LESSON 01

抽象語を使って要約しよう

抽象語を使って要約しよう:要約・入試で統合する

論説文で、字数指定の要約、筆者の主張の記述、要約として適切な選択肢の判定、抽象語の空欄補充を入試形式で解き、抽象語による要約を本番で使える形にまとめます。

抽象語を使って要約しよう:要約・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「抽象語を使って要約しよう」の出口です。残すもの・削るもの、置き換えの三つの型、四段階の手順、誤りの四つの型を、論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、字数内で要約し、筆者の主張を記述し、要約の選択肢を判定し、抽象語の空欄を補うことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

要約は、四つの形で出ます。

  1. 字数指定の要約:「本文を〜字以内で要約せよ」
  2. 主張の記述:「筆者の主張を〜字以内で書け」
  3. 選択:「本文の要約として最も適切なものを選べ」
  4. 空欄補充:「本文の内容を一語で表した次の文の空欄に入る語を答えよ」

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

①私たちは、便利な道具を手にするたびに、何かを手放してきた。②自動車を得て歩く距離を減らし、検索を得て覚える手間を減らし、地図アプリを得て道を記憶しなくなった。③失ったのは、歩く力や記憶力そのものではない。④それらを使う「機会」である。⑤能力は、使う機会がなければ育たず、やがて衰える。⑥だから、道具の便利さを享受しながらも、あえて使わない場面を自分で作ることが、能力を保つ唯一の方法なのである。

問1

本文を五十字以内で要約しなさい。

問2

筆者の主張を三十字以内で書きなさい。

問3

本文の要約として最も適切なものを選びなさい。 ア 自動車や検索や地図アプリは、歩く力や記憶力を奪うので、使うべきではない。 イ 便利な道具は能力を使う機会を奪い、機会がなければ能力は衰えるので、あえて使わない場面を作ることが能力を保つ方法だ。 ウ 便利な道具は素晴らしいが、人は怠けやすいので注意が必要だ。 エ 道具を使わない場面を作ることが能力を保つ方法なので、道具は能力を使う機会を奪う。

問4

次の文の空欄に入る語を、本文から二字で抜き出しなさい。「筆者は、道具が人から奪うのは能力そのものではなく、能力を使う(  )だと述べている。」

答えと判断

問1

「便利な道具は能力を使う機会を奪い、機会がなければ能力は衰えるので、あえて使わない場面を作って能力を保つべきだ。」(五十字)。上二層:⑥(中心)、④⑤(根拠)。②の例は「便利な道具」に置き換え。

問2

「道具の便利さを享受しつつ、あえて使わない場面を作って能力を保つべきだ。」(三十字)。⑥の要点。「享受しながらも」の対立の構造を保つ。

問3

イ。アは例が残り(型①)、「使うべきではない」は本文にない判断(型④。筆者は「享受しながらも」と言っている)。ウは上げすぎで要素(機会・衰える・使わない場面)が落ち、「怠けやすい」は判断の追加。エは向きが逆(型③)。

問4

「機会」。④。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1に「自動車、検索、地図アプリ」 例が残る 根拠のずれを直す(型①)
問1で「道具は人を弱くする」 上げすぎ(機会・衰える が落ちた) 根拠のずれを直す(型②)
問2で「道具を使うべきでない」 判断を足した(「享受しながらも」を無視) 根拠のずれを直す(型④)
問3でエ 向きが逆 根拠のずれを直す(型③)
問4で「能力」 空欄の前「能力を使う」と重複 抽象度と役割をつかむ(キーワード)

要約の図

   ⑥ 使わない場面を作ることが能力を保つ方法(中心)
          ↑                  ↑
   ④ 失うのは使う機会      ⑤ 機会がなければ衰える
          ↑
   ② 自動車・検索・地図アプリ(例 → 「便利な道具」に置き換え)

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
例を抽象語に置き換えたか ②→便利な道具
要素が落ちていないか 機会・衰える・使わない場面・保つ
「〜ので」の前が根拠、後が主張か ④⑤ので⑥
本文にない判断を足していないか 「使うべきでない」は×
対立の構造を保ったか 享受しながらも

よくある間違い

筆者の「〜ながらも」を落として極端な主張にする

「便利さを享受しながらも」は、主張の範囲を限定する対立の構造です。落とすと型④(判断の追加)になります。

空欄補充で、空欄の前後と重複する語を入れる

「能力を使う(能力)」は重複。空欄は前後と別の要素を持つキーワードです。

要約の選択肢を長さで選ぶ

長い選択肢が正解とは限りません。四つの型で消します。

自分で説明しよう

確認1:要約で残すものと削るもの

残す:中心の主張、直接の根拠、対立の構造、キーワード。削る:例、描写、譲歩、繰り返し、引用。

確認2:要約の誤りの四つの型と、選択肢の消し方

例が残る、上げすぎ、向きが逆、判断を足す。選択肢をこの四つで消す。

確認3:要約の四段階

上二層を取り出す、具体を抽象語に置き換える、「〜ので〜」につなぐ、字数と要素を照らす。

セクションの出口

論説文で、例を抽象語に置き換えて字数内に要約し、対立の構造を保って主張を記述し、四つの型で選択肢を消し、キーワードで空欄を補えたら完了です。

次のセクション「抽象・具体と根拠マスターチェック」では、コース全体の技能を一枚の表にまとめ、総合問題で仕上げます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:抽象語の要約を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「自動車を得て歩く距離を減らし、検索を得て覚える手間を減らした」を要約でどうしますか。
  2. 設問 1
    「便利な道具は使うべきではない」という要約が誤りなのはなぜですか(本文は「便利さを享受しながらも」)。
  3. 設問 2
    「道具を使わない場面を作ることが能力を保つ方法なので、道具は能力を使う機会を奪う」の誤りの型はどれですか。
  4. 設問 3
    「道具が奪うのは能力そのものではなく、能力を使う( )だ」の空欄に「能力」を入れるのが誤りなのはなぜですか。
  5. 設問 4
    要約の選択肢を消すときに使うものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。