LESSON 01

漢字のつくりから読みを推測しよう

漢字のつくりから読みを推測しよう:判断手順を一行ずつ使う

音符から読みの候補を作り、濁音や母音の変化を考えに入れて、文に戻して確定するまでを一行ずつたどります。

漢字のつくりから読みを推測しよう:判断手順を一行ずつ使う

このレッスンの役割

前のレッスンで、形声文字は「意味の部品+音の部品」でできていることを知りました。ここでは、その知識を手順として動かします。

今回の中心技能は、初めて見る漢字について「部品に分ける → 音符を見つける → 候補を作る → 文で確かめる」を、飛ばさずに一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

次の文の「償」は、どう読むでしょうか。

損害を賠償する。

見たことがなくても、手順で候補が作れます。

手順を一行ずつ

段階 すること 「償」の場合
1 部品に分ける にんべん+賞
2 部首でない側を音符の候補とみる 「賞」
3 同じ部品を持つ知っている漢字から候補を作る 賞(ショウ)→ 候補「ショウ」
4 熟語に戻す 「バイショウ」。損害をつぐなう、という意味が通る

「ショウ」と仮決めして、文で確かめて確定です。段階3で「知っている漢字」を使うところが大切です。部品の名前を知らなくても、その部品を持つ漢字を一つ思い出せれば候補は作れます。

読みが少し変わる型を知っておく

音符の読みと、漢字の読みがぴったり同じとは限りません。よくある変化を知っておくと、候補を広げられます。

変化の型 音符 例
清音が濁音になる 方(ホウ) 防・坊・妨(ボウ)
頭の子音が変わる 支(シ) 技(ギ)・岐(キ)
母音が変わる 工(コウ) 空(クウ)
語末が変わる 昔(セキ) 借(シャク)・錯(サク)

候補を作るときは、「セイ、またはそれに近い音」とゆるく持っておきます。文に戻したとき、聞いたことのある語になれば確定できます。

例題1:「紡績」の「紡」

  1. 部品は「糸」と「方」
  2. 「糸」は部首(糸に関係する意味)。「方」が音符の候補
  3. 「方(ホウ)」「防(ボウ)」から、候補は「ホウ」または「ボウ」
  4. 「ボウセキ」と読むと、糸をつむぐ仕事という意味が通る。「ホウセキ」では意味のある語にならない

候補を二つ持っておいたので、文に戻したときに選べました。

例題2:「惜別」の「惜」

  1. 部品は「りっしんべん」と「昔」
  2. りっしんべんは心に関係する意味。「昔」が音符の候補
  3. 「昔(セキ)」から候補は「セキ」。「借(シャク)」のような変化も頭に置く
  4. 「セキベツ」。別れをおしむ、という意味が通る

りっしんべんから「気持ちに関係する」と分かるので、「おしむ」という意味とも合います。意味の部品と音の部品を両方使うと、確かめが強くなります。

「分からない」で止まらないための順番

音符が思い当たらないときは、次の順で切り替えます。

  1. 音符を持つ別の漢字を思い出せないか、もう一度探す
  2. 部首から意味の方向だけ決め、文脈で意味を推測する
  3. 熟語のもう一方の漢字から、語全体の意味を考える
  4. それでも決まらなければ保留し、他の設問へ進む

読みが分からなくても、意味が分かれば読解問題は解けることが多くあります。

よくある間違い

段階3を飛ばして、いきなり読みを言う

「なんとなくショウ」ではなく、「賞がショウだからショウ」と根拠を言います。根拠があれば、間違えたときに戻る場所が分かります。

候補を一つしか作らない

濁音や母音の変化を考えず「ホウセキ」で止まると、意味が通らないまま進んでしまいます。候補は二つまで持ちます。

文に戻さない

「ボウ」と仮決めしただけでは終わりません。熟語として意味が通るかを確かめて、初めて確定です。

自分で確かめよう

確認1:「胴体」の「胴」を手順で読んでください

部品は「にくづき」と「同」。にくづきは体に関係する意味、「同(ドウ)」が音符。候補「ドウ」。「ドウタイ」で体の中心部分という意味が通ります。

確認2:「妨害」の「妨」で、候補を二つ作るとしたら何と何ですか

音符「方(ホウ)」から「ホウ」と、濁音の「ボウ」です。「ボウガイ」で、じゃまをするという意味が通ります。

確認3:段階4でやることを一文で言ってください

作った読みの候補を熟語や文に戻し、意味が通る読みを一つに決めることです。

まとめと次の一歩

手順は、部品に分ける、音符を見つける、知っている漢字から候補を作る、文で確かめる、の四段階です。濁音や母音の変化を頭に置いて、候補は二つまで持ちます。

次のレッスンでは、この手順でよく起きる間違いを集めて、どの段階で崩れたかを自分で見つけられるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:音符から読みを推測する手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「賠償」の「償」を「ショウ」と仮決めする根拠として正しいものはどれですか。
  2. 設問 1
    「紡績」の「紡」で、音符「方」から作るべき読みの候補の組み合わせはどれですか。
  3. 設問 2
    読みを推測する手順の段階4(最後)ですることは何ですか。
  4. 設問 3
    「惜別」の「惜」のりっしんべんは、何に関係する意味を表していますか。
  5. 設問 4
    音符を持つ漢字がすぐに思い当たらないとき、最初にすることはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。