LESSON 01

抽象・具体と根拠マスターチェック

抽象・具体と根拠マスターチェック:根拠のずれを直す

コース全体の誤りを「抽象度の段を間違える」「役割を取り違える」「根拠の確かさを見誤る」「構造を崩す」の四つの大きな型にまとめ、各セクションの誤りの型をその下に対応づけて、答案を自分で診断して直す手順を確かめます。

抽象・具体と根拠マスターチェック:根拠のずれを直す

このレッスンの役割

各セクションで「誤りの四つの型」を学びました。ここでは、それら全部を四つの大きな型にまとめます。自分の答案が減点されたとき、「どの大きな型の、どの小さな型か」が言えれば、戻るレッスンが決まり、同じ誤りを繰り返さなくなります。

今回の中心技能は、答案の誤りを四つの大きな型に分類し、その下の小さな型を言い、直せることです。目安時間は9分です。

今日の問い

「若者は行事を嫌っているのではなく入り口を知らない」の根拠を問われて、「祭りの参加者の平均年齢は上がり続けているから」と答えた人がいます。どの大きな型でしょうか。

「平均年齢が上がっている」は「確かに」の後の譲歩で、主張の「嫌っていない」と向きが合いません。大きな型②「役割を取り違える」の中の「譲歩を根拠に」です。根拠は「誘われたことがないが五割」。

四つの大きな型

大きな型 起きていること その下の小さな型
① 抽象度の段を間違える 上げすぎ、下げすぎ、段を飛ばす 共通点の上げすぎ・狭すぎ、具体化の要素落ち・範囲外、要約の上げすぎ・例が残る
② 役割を取り違える 主張・根拠・例・譲歩を混同 例を主張に、譲歩を根拠に、根拠と例の混同、「たとえば」の後を主張に、引用を筆者の考えに
③ 根拠の確かさを見誤る 弱い根拠を強いと思う、推測を事実と思う 推測を事実に、一部から全体、前後を因果に、相関を因果に、逆の向き、第三の原因、言い換えを理由に
④ 構造を崩す 向き・層・つながりが壊れている 矢印の向きが逆、層の取り違え、接続語とのずれ、「〜ので」の前後が逆、根拠の数・字数の指示違反

大きな型①を直す

小さな型 確かめ方 直し方
上げすぎ 元の具体に戻せるか 一段下げて要素を含む語に
狭すぎ 全部の具体に当てはまるか 一段上げる
要素落ち 抽象の要素を全部含むか 落ちた要素を足す
例が残る 固有名詞・個別の物があるか 抽象語に置き換える

共通の道具は「抽象度の階段を一段ずつ」です。

大きな型②を直す

小さな型 確かめ方 直し方
譲歩を根拠に 「確かに」があるか、向きが反対か 「しかし」の後に移る
例を主張に 「たとえば」の後か、固有名詞か 「つまり」の後、文末の断定を探す
引用を筆者の考えに 「と言われる」があるか 筆者が反論している文を探す
根拠と例の混同 「どの主張を・何を示して・どのように」 役割で言い直す

共通の道具は「接続語と文末」です。

大きな型③を直す

小さな型 確かめ方 直し方
推測を事実に 文末(だろう・と考えられる) 推測と書き、支える事実を探す
一部から全体 根拠の範囲と主張の範囲 範囲を狭めるか、広い根拠を足す
前後を因果に 相関と他の原因の排除があるか 三条件を確かめる
第三の原因 AとBの両方を起こすものはないか 固定して比べた記述を探す

共通の道具は「文末と三条件」です。

大きな型④を直す

小さな型 確かめ方 直し方
矢印の向きが逆 先が具体になっていないか 根拠→主張
「〜ので」の前後が逆 前が根拠、後が主張か 入れ替える
接続語とのずれ 「つまり」の後がまとめか、「だから」に飛躍がないか 共通点を取り直す、段を補う
指示違反 字数・本文の言葉・数・文末 書いた後に一つずつ照らす

共通の道具は「図と指示の照合」です。

診断の手順

段階 問い
1 答案に例・固有名詞が残っているか、要素が落ちているか → 型①
2 答案が「確かに」「たとえば」「と言われる」の文から来ているか → 型②
3 答案の根拠が推測か、範囲が狭いか、因果の三条件を欠くか → 型③
4 向き・層・接続語・指示は合っているか → 型④

一つの答案が二つの型にまたがることもあります。両方直します。

例題:診断する

要約の答案:「祭りの参加者は高齢化しているので、若者に声をかけるべきだ。」

段階1:例はない。要素「嫌っていない・入り口を知らない」が落ちている → 型①(要素落ち)。段階2:「高齢化」は譲歩②から来ている → 型②(譲歩を根拠に)。直し:「若者は行事を嫌うのではなく入り口を知らないので、直接来てほしいと伝える仕組みを作るべきだ。」

よくある間違い

減点されたら本文を読み直すだけ

どの型かを言わないと、同じ誤りを繰り返します。診断の四段階を通します。

型を一つ見つけたら診断をやめる

二つ以上またがることが普通です。四段階を最後まで通します。

「構造」の誤りを「国語の感覚」で片づける

向き・層・指示は、図と照合で機械的に確かめられます。

自分で確かめよう

確認1:四つの大きな型

抽象度の段を間違える、役割を取り違える、根拠の確かさを見誤る、構造を崩す。

確認2:「平均年齢が上がっているから」を根拠とした誤りの型

大きな型②(役割を取り違える)、小さな型「譲歩を根拠に」。

確認3:それぞれの大きな型を直す共通の道具

①抽象度の階段を一段ずつ、②接続語と文末、③文末と三条件、④図と指示の照合。

まとめと次の一歩

コースの誤りは、抽象度・役割・確かさ・構造の四つの大きな型にまとめられ、それぞれに共通の道具があります。答案は診断の四段階で型を決めてから直します。

次のレッスンでは、コース全体の総合問題で、四つの柱と統合手順を本番の形で使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:誤りの四つの大きな型

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    コース全体の誤りをまとめた四つの大きな型はどれですか。
  2. 設問 1
    「平均年齢が上がっているから」を「若者は入り口を知らない」の根拠にした誤りの大きな型はどれですか。
  3. 設問 2
    「道具は人を変える」という要約の誤りの大きな型はどれですか。
  4. 設問 3
    「相関を因果と思う」誤りの大きな型と、直す道具はどれですか。
  5. 設問 4
    診断の四段階で、型を一つ見つけた後にすることはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。