LESSON 01

具体例から共通点をまとめよう

具体例から共通点をまとめよう:要約・入試で統合する

論説文で、複数の具体例の共通点の記述、本文のまとめの文との照合、字数に応じた圧縮、共通点を使った要約を入試形式で解き、抽象化を本番で使える形にまとめます。

具体例から共通点をまとめよう:要約・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「具体例から共通点をまとめよう」の出口です。高さの基準、四段階の手順、誤りの四つの型を、論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、複数の具体から共通点を記述し、本文のまとめの文と照合し、字数に応じて圧縮し、共通点を使って要約することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

共通点の取り出しは、四つの形で出ます。

  1. 共通点の記述:「これらの例に共通することを〜字以内で答えよ」
  2. 一般化の照合:「筆者はこれらの例をまとめて何と述べているか。本文から抜き出せ」
  3. 字数の圧縮:「〜字以内で」(十五字・三十字・五十字)
  4. 要約:「本文を要約せよ」(共通点を使って具体を圧縮)

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

①ある村では、収穫を終えた田に水を張り、冬の間、渡り鳥の休む場所にしている。②別の町では、川の護岸をコンクリートから石積みに戻し、魚が隠れる隙間を作った。③また別の地域では、街灯の色を変え、夜に活動する虫が集まりにくいようにした。④これらは、人の都合を少し譲って、他の生き物の居場所を残す試みである。⑤私はこうした試みを「小さな譲歩」と呼びたい。⑥大きな保護区を作ることだけが自然を守ることではない。⑦日常の中の小さな譲歩の積み重ねこそが、人と生き物が同じ場所で暮らし続ける道なのだ。

問1

①〜③に共通することを、本文の語を使わずに三十字以内で答えなさい。

問2

筆者は①〜③をまとめて何と述べているか。④から二十字以内で抜き出しなさい。

問3

問1の答えを十五字以内に圧縮しなさい。

問4

本文を、①〜③の具体例を使わずに六十字以内で要約しなさい。

答えと判断

問1

「人が自分たちの利益を少し減らして、生き物が暮らせる環境を作ること。」(三十字)。要素:主体(人)、行動(譲る)、対象(生き物)、結果(居場所)。

問2

「人の都合を少し譲って、他の生き物の居場所を残す試み」(二十五字)→ 二十字以内なら「人の都合を少し譲って、他の生き物の居場所を残す」(二十字)。④の「これらは〜である」が一般化。

問3

「人が譲って生き物の居場所を作ること」(十五字)。主体・行動・対象・結果を圧縮。

問4

「人の都合を少し譲って生き物の居場所を残す小さな譲歩の積み重ねが、人と生き物が同じ場所で暮らし続ける道である。」(五十五字)。④の一般化と⑦の主張で組み立て、①〜③は④に圧縮されているので入れない。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「田に水を張ること」 一つの写し 根拠のずれを直す(型①)
問1で「自然を大切にすること」 広すぎる語 根拠のずれを直す(型②)
問2で⑤の「小さな譲歩」 キーワードと一般化を混同 抽象的な表現とは
問4に「渡り鳥」「石積み」を入れた 具体を要約に入れた 具体と抽象を往復する

要素表(問1)

要素 ① ② ③ 共通語
主体 村 町 地域 人
行動 田に水を張る 護岸を石積みに 街灯の色を変える 自分の利益を少し減らす
対象 渡り鳥 魚 虫 生き物
結果 休む場所 隠れる隙間 集まりにくい 暮らせる環境

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
共通点は三つ全部に当てはまるか 鳥・魚・虫
要素(主体・行動・対象・結果)を落としていないか 人・譲る・生き物・居場所
「本文の語を使わずに」なら言い換えたか 譲歩→利益を減らす
一般化の抜き出しは「これらは〜」の文か ④
要約は一般化+主張で、具体を入れていないか ④+⑦

よくある間違い

「本文の語を使わずに」で本文の語を写す

「譲る」「居場所」は本文の語です。「利益を減らす」「暮らせる環境」に。

一般化の文とキーワードの文を混同する

④が「これらは〜である」の一般化、⑤はそれに名前を付けた定義。設問で区別します。

要約で具体の一つを「代表」として残す

六十字なら不要です。一般化で全部を表します。

自分で説明しよう

確認1:共通点を取り出す四段階

要素に分ける、共通語を探す、一文にして高さを点検、戻して確かめる。

確認2:「本文の語を使わずに」のときの書き方

本文の抽象語を、同じ意味の別の語に言い換える(譲る→利益を減らす)。

確認3:要約で具体例をどう扱いますか

本文の一般化の文(これらは〜)で代表させ、個々の具体は入れない。

セクションの出口

論説文で、複数の具体から共通点を要素表で記述し、本文の一般化と照合し、字数に圧縮し、一般化と主張で要約できたら完了です。

次のセクション「抽象表現を具体化しよう」では、逆向きに、筆者の抽象的な説明に当てはまる例を本文や身近な場面から考える方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:共通点のまとめを入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「田に水を張って渡り鳥の場所に、護岸を石積みにして魚の隙間を、街灯の色を変えて虫が集まらないように」の共通点として適切なものはどれですか。
  2. 設問 1
    「これらは、人の都合を少し譲って、他の生き物の居場所を残す試みである」の役割はどれですか。
  3. 設問 2
    「本文の語を使わずに」と指示されたときの書き方はどれですか。
  4. 設問 3
    要約で具体例をどう扱いますか。
  5. 設問 4
    「小さな譲歩」と「これらは〜試みである」の関係はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。