LESSON 01

熟字訓・特別な読み方

熟字訓・特別な読み方:文章・入試問題で使い切る

入試の読み問題で熟字訓を文脈に合わせて読み、二通りの読みを選び分け、読解の中で意味を取って進む力までまとめます。

熟字訓・特別な読み方:文章・入試問題で使い切る

このレッスンの役割

ここは「熟字訓・特別な読み方」の出口です。熟字訓の仕組み、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の読み問題と文章の中で通して使います。

中心技能は、熟字訓を含む語を文脈に合わせて正しく読み、どの段階で判断したか説明することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

熟字訓は、漢字の読みの問題で毎年のように出ます。「次の──線部の読みを平仮名で書きなさい」という形で、「名残」「行方」「日和」「最寄り」「吹雪」などが出題されます。二通りに読める語は、文脈で読みが決まる形で出ます。

本番では次の順に考えます。

  1. 音読みで語になるか試す
  2. ならなければ、意味を取って日本語の言葉を思い出す
  3. 二通りあるなら、文脈の意味で選ぶ
  4. 送り仮名・促音・濁りまで含めて書く
  5. 読めなくても、意味が取れていれば読解は進める

総合問題

──線部の読みを平仮名で書き、判断した段階も書いてください。

問1

台風の行方が気になる。

問2

絶好の運動会日和になった。

問3

今日の日本社会では、少子化が大きな課題である。

問4

駅の最寄りの出口で待ち合わせる。

問5

春の名残を惜しむように、桜の花びらが舞った。

答えと判断

問1

「ゆくえ」。「こうほう」では語にならず、「行った先」という意味から引き出します。

問2

「びより」。「日和」は「ひより」ですが、「運動会日和」のようにあとに付くと濁って「びより」になります。語の形ごと覚えます。

問3

「こんにち」。「現代の」という意味なので音読みです。「きょう」と読むと「この日の日本社会」になり、文脈に合いません。

問4

「もより」。「最寄り」は「り」を送る形で、いちばん近いという意味です。

問5

「なごり」。「めいざん」では語にならず、「残っている気配・余韻」という意味から引き出します。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「いきかた」 一字ずつ読んだ 意味と手掛かりをつかむ
問2で「ひより」 濁りを落とした よくある誤りを見抜いて直す(型④)
問3で「きょう」 二通りの読みを文脈で選ばなかった 判断手順を一行ずつ使う(段階3)
問4で「さいき」 音読みで押し通した よくある誤りを見抜いて直す(型②)
問5で「めいざん」 音読みで押し通した 判断手順を一行ずつ使う(段階1)

文章の中で使う

読解問題の本文には、読めなくても意味が取れれば進める熟字訓が出ます。

祖母は田舎の家で、縁側に座って時雨の音を聞いていた。

「田舎(いなか)」「時雨(しぐれ)」が読めなくても、「田と舎(建物)」から都会でない場所、「時々の雨」から雨の一種だと分かれば、情景は取れます。設問が読みを問うなら答える必要がありますが、内容を問うなら意味だけで解けます。読めない語で止まらず、意味を取って進むことが読解では大切です。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
音読みで語になるか ならなければ熟字訓
意味から言葉を引き出したか 一字ずつ読んでいないか
二通りある語か 今日・明日・紅葉・清水・上手
語の形は正確か 送り仮名(最寄り)・促音(真っ赤)・濁り(小春日和)
平仮名で書いたか 読み問題は平仮名指定が多い

よくある間違い

読みが出ない語で止まって読解を進めない

意味が取れれば読解は進みます。読みは設問が要求するときだけ答えます。

二通りある語を、見慣れた方で読む

「今日」はふだん「きょう」ですが、「今日の社会」は「こんにち」です。文脈で選びます。

読みは合っているが形を落とす

「もより」と読めても、書き取りで「最寄」と書けば不正解です。読みと形はセットで覚えます。

自分で説明しよう

確認1:熟字訓とは何か、一文で

二字以上の語全体に一つの日本語の読みを当てたもので、字の音訓からは読みを導けない語です。

確認2:熟字訓を読む手順

音読みで語になるか試し、ならなければ意味を取って日本語の言葉を思い出し、二通りあれば文脈で選び、語の形ごと書きます。

確認3:読解の中で熟字訓が読めないとき

字の意味から語の意味を取り、情景や内容をつかんで読み進めます。読みは設問が求めるときだけ確かめます。

セクションの出口

入試形式で熟字訓を文脈に合わせて読み、二通りの読みを選び分け、読めなくても意味を取って読解を進められたら完了です。

次のセクション「教科で使う漢字と語彙」では、数学・理科・社会の教科書に出る漢字語を、意味と一緒に身につけます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:熟字訓を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「台風の行方が気になる」の「行方」の読みはどれですか。
  2. 設問 1
    「運動会日和」の「日和」の読みはどれですか。
  3. 設問 2
    「駅の最寄りの出口」の「最寄り」の読みはどれですか。
  4. 設問 3
    読解の本文で読めない熟字訓に出会ったとき、最も適切な対応はどれですか。
  5. 設問 4
    「二十日」の読みはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。