LESSON 01

教科で使う漢字と語彙

教科で使う漢字と語彙:文章・入試問題で使い切る

国語の入試で出る教科語の読み書きと、教科書の説明文の読み取りで、組み立てと定義から意味を取る力を通して使います。

教科で使う漢字と語彙:文章・入試問題で使い切る

このレッスンの役割

ここは「教科で使う漢字と語彙」の出口です。教科語の三つの特徴、四段階の手順、誤りの四つの型を、国語の入試問題と教科書の文章で通して使います。

中心技能は、教科語を正しく読み書きし、組み立てと定義から意味を取って、説明文を正確に読むことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

国語の入試では、教科語が二つの形で出ます。

  1. 漢字の読み書き:「供給」「貿易」「蒸発」「憲法」「証明」などが、ふつうの熟語と同じように出題される
  2. 説明文の読解:科学や社会を扱った文章の中で、教科語の意味が分かっていないと内容が取れない

本番では次の順に考えます。

  1. 読み書きなら、音符と熟語の手掛かりで読みを決め、部品の意味で字形を決める
  2. 読解なら、組み立てで見当をつけ、文章中の説明(定義)で確定する
  3. 対になる語が出たら、境目を言ってから読み進める
  4. 日常の意味で読んで文意がずれたら、教科の意味に切り替える

総合問題

問1

次の──線部の読みを平仮名で書きなさい。

需要と供給の関係で価格が決まる。

問2

次の片仮名を漢字に直しなさい。

水がジョウハツして空気中に出ていく。

問3

次の片仮名を漢字に直しなさい。

国の基本を定めたケンポウを学ぶ。

問4

次の文の「仮定」の意味として、文脈に合うものを選びなさい。

三角形ABCで、AB=ACを仮定とし、∠B=∠Cを結論として証明する。

ア もしもの話として イ 与えられた条件として ウ 仮に決めた答えとして

問5

次の文を読み、「抽象」の意味を文中の説明から答えなさい。

多くの具体的な事例から、共通する性質だけを取り出して考えることを抽象という。「りんご」「みかん」から「果物」を取り出すのがその例である。

答えと判断

問1

「じゅよう」「きょうきゅう」。「需」はジュ(必需)、「供」はキョウ(提供)。対になる語で、買いたい量と売りたい量です。

問2

「蒸発」。蒸す+発する。「発」は「発生」の発で、「蒸発」が正しい形です。

問3

「憲法」。「憲」はりっしんべんを含む形で、「法」はさんずい。国の最高法規です。

問4

イ。数学の証明では、仮定は「与えられた条件」で、「もしも」ではありません。日常の意味(ア)で読むと証明の流れが分からなくなります。

問5

「多くの具体的な事例から、共通する性質だけを取り出して考えること」。文中に定義が書かれているので、それをそのまま使います。「あいまい」という日常の意味ではありません。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「じゅよう」を「しゅよう」 読みの誤り よくある誤りを見抜いて直す(型④)
問2で「蒸発」を「上発」 似た音の別の字 判断手順を一行ずつ使う(段階1)
問4でア 日常の意味で読んだ 意味と手掛かりをつかむ
問5で「あいまいなこと」 文中の定義で確定しなかった 判断手順を一行ずつ使う(段階3)

教科書の文章を読む

教科書の説明文は、教科語の定義を本文の中に書いています。次は理科の教科書の一節です。

液体が表面から気体に変わる現象を蒸発という。一方、液体の内部からも気体が発生する現象を沸騰といい、このときの温度を沸点という。

「蒸発」と「沸騰」が対で説明され、「沸点」まで定義されています。読むときは、「〜を〜という」の形を見つけて定義を取り、対になる語の境目(表面から/内部からも)に線を引きます。国語の説明文でも、同じ「〜を〜という」の形で語が定義されるので、この読み方はそのまま使えます。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
読みは熟語で固定したか 需(必需)・供(提供)・凝(凝視)
字形は部品の意味に合っているか 堆(土)・融(鬲)・憲(心)
教科の定義で読んだか 仮定・圧力・抽象・供給
対になる語の境目を言ったか 震源/震央、歳入/歳出
文中の「〜を〜という」を見つけたか 定義は本文にある

よくある間違い

教科語は教科のテストだけのものと思う

国語の読み書きと読解でも出ます。国語の語彙として扱います。

読解で日常の意味のまま進む

「仮定」「抽象」「供給」で文意がずれたら、教科の意味に切り替えます。

本文中の定義を読まずに自分の知識で答える

説明文では、定義は本文に書かれています。本文の定義が根拠です。

自分で説明しよう

確認1:教科語の三つの特徴

教科の中で意味が一つに決まる、日常の意味とずれることがある、漢字の組み立てから意味の見当がつく、です。

確認2:教科語を身につける四段階

読みを決める、組み立てで見当をつける、定義で確定する、対になる語と並べて例文を作る、です。

確認3:説明文で教科語の定義を見つける手掛かり

「〜を〜という」「〜とは〜である」の形です。対になる語は「一方」「これに対して」で並べられます。

セクションの出口

国語の入試で教科語を読み書きし、説明文の中で組み立てと定義から意味を取り、対になる語の境目を言えたら完了です。

次のセクション「説明文・論説文の抽象語」では、教科語よりさらに広く、入試の説明文を支える抽象的な漢字語(概念・根拠・対比など)を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:教科語を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「需要」の読みはどれですか。
  2. 設問 1
    「水がジョウハツして空気中に出ていく」のジョウハツはどれですか。
  3. 設問 2
    「国の基本を定めたケンポウ」のケンポウはどれですか。
  4. 設問 3
    「AB=ACを仮定とし」の「仮定」の意味はどれですか。
  5. 設問 4
    説明文の中で語の定義を見つける手掛かりになる形はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。