同音異義語を書き分けよう:意味と手掛かりをつかむ
このレッスンの役割
前のセクションでは送り仮名を扱いました。ここからは、同じ音で意味のちがう熟語、同音異義語を文脈に合わせて選ぶ力を扱います。
今回の中心技能は、同じ音の熟語を、漢字一字ずつの意味に分けて見分けることです。目安時間は8分です。音を覚えるのではなく、「字の意味で選ぶ」という考え方を身につけます。
今日の問い
「地域の安全をホショウする」のホショウは、「保証」「保障」「補償」のどれでしょうか。
三つとも「ホショウ」と読みます。音だけでは決まらないので、漢字一字ずつの意味を見ます。
| 熟語 | 字の意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 保証 | 証=あかし。確かだと請け合う | 品質を保証する・保証人 |
| 保障 | 障=さまたげ。害から守る | 安全を保障する・社会保障 |
| 補償 | 償=つぐなう。損を埋め合わせる | 損害を補償する |
「安全を守る」という文脈なので「保障」です。ちがう字が一つだけ入れかわっているので、そのちがう字の意味を言えれば選べます。
同音異義語を見分ける考え方
同音異義語の多くは、一字が共通で、もう一字がちがいます。見分けるときは、ちがう字に注目して、その字の訓読みや、その字を使う別の熟語を思い出します。
| 字 | 訓読み・別の熟語 | 意味 |
|---|---|---|
| 志 | こころざし・志望 | 目標に向かう気持ち |
| 思 | おもう・思考 | 考え |
| 象 | 現象・対象 | 目に見えるもの、相手 |
| 照 | てらす・照合 | 照らし合わせる |
| 称 | 名称・称する | 名前、つり合い |
これを使うと、「意志」は「志」が入るので目標に向かう強い気持ち、「意思」は「思」が入るので考えや気持ちそのもの、と分けられます。
よく出る組を字の意味で分ける
| 音 | 熟語と字の意味 |
|---|---|
| タイショウ | 対象(相手・目標)/対照(照らし合わせる)/対称(つり合う) |
| カンシン | 関心(心が関わる=興味)/感心(感じて心が動く=えらいと思う)/歓心(よろこぶ心) |
| イガイ | 以外(それより外)/意外(思いの外) |
| ツイキュウ | 追求(求めて追う=手に入れようとする)/追究(究める=深く調べる)/追及(及ぶ=責任を問いつめる) |
| カイトウ | 回答(返事)/解答(問題を解く) |
どの組も、ちがう字の意味を一つ言えれば決まります。
例題:「あの人の行動にはカンシンした」
「えらい、すごい」と心が動いたのですから、「感じて心が動く」の「感心」です。「関心」は「興味がある」のときに使います。「関心を持つ」「感心する」と、あとに続く言葉でも見分けられます。
例題:「実験のタイショウとして犬を選んだ」
「相手・目標」の意味なので「対象」です。二つを比べるなら「対照」、左右がつり合うなら「対称」です。「対照的な性格」「左右対称」と、使われる言い回しも手掛かりになります。
よくある間違い
音だけで覚えて、字の意味を見ない
「ホショウ」と聞いた瞬間に一つの漢字を書くと、三つのうち二つで間違えます。文脈を読み、ちがう字の意味で選びます。
共通の字だけを見て安心する
「保」が合っていても、「証・障・償」を間違えれば不正解です。ちがう字のほうに注目します。
言い回しを覚えず、意味だけで決める
「関心を持つ」「感心する」のように、あとに続く言葉には型があります。意味と言い回しの両方を手掛かりにします。
自分で確かめよう
確認1:「本人のイシを尊重する」のイシは何ですか
「意思」です。本人の考え・気持ちという意味なので「思」を使います。「意志が強い」のように、目標に向かう強さを言うときは「意志」です。
確認2:「君イガイに頼める人がいない」のイガイは何ですか
「以外」です。「君より外に」という意味なので「以」を使います。「意外」は「思いの外」という意味です。
確認3:同音異義語を見分けるとき、どの字に注目しますか
熟語の中でちがっている字です。その字の訓読みや、その字を使う別の熟語から意味を言い、文脈に合うものを選びます。
まとめと次の一歩
同音異義語は、ちがう字の意味で見分けます。字の訓読みや別の熟語を思い出して意味を言い、文脈と言い回しに合うものを選びます。
次のレッスンでは、この見分け方を手順にして、初めて見る組にも当てられるようにします。
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