抽象・具体と根拠マスターチェック:抽象度と役割をつかむ
このレッスンの役割
ここはコース全体の仕上げの入口です。十四のセクションで学んだことを、四つの柱に整理した一枚の表にします。設問を見たときに「どの柱の、どの技能か」が言えれば、手順を迷わず呼び出せます。
今回の中心技能は、コースの技能を四つの柱で言い、入試の設問の形を柱に対応づけられることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「筆者の主張の根拠として適切なものを選べ」という設問は、どの柱のどの技能でしょうか。
柱③「根拠の確かさ」の「根拠の種類と強さ」と、柱④「構造」の「必要な根拠を本文から選ぶ」の二つを使います。主張の要素に対応する根拠を選び(柱④)、その中で確かめられる・範囲が合うものを優先する(柱③)。一つの設問が二つの柱をまたぐことが普通です。
四つの柱の一枚表
| 柱 | 技能 | 道具 | セクション |
|---|---|---|---|
| ① 抽象度 | 具体と抽象を見分ける、一段上げる・下げる | 抽象度の階段、具体の四種、抽象の四種 | 具体的な表現、抽象的な表現 |
| ① 抽象度 | 共通点をまとめる、抽象を具体化する | 共通点の高さの三条件、具体化の三条件 | 共通点をまとめよう、具体化しよう |
| ② 役割 | 主張を見つける | 三つの合図、主張の層(中心・支え) | 筆者の主張を見つけよう |
| ② 役割 | 根拠と例を区別する | 「どの主張を・何を示して・どのように」 | 根拠と具体例の違い |
| ③ 根拠の確かさ | 根拠の種類と強さ | 六種、確かめられるか・範囲 | 根拠の種類を知ろう |
| ③ 根拠の確かさ | 事実・推測・意見を分ける | 文末、飛躍の大きさ | 事実・意見・推測 |
| ③ 根拠の確かさ | 因果を確かめる | 前後・相関・他の原因の排除 | 因果関係を根拠にするとき |
| ④ 構造 | 接続語で論理を追う | 三群、矢印の図、ずれの四型 | 接続語で論理を追おう |
| ④ 構造 | 必要な根拠を選ぶ | 四つの基準、要素で走査 | 必要な根拠を本文から選ぼう |
| ④ 構造 | 主張と根拠を図にする | 三層、二つの約束、抜け・重複・ずれ | 主張と根拠を図にしよう |
| ④ 構造 | 抽象語で要約する | 残す・削る、置き換えの三型 | 抽象語を使って要約しよう |
設問の形と柱の対応
| 設問の形 | 主な柱 | 使う技能 |
|---|---|---|
| 「具体例を挙げよ」「具体的に説明せよ」 | ① | 具体化の三条件 |
| 「共通して言えることを書け」「一言で言うと」 | ① | 共通点の高さ |
| 「筆者の主張を答えよ」 | ② | 三つの合図、層 |
| 「〜の根拠を本文から抜き出せ」 | ④+③ | 四つの基準、種類と強さ |
| 「事実と意見を区別せよ」「筆者の推測はどれか」 | ③ | 文末、飛躍 |
| 「因果関係として正しいか」「他に考えられる原因」 | ③ | 三条件、第三の原因 |
| 「空欄に入る接続語」 | ④ | 三群、前後の抽象度 |
| 「構成図として適切なもの」 | ④ | 三層、向き・譲歩・層 |
| 「〜字で要約せよ」 | ④+① | 上二層、置き換えの三型 |
柱と柱のつながり
| つながり | 内容 |
|---|---|
| ①→④ | 抽象度の階段が、図の層と要約の置き換えになる |
| ②→④ | 主張の合図が、図の最上段と接続語の予測になる |
| ③→④ | 根拠の強さが、根拠を選ぶ基準の「範囲」「役割」になる |
| ④→①② | 図を描くと、抽象度と役割の判定が目で確かめられる |
四つの柱は別々ではなく、①②が材料、③が検査、④が組み立てです。
よくある間違い
設問を見てすぐ本文を読み返す
まず柱と技能を決めます。「どの手順を使うか」が決まってから本文に戻ると、走査が速く正確になります。
一つの設問に一つの柱だけ使う
「根拠を選べ」は④と③。「要約せよ」は④と①。またがる設問が普通です。
技能の名前だけ覚えて道具を忘れる
「共通点の高さ」は三条件(全部に当てはまる・他と区別・要素を落とさない)があって初めて使えます。道具の欄を言えるようにします。
自分で確かめよう
確認1:四つの柱
抽象度、役割、根拠の確かさ、構造。
確認2:「〜字で要約せよ」が使う柱と技能
④構造(上二層を取り出す)と①抽象度(具体を抽象語に置き換える三型)。
確認3:柱③「根拠の確かさ」の三つの技能
根拠の種類と強さ、事実・推測・意見の区別、因果の三条件。
まとめと次の一歩
コースの技能は、抽象度・役割・根拠の確かさ・構造の四つの柱に整理でき、設問の形から柱と技能を決めてから本文に戻ります。
次のレッスンでは、四つの柱をつないだ「論説文を読んでから設問に答えるまで」の統合手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。