同訓異字を使い分けよう:文章・入試問題で使い切る
このレッスンの役割
ここは「同訓異字を使い分けよう」の出口です。対象と熟語で見分ける考え方、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、平仮名で示された語を文脈に合う漢字で書き、対象と熟語のどちらを根拠にしたか説明することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
同訓異字は、書き取りと誤字訂正の両方で出ます。書き取りでは「次の文の──線部を漢字に直しなさい」の形で、平仮名が同訓異字であることに気づけるかが試されます。誤字訂正では、文中の誤った漢字を見つけて正しい字に直します。
本番では次の順に考えます。
- 平仮名の語に同訓異字がないか疑う(はかる・おさめる・つとめる・あらわす・うつす・なおす・きく・あう・あげる・かえる・つくる)
- 対象を一語で言う
- 意味を言い換え、音読みの熟語に置きかえる
- 文に戻して自然か確かめる
- 決まった言い回しなら形で決める
総合問題
──線部を漢字に直し、根拠(対象か熟語)を書いてください。
問1
校庭の面積をはかる。
問2
税金を期日までにおさめる。
問3
彼は司会をつとめた。
問4
駅で友人にあう約束をした。
問5
次の文の漢字の誤りを一か所直しなさい。
新しい工場を作るために、資金の確保を図り、計画を練り直した。
答えと判断
問1
「測る」。対象が面積(広さ)で、「測量」「測定」の「測」です。
問2
「納める」。渡すべき税金を渡すので、「納税」「納入」の「納」です。「収める」は手に入れる、「治める」は統治、「修める」は学問です。
問3
「務めた」。司会という役目を果たすので、「任務」「職務」の「務」です。会社で働くなら「勤める」、努力するなら「努める」です。
問4
「会う」。人と顔を合わせるので「会談」「面会」の「会」です。「合う」は一致する、「遭う」は災難に出くわす、です。
問5
「作る」→「造る」。工場は大きな建造物なので「建造」の「造」です。「図り」は「意図」の「図」で正しく、「計画」も正しい使い方です。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「計る」 | 対象(面積=広さ)を見なかった | よくある誤りを見抜いて直す(型①) |
| 問2で「収める」 | 「渡す」と「手に入れる」の差を言えなかった | 判断手順を一行ずつ使う(段階2) |
| 問3で「勤めた」 | 役目と勤務の熟語を取り違えた | 判断手順を一行ずつ使う(段階3) |
| 問4で「合う」 | 対象が人であることを見なかった | 意味と手掛かりをつかむ |
| 問5で「図り」を直した | 正しい字を疑い、誤りを見逃した | よくある誤りを見抜いて直す |
文章の中で使う
記述問題でも同訓異字は採点されます。次の文には誤りが二つあります。
先生の話を注意深く効き、自分の考えを言葉に現した。
「効き」は「聴き」(意識して耳をかたむける)、「現した」は「表した」(考えを外に出す)です。書いたあとに、同訓異字の語だけを目的に一度読み返すと、点を守れます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 同訓異字の語か | はかる・おさめる・つとめる・あらわす・うつす・なおす・きく・あう・あげる・かえる・つくる |
| 対象を言ったか | 重さ/長さ/時間、物/病気、人/物 |
| 熟語に置きかえたか | 測定・納税・職務・会談・建造 |
| 決まった言い回しか | 式を挙げる・例を挙げる・気が利く |
| 文に戻して読んだか | 不自然なら候補に戻る |
よくある間違い
平仮名のまま読み流して、同訓異字だと気づかない
「はかる」「つとめる」を見たら、必ず候補が複数あると疑います。
一つ思い出せたらそれを書く
候補をすべて出してから、対象と熟語で選びます。
記述の中の同訓異字を見直さない
書き取りには気をつけても、記述の中では見落とします。読み返しのとき、同訓異字の語だけを目的に一度見ます。
自分で説明しよう
確認1:同訓異字を見分ける基本の方法
対象(何を・誰を)を言い、意味を言い換え、その字を使う音読みの熟語に置きかえ、文に戻して確かめます。
確認2:「はかる」の五つの字と対象
計る(時間・数)、測る(長さ・深さ・広さ・温度)、量る(重さ・かさ)、図る(計画する)、諮る(相談する)。
確認3:本文中の同訓異字の誤りを見つける手掛かり
対象と字の守備範囲が合わない、熟語に置きかえると文脈とずれる、言い回しが不自然、と感じたところです。
セクションの出口
入試形式で同訓異字を文脈に合わせて書き、対象と熟語の根拠を説明し、本文中の誤りにも気づけたら完了です。
次のセクション「間違えやすい漢字の形」では、読み書きの意味は分かっているのに、点や線、部品のちがいで落とす誤りを扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。