LESSON 01

漢字のつくりから読みを推測しよう

漢字のつくりから読みを推測しよう:意味と手掛かりをつかむ

形声文字の「意味を表す部分」と「音を表す部分」を見分け、知らない漢字の読みを仮決めする入口をつかみます。

漢字のつくりから読みを推測しよう:意味と手掛かりをつかむ

このレッスンの役割

前のセクションでは、部首から漢字の「意味」の方向を考えました。このセクションでは、漢字のもう一つの部品から「読み」を考えます。

今回の中心技能は、漢字を部品に分け、どの部品が音を表しているかを見つけることです。目安時間は8分です。漢字そのものを覚えるのではなく、「見たことのない漢字に出会ったとき、どこを見るか」を身につけます。

今日の問い

次の五つの漢字に共通する部品は何でしょうか。そして、読みはどうなっているでしょうか。

清・晴・精・請・静

すべてに「青」が入っています。読みは、清(セイ)、晴(セイ)、精(セイ)、請(セイ)、静(セイ)で、音読みがそろっています。

「青」そのものの音読みも「セイ」です。つまり「青」は、これらの漢字の中で音を表す部品として働いています。

形声文字という仕組み

漢字の多くは、二つの部品を組み合わせて作られています。

部品 役割 「清」の場合
意味を表す部品(意符) その漢字が何の仲間かを示す。多くは部首 さんずい → 水に関係する
音を表す部品(音符) その漢字の音読みを示す 青 → セイ

このように「意味の部品+音の部品」でできた漢字を形声文字といいます。常用漢字の八割以上がこの仕組みでできているので、ここを使えるようになると、初めて見る漢字の読みに見当をつけられます。

同じ音符を持つ仲間をもう少し見てみましょう。

音符 音 同じ音符を持つ漢字
同 ドウ 銅・胴・洞
寺 ジ 時・持・侍
反 ハン 飯・板・版・販
丁 テイ 訂・頂・停

「候補を作る」のであって「決める」のではない

音符は、読みを仮決めするための手掛かりです。同じ音符でも、読みが少し変わることがあります。

音符 読みが同じ例 読みが変わる例
方(ホウ) 訪(ホウ)・芳(ホウ) 防(ボウ)・坊(ボウ)
支(シ) 枝(シ) 技(ギ)・岐(キ)
工(コウ) 功(コウ)・攻(コウ) 空(クウ)

濁音になる、母音が変わる、という変化はよくあります。ですから、音符から読みの候補を作ったら、熟語や文の意味に戻して確かめるところまでが一つの判断です。

読みを推測する四段階

  1. 漢字を部品に分ける
  2. 部首でない側の部品を「音符かもしれない」と見る
  3. その部品を持つ知っている漢字を思い出し、読みの候補を作る
  4. 熟語や文に戻し、意味が通るか確かめる

このセクションでは、この四段階を一つずつ練習します。

例題:「銅像」の「銅」

「銅」を見たことがないとします。

  1. 部品は「金」と「同」
  2. 「金」は部首で、金属の仲間を表す。「同」が音符の候補
  3. 「同」を持つ漢字は「同(ドウ)」「胴(ドウ)」。読みの候補は「ドウ」
  4. 「ドウゾウ」と読んで、「金属で作った像」という意味が通る

金属の仲間で「ドウ」と読む、と仮決めできました。これが形声文字の使い方です。

よくある間違い

部首を音符だと思う

「清」のさんずいは意味の部品です。さんずいから「セイ」という音は出てきません。部首と音符は役割が違います。

音符があれば必ず同じ読みだと思う

「空(クウ)」の音符は「工(コウ)」です。候補は作れますが、そのままではありません。候補を作ったら必ず確かめます。

すべての漢字に音符があると思う

「明」「林」「休」のように、意味の部品だけを組み合わせた漢字(会意文字)や、形をかたどった漢字(象形文字)には音符がありません。見当がつかなければ、別の手掛かりに切り替えます。

自分で確かめよう

確認1:「晴天」の「晴」の音符は何ですか

「青」です。「日」は部首で、太陽や天気に関係する意味を表します。「青(セイ)」から「セイテン」と読めます。

確認2:「版画」の「版」の読みを、音符から考えてください

音符は「反(ハン)」です。「飯」「板」も「ハン」なので、「ハンガ」と仮決めし、「木の板に彫って刷る絵」という意味が通ることで確定します。

確認3:音符から作った読みを、そのまま答えにしてはいけない理由

同じ音符でも、濁音になったり母音が変わったりする漢字があるからです。熟語や文の意味に戻して確かめる必要があります。

まとめと次の一歩

漢字の多くは「意味の部品+音の部品」でできています。音の部品を見つければ、読みの候補が作れます。ただし候補は候補なので、最後は文に戻して確かめます。

次のレッスンでは、この四段階を実際の漢字で一行ずつたどり、読みが少し変わる型にも対応できるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:形声文字の意味と手掛かり

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「清・晴・精・請」に共通する部品「青」は、これらの漢字の中でどんな役割をしていますか。
  2. 設問 1
    形声文字とは、どのような仕組みの漢字ですか。
  3. 設問 2
    「銅」の音符(音を表す部品)はどれですか。
  4. 設問 3
    音符から読みの候補を作ったあと、答えにする前にすべきことは何ですか。
  5. 設問 4
    次のうち、音符を持たない漢字(形声文字でない漢字)はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。