LESSON 01

根拠の種類を知ろう

根拠の種類を知ろう:具体と抽象を往復する

主張を決める、根拠を全部取り出して六種に分類する、各根拠の強さを二軸で判定する、不足している種類と補い方を言うという四段階で、根拠の構成を点検する手順を一行ずつ使います。

根拠の種類を知ろう:具体と抽象を往復する

このレッスンの役割

前のレッスンで、根拠の六種と強さの軸を知りました。ここでは、一つの文章の根拠を全部取り出し、分類し、強さを判定し、何が足りないかを言う手順を一つに決めます。読むときは筆者の根拠を評価し、書くときは自分の根拠を補うために使います。

今回の中心技能は、「主張を決める → 根拠を全部取り出して分類する → 強さを二軸で判定する → 不足と補い方を言う」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

学校の掃除は、生徒自身が行うべきだ。自分の使う場所を自分で整える態度が育つからだ。私も中学時代、掃除を通して教室を大切にするようになった。海外から来た教師は、日本の生徒の掃除する姿に驚いたという。

手順で点検します。主張:生徒自身が掃除すべき。根拠:態度が育つ(理由)、私も大切にするようになった(経験)、海外の教師が驚いた(観察・伝聞)。強さ:理由は中、経験は弱い、観察は中。不足:数値(掃除の有無と態度の調査)、専門家(教育学の見解)。補い方:「掃除を経験した生徒は公共の場所を汚さない傾向が強いという調査」を加える。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 主張を決める 生徒自身が掃除すべき
2 根拠を全部取り出して六種に分類する 理由、経験、観察
3 各根拠の強さを二軸で判定する 中、弱、中
4 不足している種類と補い方を言う 数値・専門家がない → 調査を加える

段階2:取り出し方

合図 種類
からだ、ため、なぜなら 理由
たとえば、ある〜では 具体例
私は、私も、かつて 経験
〜を見ると、〜が多い、〜という 観察(伝聞を含む)
数字、割合、倍 数値
研究者、専門家、〜によれば 専門家

主張を支えていない文(譲歩・補足)は根拠に数えません。

段階3:判定表

根拠 種類 確かめられる 範囲 強さ
態度が育つ 理由 △ 広い 中
私も大切にするようになった 経験 × 狭い 弱
海外の教師が驚いた 観察(伝聞) △ 中 中

段階4:不足の見つけ方

主張の種類 必要な根拠
効果がある(〜は〜を育てる) 数値(効果の測定)、専門家
すべきだ(提案) 理由+効果の根拠
〜である(事実の主張) 数値、観察

主張が「効果」や「事実」なら、確かめられる根拠(数値・出典のある具体例)が要ります。理由と経験だけでは、主張の範囲を覆えません。

例題:根拠がそろった文章

手書きは記憶を深める。内容を自分の言葉に直すからだ(理由)。ある実験では手書きの学生の点が十二点高かった(数値)。私自身、手書きで覚えた単語は忘れにくい(経験)。研究者も書く動作が記憶を助けると述べている(専門家)。

段階 内容
1 手書きは記憶を深める
2 理由、数値、経験、専門家
3 中、強、弱、強
4 不足なし。数値と専門家が主張の範囲を覆い、理由と経験が補っている

読むときと書くときの使い方

場面 使い方
読む(設問「根拠を種類ごとに」) 段階2の分類をそのまま答える
読む(設問「根拠として不十分な点」) 段階4の不足を答える
書く(意見文) 段階4で自分の根拠の不足を見つけ、補う

よくある間違い

段階2で譲歩を根拠に数える

「確かに掃除は時間を取る」は主張を支えていません。

段階3で「本当のこと」を強いと判定する

強さは「確かめられるか」「範囲」です。本当でも一人の経験は弱い。

段階4を省く

根拠が三つあっても、全部弱ければ主張は支えられていません。

自分で確かめよう

確認1:「生徒自身が掃除すべき」の文章に不足している根拠の種類

数値(調査)と専門家の見解。

確認2:主張が「効果がある」のとき、必要な根拠

数値(効果の測定)、専門家。

確認3:根拠が三つあっても主張が弱いのはどんなときですか

全部が弱い種類(経験・観察のみ)で、確かめられる根拠がないとき。

まとめと次の一歩

手順は、主張を決める、根拠を分類する、強さを判定する、不足と補い方を言う、の四段階です。主張の種類に応じて、必要な根拠の種類が決まります。

次のレッスンでは、根拠の種類に関わる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:根拠の構成を点検する

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    根拠の構成を点検する四段階の段階4はどれですか。
  2. 設問 1
    「確かに掃除は時間を取る」を根拠に数えることについて正しいものはどれですか。
  3. 設問 2
    主張が「〜は効果がある」のとき、必要な根拠の種類はどれですか。
  4. 設問 3
    「生徒自身が掃除すべきだ。態度が育つからだ。私も教室を大切にするようになった。海外の教師が驚いたという」に不足している種類はどれですか。
  5. 設問 4
    意見文を書くときにこの手順を使う理由はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。