熟語の組み立てを理解しよう:意味と手掛かりをつかむ
このレッスンの役割
前のセクションまでは、漢字一字の読みと意味を扱いました。ここからは、二つの漢字が組み合わさった熟語を見ます。
今回の中心技能は、二字熟語がどういう関係で組み立てられているかを、訓読みの言い換えで見分けることです。目安時間は8分です。熟語を暗記するのではなく、「分け方」を身につけます。
今日の問い
「読書」と「新書」は、どちらも「書」で終わります。組み立ては同じでしょうか。
訓読みで言い換えてみます。
- 読書 → 書を読む
- 新書 → 新しい書
「読書」は「読む」という動作と、その対象の「書」の組み合わせです。「新書」は「新しい」が「書」を詳しくしています。同じ「書」でも、関係がちがいます。
二字熟語の五つの組み立て
| 組み立て | 言い換えの型 | 例 |
|---|---|---|
| ① 似た意味を重ねる | 「AもBも同じような意味」 | 温暖・思考・増加・豊富 |
| ② 反対・対の意味を並べる | 「AとB」 | 大小・高低・売買・往復 |
| ③ 上が下を修飾する | 「AなB」「AのB」 | 山道・急行・深海・親友 |
| ④ 下が上の動作の対象 | 「BをAする」 | 読書・登山・着席・開会 |
| ⑤ 主語と述語 | 「AがBする」 | 日没・地震・国立・市営 |
ほかに、上の字が下を打ち消す型(不安・無害・非常・未定)と、下に意味を添える型(美化・知的・酸性)があります。入試では、上の五つに打ち消しの型を加えた六つがよく問われます。
見分けるための言い換え
組み立ては、漢字を訓読みにして、間に助詞を入れると見えてきます。
| 熟語 | 言い換え | 組み立て |
|---|---|---|
| 登山 | 山に登る | ④ 動作と対象 |
| 地震 | 地が震える | ⑤ 主語と述語 |
| 海底 | 海の底 | ③ 修飾 |
| 寒暖 | 寒い・暖かい | ② 反対 |
| 豊富 | 豊か・富む | ① 似た意味 |
言い換えで「を」「に」が入れば④、「が」が入れば⑤、「の」「な」「い」が入れば③です。助詞が入らず、二つの意味が並ぶなら①か②です。
例題:「開会」と「国旗」
「開会」は「会を開く」。「を」が入るので④です。
「国旗」は「国の旗」。「の」が入るので③です。「国立」は「国が立てる」で⑤になるので、同じ「国」で始まっても組み立てはちがいます。
一字ずつの意味ではなく、二字の関係を見るのがこのセクションの中心です。
よくある間違い
漢字一字ずつの意味を足せば熟語の意味になると思う
「読書」を「読む+書」と足しても、どちらが動作でどちらが対象かは分かりません。関係を言い換えで確かめます。
似た意味と反対の意味を混同する
「善悪」は「善い・悪い」で反対です。「善良」は「善い・良い」で似た意味です。それぞれの字の意味を一度言ってから判断します。
上の字が何をしているかを見ない
「不安」の「不」は下を打ち消しています。「安」を修飾しているのではありません。「〜でない」と言い換えられたら打ち消しです。
自分で確かめよう
確認1:「着席」を言い換えて、組み立てを答えてください
「席に着く」。「に」が入るので、下が上の動作の対象(④)です。
確認2:「市営」はどの組み立てですか
「市が営む」。「が」が入るので、主語と述語(⑤)です。
確認3:「急行」と「往復」はそれぞれどの組み立てですか
「急行」は「急いで行く」で、上が下を修飾(③)。「往復」は「往く・復る」で、反対の意味を並べる(②)です。
まとめと次の一歩
二字熟語の組み立ては、訓読みで言い換えて、間に入る助詞で見分けます。「を・に」なら動作と対象、「が」なら主語と述語、「の・な・い」なら修飾、助詞が入らなければ似た意味か反対です。
次のレッスンでは、この言い換えを手順として一行ずつ使い、三字・四字の熟語にも広げます。
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