間違えやすい漢字の形:文章・入試問題で使い切る
このレッスンの役割
ここは「間違えやすい漢字の形」の出口です。三つの原因、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試の書き取りと誤字訂正で通して使います。
中心技能は、字形で迷う漢字を正しく書き、どの部品や仲間を根拠にしたか説明することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
書き取りでは、漢字が合っていても字形が正しくなければ減点か不正解です。採点では、点の有無、部首、突き抜け、はねや払いまで見られます。誤字訂正では、文中の誤った字形の字を見つけて直します。
本番では次の順に考えます。
- 書く前に、ちがう部品を一つ声に出す(「いとへんの績」「点ありの博」)
- 書いたあと、迷う字だけを部品ごとに見直す
- 突き抜け・点・部首を一つずつ確かめる
- 迷ったら、仲間の字(博・薄・簿)や熟語(紡績・功績)を思い出す
総合問題
片仮名を漢字に直し、字形の根拠を書いてください。
問1
今年のセイセキが上がった。
問2
新しい機械をコウニュウする。
問3
深いカンガイにひたる。
問4
天候の変化をカンソクする。
問5
次の文に字形の誤りがあれば直しなさい。なければ「なし」と答えなさい。
専門家が博物館で講演し、往復の交通費は主催者が負担した。
答えと判断
問1
「成績」。右側は「責」、部首は「いとへん」。「紡績」「功績」と同じ字で、「積」(のぎへん)ではありません。
問2
「購入」。お金で買うので「かいへん」。「講」(ごんべん)、「構」(きへん)ではありません。
問3
「感慨」。心の動きなので「りっしんべん」。「概要」の「概」(きへん)ではありません。
問4
「観測」。「測」はさんずいに「則」。長さや様子をはかる意味で、「側」(にんべん)ではありません。
問5
「なし」。「専」は点なし、「博」は点あり、「講」はごんべん、「復」はぎょうにんべんで、すべて正しい形です。誤字訂正の問題では、正しい字を疑って直してしまう誤りにも注意します。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「成積」 | 部首の取り違え | 判断手順を一行ずつ使う(段階3) |
| 問2で「講入」 | 部首の取り違え | よくある誤りを見抜いて直す(型②) |
| 問3で「感概」 | 形の近い別の字 | よくある誤りを見抜いて直す(型④) |
| 問4で「観側」 | 部首の取り違え | 意味と手掛かりをつかむ |
| 問5で「専」に点を付けた | 一画の過不足 | よくある誤りを見抜いて直す(型①) |
文章の中で使う
記述の中でも、字形は採点されます。次の文を自分で書いたとき、落としやすい字が二つあります。
卒業式では、率先して準備を進めた生徒に感謝状が贈られた。
「卒」の下は「人・人」で、「九」ではありません。「率」の中央は「幺」で、その左右に点が四つ付きます。どちらも、書いたあとに部品ごとに見直せば気づけます。急いで書いた答案ほど、字形の見直しを一度入れます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 部首は意味に合っているか | 績(糸)・購(貝)・慨(心) |
| 点の有無は仲間と合っているか | 博・薄・簿(あり)/専(なし) |
| 突き抜けは合っているか | 牛(抜ける)/午(抜けない) |
| 似た別の字になっていないか | 綱/網/鋼、延/廷 |
| 急いで崩れていないか | はね・払い・線の数 |
よくある間違い
意味が合っていれば字形は見られないと思う
採点は字形まで見ます。部首が一つちがえば別の字です。
見直しで文全体を読んで終わる
字形の見直しは、迷う字だけを部品ごとに見ます。文を読むだけでは見つかりません。
書けなかった字を、その日だけ練習する
翌日に閉じて書けて初めて定着です。間を空けてもう一度書きます。
自分で説明しよう
確認1:字形の誤りの三つの原因
点や線の有無、似た部品の取り違え、形の近い別の字、です。
確認2:部首で迷ったときの決め方
その字を使う熟語(紡績・購入・感慨)を思い出し、部首の意味(糸・貝・心)が文脈に合うかで決めます。
確認3:答案の字形を見直す方法
迷う字だけを部品ごとに見て、部首・点・突き抜けを一つずつ確かめます。
セクションの出口
入試形式で字形を正しく書き、部品や仲間を根拠に説明し、答案の見直しで字形の誤りに気づけたら完了です。
次のセクション「熟字訓・特別な読み方」では、一字ずつの音訓では読めない、語全体に当てられた読みを扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。