同音異義語を書き分けよう:文章・入試問題で使い切る
このレッスンの役割
ここは「同音異義語を書き分けよう」の出口です。字の意味で見分ける考え方、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、片仮名で示された語を文脈に合う漢字で書き、どの字の意味を根拠にしたか説明することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
同音異義語は、書き取りで最も差がつく分野です。出題の形は三つあります。
- 片仮名を漢字に直す(文脈から選ぶ)
- 文中の漢字の誤りを指摘して直す
- 同じ読みの熟語の意味のちがいを説明する
どの形でも、文脈を言い換えてから、ちがう字の意味で選びます。
総合問題
片仮名を漢字に直し、根拠にした字の意味を書いてください。
問1
事故の損害をホショウする。
問2
彼の意見は私のとはタイショウ的だ。
問3
研究のカテイで新しい事実が分かった。
問4
大会に向けてキカイを整備する。
問5
次の文の漢字の誤りを一か所直しなさい。
作品の感想を述べるときは、作者の意思ではなく、自分がどう感じたかに感心を向けよう。
答えと判断
問1
「補償」。損を埋め合わせる文脈なので、償=つぐなう。
問2
「対照」。「〜的だ」と続き、比べて反対だという意味なので、照=照らし合わせる。「対象」「対称」ではありません。
問3
「過程」。研究が進む途中の道すじなので、過=すぎる、程=道のり。「課程」は学校で学ぶ内容の区切り(教育課程)です。
問4
「機械」。整備するのは動力で動く装置なので「機械」。「器械」は手で扱う小さな道具、「機会」はチャンスです。
問5
「感心」→「関心」。「〜を向ける」と続き、興味の意味なので「関心」です。「意思」は本人の考えという意味で、ここでは正しい使い方です。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「保証」 | 文脈を言い換えず見慣れた字を書いた | 判断手順を一行ずつ使う(段階1) |
| 問2で「対象」 | 言い回し「〜的」を見なかった | よくある誤りを見抜いて直す(型④) |
| 問3で「課程」 | 近い意味の差を一語で言えなかった | よくある誤りを見抜いて直す(型③) |
| 問4で「機会」 | ちがう字の意味を確かめなかった | 意味と手掛かりをつかむ |
| 問5で「意思」を直した | 正しい語を疑い、誤りを見逃した | 判断手順を一行ずつ使う(段階4) |
文章の中で使う
読解問題の本文にも同音異義語は出ます。次の文の「追及」は正しいでしょうか。
筆者は、豊かさとは何かを追及し続けた。
「何かを深く調べ考える」という文脈なので「追究」が正しく、「追及」(責任を問いつめる)は誤りです。読んでいて意味が通らないと感じたら、同音異義語の取り違えを疑うと、文章の意味を取り直せます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 文脈を自分の言葉で言い換えたか | 「守る」「請け合う」「埋め合わせる」など |
| 候補をすべて並べたか | 二つ以上あるなら全部 |
| ちがう字の意味を言ったか | 訓読み・別の熟語・対になる字 |
| 言い回しに合うか | 〜を持つ/〜する/〜的な |
| 文に戻して読んだか | 不自然なら候補に戻る |
よくある間違い
一つ思い出せたらそれを書く
候補が他にないか、必ず確かめます。同音異義語は「他にもあるはず」と疑うことから始まります。
文脈が二通りあるのに決めつける
「ホショウ」のように文脈で答えが変わる語は、言い換えをはっきりさせます。
本文の誤りに気づかず読み進める
読解の中で意味が通らないときは、同音異義語の取り違えを疑います。
自分で説明しよう
確認1:同音異義語を見分ける基本の方法
文脈を自分の言葉で言い換え、候補を並べ、ちがう字の意味を訓読みや別の熟語で確かめ、言い回しと文に戻して決めます。
確認2:「機械・器械・機会」の分け方
機械は動力で動く装置、器械は手で扱う道具、機会はチャンス。「械」があれば物、「会」なら時です。
確認3:本文中の漢字の誤りを見つける手掛かり
意味が通らない、言い回しが不自然、と感じたところで、同じ音の別の熟語を考えます。
セクションの出口
入試形式で同音異義語を文脈に合わせて書き、根拠の字の意味を説明し、本文中の誤りにも気づけたら完了です。
次のセクション「同訓異字を使い分けよう」では、同じ訓読みを持つ漢字(計る・測る・量る)を、対象や意味のちがいから書き分けます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。