漢字のつくりから読みを推測しよう:文章・入試問題で使い切る
このレッスンの役割
ここは「漢字のつくりから読みを推測しよう」の出口です。形声文字の仕組み、四段階の手順、誤りの四つの型を、文章と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、初めて見る漢字の読みを答え、どの部品を手掛かりにしたか説明することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
漢字の読みの問題は、知っている語をそのまま問うことが多いです。しかし長文の中には、見たことのない熟語も出ます。そのとき、読めなくても意味が取れれば設問は解けますし、音符から読みの見当がつけば、音から語を思い出せることもあります。
本番では次の順に考えます。
- 語全体を知っていれば、そのまま読む
- 知らなければ、部品に分けて音符を探す
- 候補を作り、熟語として聞いたことがあるかを確かめる
- 読めなくても、部首ともう一方の漢字から意味を取って読解を進める
総合問題
答えだけでなく、どの部品を手掛かりにしたかも書いてください。
問1
次の文の「銘」の読みを答えなさい。
先生の言葉を心に銘じる。
問2
「訂正」の「訂」の読みと、音符を答えなさい。
問3
「妨害」の「妨」について、音符と、作るべき読みの候補を二つ答えなさい。
問4
次の漢字のうち、音符を持たない(形声文字でない)ものを一つ選びなさい。
晴・銅・林・飯
問5
次の文の「顧みる」の読みを答え、音符が使えない理由を説明しなさい。
過去の失敗を顧みて、計画を立て直した。
答えと判断
問1
「めい」。部品は「金」と「名」。「名(メイ)」が音符で、「心にメイじる=深く刻みこむ」という意味が通ります。
問2
「てい」。音符は「丁(テイ)」。「頂(チョウ)」のように変わる例もありますが、「テイセイ=直して正す」で意味が通るので「テイ」です。
問3
音符は「方(ホウ)」。候補は「ホウ」と、濁音の「ボウ」。「ボウガイ」で意味が通るので「ボウ」に決まります。
問4
「林」。木を二つ重ねた会意文字で、音符がありません。晴(青)、銅(同)、飯(反)はそれぞれ音符を持ちます。
問5
「かえりみる」。送り仮名があるので訓読みです。音符は音読みの手掛かりなので使えず、「ふり返る」という文脈の意味から読みます。
誤答を診断する
| 誤答 | 主な原因 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 「銘」を「キン」と読んだ | 部首を音符と取り違えた | 意味と手掛かりをつかむ |
| 「妨」を「ホウ」で止めた | 濁音の候補を作らなかった | 判断手順を一行ずつ使う |
| 「林」に音符を探した | 会意文字に手順を当てた | よくある誤りを見抜いて直す |
| 「顧」を「コみる」と読んだ | 訓読みに音符を使った | よくある誤りを見抜いて直す |
| 候補は合っていたが語を思い出せなかった | 語彙の不足。手順は正しい | 語彙のコースで熟語を増やす |
最後の行が大切です。手順が正しくて語を知らなかっただけなら、戻る場所は手順ではなく語彙です。
文章の中で使う
次の文章を読んで、「購」の意味と読みを考えてみましょう。
新しい機器を購入する前に、使う目的をはっきりさせることが大切だ。
「購」は「貝」と「冓」からできています。貝は、お金や財産に関係する部首です。「冓」を持つ漢字に「構(コウ)」「講(コウ)」があるので、候補は「コウ」。「コウニュウ」で、お金を払って手に入れる、という意味が通ります。
読みが出なくても、「貝=お金」と「入=手に入れる」から「買うこと」だと分かり、文章の理解は進みます。
よくある間違い
読めない漢字で止まって、文章を読み進めない
意味の見当がつけば読解は進みます。読みの確定は後回しでかまいません。
推測した読みを、確かめずに答案に書く
候補は文に戻して確かめます。意味が通らなければ書きません。
間違えた原因を分けない
手順が崩れたのか、語を知らなかったのかで、次にやる練習が変わります。
自分で説明しよう
確認1:形声文字の二つの部品の役割
一つは意味の仲間を表す部品(多くは部首)、もう一つは音読みを表す部品(音符)です。
確認2:候補を作ったあと、最後にすること
熟語や文に戻し、意味が通る読みを一つに決めます。聞いたことのない語になったら候補を広げます。
確認3:手順が使えない漢字の見分け方
部品がすべて意味を表していて、どこからも音が出てこない漢字(会意文字・象形文字)です。送り仮名の付いた訓読みにも使いません。
セクションの出口
初めて見る漢字を部品に分け、音符から候補を作り、文に戻して読みを決め、根拠を説明できたら完了です。
次のセクション「熟語の組み立てを理解しよう」では、漢字一字から熟語全体へ視点を広げ、二つの漢字がどう組み合わさって意味を作るかを扱います。
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