熟語の組み立てを理解しよう:判断手順を一行ずつ使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、二字熟語の組み立てを言い換えで見分けることを知りました。ここでは、その見分け方を手順にして、迷う熟語でも同じ順で判断できるようにします。
今回の中心技能は、熟語を「各字の訓読み → 助詞を入れて言い換え → 型に当てはめ → 意味で確認」の四段階で分類することです。目安時間は9分です。
今日の問い
「人造」はどの組み立てでしょうか。
「人の造」と読むと修飾のようにも見えます。しかし「人が造る」と言い換えると、主語と述語です。「人造人間」「人造湖」のように、「人が造った」という意味で使われるので、⑤主語と述語が正しい分け方です。言い換えは一つ試して終わりではなく、意味の通るほうを選ぶところまでが手順です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「人造」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 各字を訓読みにする | 人(ひと)・造(つくる) |
| 2 | 助詞を入れて言い換える | 人の造/人が造る |
| 3 | 型に当てはめる | 「が」が入る → ⑤主語と述語 |
| 4 | 熟語の意味で確かめる | 「人が造った」という意味で使う → 確定 |
段階1で訓読みが出ない字(「非」「的」など)は、「〜でない」「〜のような」と意味で置きかえます。
例題1:「豊富」
- 豊(ゆたか)・富(とむ)
- 「豊かで富む」。助詞で結ぶより、意味が並ぶ
- 二つの意味が近い → ①似た意味
- 「たくさんある」という意味 → 確定
例題2:「非常」
- 非(〜でない)・常(つね)
- 「常でない」
- 上が下を打ち消す → 打ち消しの型
- 「ふつうでない」という意味 → 確定
打ち消しの字は「不・無・非・未」の四つです。この四つで始まる熟語は、まず打ち消しを疑います。
三字・四字熟語に広げる
三字以上の熟語は、まず「どこで切れるか」を決めます。
| 熟語 | 切れ目 | 組み立て |
|---|---|---|
| 新製品 | 新+製品 | 一字が二字を修飾 |
| 不可能 | 不+可能 | 一字が二字を打ち消す |
| 衣食住 | 衣・食・住 | 三つを並べる |
| 松竹梅 | 松・竹・梅 | 三つを並べる |
| 一進一退 | 一進+一退 | 二字+二字で反対を並べる |
| 温故知新 | 温故+知新 | 二字+二字(故きを温ね、新しきを知る) |
二字に切れたら、あとは二字熟語の手順で分けます。四字熟語は「二字+二字」に切れることがほとんどです。
言い換えで迷ったときの決め方
同じ熟語でも、二通りに言い換えられることがあります。
「国立」 → 国の立(修飾?) / 国が立てる(主述?)
意味で決めます。「国立大学」は「国が設立した大学」です。「国の立」では意味になりません。したがって⑤主語と述語です。言い換えが二つ出たら、実際に使われている意味に合うほうを取ります。
よくある間違い
段階1を飛ばして熟語の意味だけで決める
「読書」を「本を読むこと」と知っていても、組み立てを問われたら「書を読む」と言い換えて根拠を示します。
助詞を一つしか試さない
「の」で通りそうでも、「が」「を」でも試して、意味の通るほうを選びます。
三字熟語を一字ずつ分ける
「新製品」を「新・製・品」と分けると関係が見えません。まず二字のまとまりを探します。
自分で確かめよう
確認1:「帰国」を四段階で分けてください
帰(かえる)・国(くに) → 「国に帰る」 → 「に」が入るので④動作と対象 → 「自分の国に帰る」という意味で確定。
確認2:「未完」はどの型ですか
未(まだ〜ない)・完(おわる) → 「まだ完わらない」 → 上が下を打ち消す型。
確認3:「大器晩成」を切ってから分けてください
「大器+晩成」に切れます。大器は「大きな器」で修飾、晩成は「晩く成る」で修飾。二字+二字で、「大きな器は遅くできあがる」という意味です。
まとめと次の一歩
手順は、訓読み、助詞を入れた言い換え、型への当てはめ、意味での確認、の四段階です。三字以上はまず切れ目を決めてから同じ手順を使います。
次のレッスンでは、この手順でよく起きる取り違えを集め、どこで崩れたかを見抜けるようにします。
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