LESSON 01

漢字のつくりから読みを推測しよう

漢字のつくりから読みを推測しよう:よくある誤りを見抜いて直す

部首と音符の取り違え、音符だけでの断定、音符のない漢字への適用など、推測が崩れる型を見分けて直します。

漢字のつくりから読みを推測しよう:よくある誤りを見抜いて直す

このレッスンの役割

手順を知っていても、途中のどこかで崩れると、自信を持った間違いになります。ここでは、形声文字の推測でよく起きる誤りを四つの型に分け、どの段階で崩れたかを見つけて直します。

今回の中心技能は、誤答を見て「部品の分け方」「音符の選び方」「候補の確かめ方」「そもそも使えるか」のどこが原因かを言えることです。目安時間は8分です。

今日の問い

ある人が「閉店」の「閉」を「モンテン」と読みました。どこで崩れたのでしょうか。

「門」を音符だと考えたのです。たしかに「問(モン)」「聞(ブン・モン)」では「門」が音符として働きます。しかし「閉(ヘイ)」では「門」は意味の部品で、「とびらを閉じる」という意味の仲間を表しています。同じ部品でも、漢字によって役割が変わることがあります。

誤りの四つの型

型 起きていること 見抜く合図 直し方
① 部首と音符の取り違え 意味の部品を音符として読む 読みが部首の音と同じになっている もう一方の部品で候補を作り直す
② 音符だけで断定 候補を確かめずに答える 熟語として意味が通らない 濁音・母音の変化を含めて候補を増やし、文に戻す
③ 音符のない漢字に使う 会意・象形の漢字に手順を当てる どの部品からも音が出てこない 部首で意味だけ決め、語全体の意味から考える
④ 訓読みに当てる 音符から訓読みを出そうとする 送り仮名が付いている 音符は音読み専用。訓読みは意味から考える

型①を直す:どちらが音符か迷ったら

部首になりやすい部品(さんずい、にんべん、きへん、くさかんむり、金、日、月、糸、言、心)は、ほとんどの場合意味の部品です。残ったほうを音符の候補にします。

ただし「門」「口」「田」のように、漢字によって役割が変わる部品もあります。迷ったら、両方で候補を作り、文に戻して意味が通るほうを取ります。

「問題」の「問」 → 門(モン)が音符、口が意味。「モンダイ」で通る 「閉店」の「閉」 → 門が意味、才の部分から「ヘイ」。「ヘイテン」で通る

型②を直す:候補は確かめて初めて答えになる

「紅」の音符は「工(コウ)」です。「コウ」と断定すると「紅茶(コウチャ)」は正しいのですが、「真紅(シンク)」「紅葉(コウヨウ/もみじ)」のように、語によって読みが変わります。

候補を作ったあと、その語を聞いたことがあるかを確かめます。聞いたことのない語になったら、候補を広げるか、別の読みを疑います。

型③を直す:手順が使えない漢字を見分ける

漢字 つくり 読みの手掛かり
明 日+月(意味+意味) 音符なし。「あかるい」という意味から
林 木+木 音符なし
休 人+木 音符なし
鳴 口+鳥 音符なし

部品がどれも意味を表していて、どこからも音が出てこないときは、会意文字の可能性が高いです。手順を無理に当てず、意味から語を考えます。

型④を直す:訓読みは別の道

「省みる」「顧みる」「試みる」のように送り仮名が付いていれば訓読みです。音符は音読みの手掛かりなので、ここでは使いません。訓読みは、部首が示す意味と、文の中での意味から考えます。

例題:どの型か

ある人の答えを見て、型を当ててください。

「販売」の「販」を「ハンバイ」と読んだが、「版画」の「版」を「ボクガ」と読んだ。

「販」は正しく読めています。「版」は音符「反(ハン)」ではなく、部首の「片」を無理に音にしようとした型①です。「反」で候補を作り直せば「ハンガ」になります。

よくある間違い

間違えた理由を「覚えていなかった」で済ませる

覚えていない語でも、手順が正しければ候補は作れます。覚えていないことと、手順が崩れたことは別です。

一度うまくいった部品を、どの漢字でも同じ役割だと思う

「門」は「問」では音符、「閉」では意味の部品です。漢字ごとに確かめます。

候補が一つしか出ないと、それを答えにしてしまう

意味が通らなければ、その候補は捨てて、濁音や母音の変化、別の部品を試します。

自分で確かめよう

確認1:「聞」を「ヘイ」と読んだ誤りはどの型ですか

型①です。「聞」では「門(モン)」が音符で、「ブン」「モン」と読みます。「閉(ヘイ)」と混同して、部品の役割を取り違えています。

確認2:「森」の読みを音符から考えようとするのは、なぜ無理ですか

「森」は木を三つ重ねた会意文字で、音符がないからです(型③)。意味から「シン」「もり」を思い出します。

確認3:「省みる」を「セイみる」と読んだ誤りを直してください

送り仮名があるので訓読みです(型④)。「自分の行いをふり返る」という意味から「かえりみる」と読みます。

まとめと次の一歩

誤りは、部品の役割の取り違え、候補の未確認、音符のない漢字への適用、訓読みへの誤用、の四つに分けられます。どの型かが分かれば、戻る段階が決まります。

次のレッスンでは、文章と入試形式の問題で、ここまでの手順と誤りの診断を通して使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:形声文字の推測で起きる誤り

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「閉店」の「閉」を「モン」と読んだ誤りは、どの型にあたりますか。
  2. 設問 1
    「森」の読みを音符から考えようとするのが無理なのはなぜですか。
  3. 設問 2
    「省みる」に音符を使えないのはなぜですか。
  4. 設問 3
    「紅」を音符「工」から「コウ」と断定することの問題点はどれですか。
  5. 設問 4
    次のうち、意味の部品(部首)として働くことが多い部品はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。