同音異義語を書き分けよう:判断手順を一行ずつ使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、同音異義語はちがう字の意味で見分けることを知りました。ここでは、その見分け方を手順にして、知らない組に出会っても同じ順で判断できるようにします。
今回の中心技能は、「文脈の意味を言い換える → 候補を並べる → ちがう字の意味を確かめる → 文に戻す」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
「事件の真相をツイキュウする」のツイキュウは、「追求」「追究」「追及」のどれでしょうか。
手順で決めます。文脈は「真相を深く調べて明らかにする」です。候補は三つ。ちがう字は「求・究・及」で、「求=手に入れようとする」「究=きわめる、深く調べる」「及=及ぶ、責任を問う」です。「深く調べる」に合うのは「究」なので「追究」です。文に戻して「真相を追究する」で自然です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「ツイキュウ」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 文脈の意味を自分の言葉で言い換える | 真相を深く調べて明らかにする |
| 2 | 同じ音の候補を並べる | 追求・追究・追及 |
| 3 | ちがう字の意味を、訓読みや別の熟語で確かめる | 求める/究める(研究)/及ぶ(言及) |
| 4 | 段階1の意味に合う字を選び、文に戻す | 究 → 追究。「真相を追究する」で自然 |
段階1を先にやるのが大切です。候補を見てから意味を考えると、見慣れた字に引っぱられます。
例題1:「アンケートにカイトウする」
- 質問に返事をする
- 回答・解答
- 回=返す(回収・回信)/解=解く(解決・解法)
- 返事なので「回答」。「問題に解答する」なら「解答」
例題2:「セイサンを済ませる」
- 文脈が二通りありうる。「料金をセイサンする」なら細かく計算して払う、「過去をセイサンする」なら片を付ける
- 精算・清算
- 精=細かい(精密)/清=きれいにする、片付ける(清掃)
- 料金なら「精算」、過去や借金なら「清算」
文脈によって答えが変わる組です。段階1で文脈をはっきり言い換えると、迷いません。
例題3:「部署のイドウが発表された」
- 勤め先の中で配置が変わる
- 異動・移動
- 異=ちがう、変わる(異なる)/移=場所をうつす(移転)
- 配置や役職が変わるので「異動」。場所を動くだけなら「移動」
段階3で使う「字の確かめ方」
ちがう字の意味を言うには、三つの方法があります。
| 方法 | やること | 例 |
|---|---|---|
| 訓読みにする | その字を日本語で読む | 究=きわめる、及=およぶ |
| 別の熟語を思い出す | その字を使う知っている語 | 研究・言及・要求 |
| 反対の字を思い出す | 対になる字 | 回答↔質問、解答↔問題 |
一つで決まらなければ、二つ目を試します。
文脈を言い換えるときの型
| 言い換え | 選ぶ字 |
|---|---|
| 「〜を守る」「〜から守る」 | 保障(障=さまたげを防ぐ) |
| 「確かだと請け合う」 | 保証(証=あかし) |
| 「損を埋め合わせる」 | 補償(償=つぐなう) |
| 「興味がある」 | 関心 |
| 「えらいと感じる」 | 感心 |
| 「比べる」 | 対照 |
| 「相手・目標」 | 対象 |
| 「つり合う」 | 対称 |
よくある間違い
段階1を飛ばして候補から選ぶ
「カイトウ」と見た瞬間に「解答」と書くと、返事の意味のときに間違えます。先に文脈を言い換えます。
ちがう字でなく共通の字を確かめる
「追」の意味を考えても、三つは分けられません。ちがう字「求・究・及」を見ます。
文に戻さない
選んだあと「真相を追及する」と読んでみて、「責任を問いつめる」という意味になって不自然だと気づけます。
自分で確かめよう
確認1:「不正の責任をツイキュウする」を四段階で
責任を問いつめる → 追求・追究・追及 → 及=及ぶ、問い詰める(言及) → 「追及」。「責任を追及する」で自然です。
確認2:「席をイドウする」はどちらですか
場所を動くだけなので「移動」です。役職や配置が変わるときが「異動」です。
確認3:段階3で字の意味が出てこないとき、何をしますか
その字を使う別の熟語か、対になる字を思い出します。「究」なら「研究」、「及」なら「言及」です。
まとめと次の一歩
手順は、文脈の言い換え、候補を並べる、ちがう字の意味を確かめる、文に戻す、の四段階です。段階1を先にすることで、見慣れた字に引っぱられずにすみます。
次のレッスンでは、同音異義語でよく起きる取り違えを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
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