| ③ 字形の落とし | 専に点、成績→成積 | へん・点・はらいを確かめる | 間違えやすい漢字の形 |
| ④ 送り仮名の落とし | 果たす→果す | 活用で変わる部分から送る | 送り仮名のきまり |
意味の型
| 型 | 例 | 直し方 | セクション |
|---|---|---|---|
| ① 日常の軽い意味 | 絶対=とても | 対の語で厳密な意味に戻す | 抽象語 |
| ② 対の取り違え | 主観と客観 | 片方を組み立てで固定 | 抽象語 |
| ③ 組み立てを見ない | 不朽を「朽ちる」と読む | 上の字が打ち消しか修飾かを見る | 熟語の組み立て |
| ④ 結びつきが不自然 | 責任を達成する | 結びつきの型で確かめる | 文章の中で読み書きしよう |
答案の書き方の型
| 型 | 例 | 直し方 |
|---|---|---|
| ① 読みを片仮名で書く | 「ザンネン」 | 指示どおり平仮名で書く |
| ② 書き取りで送り仮名を解答欄に入れない・入れすぎる | 「果たす」の欄に「果」だけ | 問題の指示(送り仮名を含めて)を読む |
| ③ 楷書で書かない | 続け字、略字 | 一画ずつ楷書で書く |
| ④ 書き取りの字を解答欄からはみ出す | 二字が一マスに | 欄に合わせて書く |
入試では、字が読めなければ採点されません。楷書で、はっきり書きます。
例題:どの型か
「彼は責任をハタした」を「果した」と書いた。
書きの型④。活用で「果たさ・果たし」と変わるので「た」から送ります。
「顕在化した問題」の「顕在」を「隠れていた」と読んだ。
意味の型②。「潜在」が隠れている、「顕在」は表に現れている、です。
「今日の社会では」の「今日」を「きょう」と読んだ。
読みの型④に近い誤りです。「今日」は「きょう」と「こんにち」の二つの読みがあり、「今日の社会」では「こんにち」です。文脈で決めます。
よくある間違い
誤りをその語だけ覚え直して終わる
次に別の語で同じ型の誤りをします。型を言い、直し方を選びます。
字形や送り仮名を「ケアレスミス」で片づける
ケアレスミスは、確かめの手順がないから起きます。書いたあとに三つを見る習慣が直し方です。
配点の小さい漢字問題を見直さない
一点の差で合否が分かれます。漢字問題の見直しは一分で済みます。
自分で確かめよう
確認1:「役割」を「やくかつ」と読んだ誤りの型と直し方
読みの型②(音訓の取り違え)。「役割」は音+訓の重箱読みで「やくわり」です。
確認2:「平和をホショウする」を「保証」と書いた誤りの型と直し方
書きの型①(同音異義語)。守るという文脈で「障」の「保障」です。
確認3:答案の書き方で、採点されなくなる誤り
楷書で書かない(続け字・略字)、指示と違う文字種(読みを片仮名で)、欄からはみ出す、です。
まとめと次の一歩
失点の型は、読み(送り仮名・音訓・音符・熟字訓)、書き(同音異義語・同訓異字・字形・送り仮名)、意味(日常の意味・対・組み立て・結びつき)、答案の書き方の四つにまとめられます。それぞれ、コースのどのセクションの直し方を使うかが決まっています。
次のレッスンでは、入試本番形式の総合問題で、コース全体を通して確認します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。