接続語で論理を追おう:要約・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「接続語で論理を追おう」の出口です。三群、四段階の手順、ずれの四つの型を、論説文と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、空欄に接続語を補い、使い方が適切でない接続語を指摘し、接続語から主張と根拠を特定し、接続語の図から要約することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
接続語は、四つの形で出ます。
- 空欄補充:「空欄に入る接続語を選べ」
- 適否の判定:「接続語の使い方が適切でない文を選べ」
- 構造の特定:「接続語を手掛かりに、筆者の主張と根拠を答えよ」
- 要約:「本文の論理の流れが分かるように要約せよ」
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
①人は、知らないことに出会うと、知っていることに当てはめて理解しようとする。②( A )、初めて食べた料理を「カレーに似ている」と言う。③この働きは、素早く理解するためには役立つ。④( B )、その料理が持つ独自の味は、「カレー」と言った瞬間に見えなくなる。⑤( C )、知らないものを本当に知るには、「似ているが違う」という感覚を保つ必要がある。⑥( D )、本当に知るとは、知っている枠を一度外すことなのである。
問1
空欄A〜Dに入る接続語を、次から選びなさい。ア しかし イ たとえば ウ つまり エ だから
問2
次の文のうち、接続語の使い方が適切でないものを選びなさい。 ア 望遠鏡は目の届く範囲を広げた。つまり、道具は人を怠けさせる。 イ 読書の時間を増やすべきだ。なぜなら、語彙と読解力を育てるからだ。 ウ 準備は負担が大きい。しかし、負担を分け合うことがつながりを作る。 エ 手書きの学生の点が高かった。実際、十二点の差があった。
問3
本文の中心の主張と、それを支える根拠(理由)を、文の番号で答えなさい。
問4
本文の論理の流れ(一般的な働き→問題点→主張)が分かるように、六十字以内で要約しなさい。
答えと判断
問1
A イ(たとえば)、B ア(しかし)、C エ(だから)、D ウ(つまり)。 A:①抽象→②具体なので下げる。B:③「役立つ」→④「見えなくなる」で反転。C:④の問題→⑤の必要性なので主張へ。D:⑤を抽象化してまとめる。
問2
ア。「範囲を広げた」の共通点は「能力を広げる」で、「怠けさせる」はまとめでない(型①)。イは理由、ウは対立、エは「実際」の後に数値で適切。
問3
中心の主張:⑥(「つまり」の後)。支える主張:⑤(「だから」の後)。根拠:④(「しかし」の後、問題点)、さらに①③(働きとその利点)が前提。
問4
「人は知らないものを知っているものに当てはめて理解するが、その瞬間に独自性が見えなくなるので、本当に知るには枠を一度外す必要がある。」(五十九字)。①→④→⑥の流れ。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| Aに「つまり」 | 抽象度の動きの逆(②は具体) | 抽象度と役割をつかむ |
| Bに「だから」 | ③④が対立であることを見ていない | 根拠のずれを直す(型④) |
| 問2でエ | 「実際」を知らない(下げる・根拠) | 抽象度と役割をつかむ(三群) |
| 問3で②を根拠 | 「たとえば」の後を根拠に | 具体と抽象を往復する(段階4) |
| 問4に②の例を入れた | 流れの骨組みでなく例を書いた | 具体と抽象を往復する(図) |
接続語の図
| 文 | 接続語 | 抽象度 | 役割 |
|---|---|---|---|
| ① | ― | ↑ | 一般的な働き(前提) |
| ② | たとえば | ↓ | 例 |
| ③ | ― | ↑ | 利点(譲歩の役割) |
| ④ | しかし | ↑ | 問題点(根拠) |
| ⑤ | だから | ↑ | 支える主張 |
| ⑥ | つまり | ↑ | 中心の主張 |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 空欄の前後の抽象度と役割を決めてから選んだか | 上げる・下げる・反転・主張へ |
| 「つまり」の後が前のまとめになっているか | 共通点に戻す |
| 「しかし」の前後が対立しているか | 向きの確認 |
| 主張は「つまり」「だから」「しかし」の後から選んだか | ⑤⑥ |
| 要約は↑の文だけでつないだか | ①④⑥ |
よくある間違い
接続語を見ずに内容だけで空欄を埋める
内容が合っていても、抽象度の動きと合わないと誤りです。「たとえば」の後は必ず具体。
「実際」「確かに」を接続語として数えない
「実際」は下げる(根拠)、「確かに」は譲歩。どちらも印をつける対象です。
要約に「たとえば」の後を入れる
例は↓です。要約は↑の文をつなぎます。
自分で説明しよう
確認1:接続語の三群と、それぞれの後に来る文
抽象度を動かす(たとえば→具体、つまり→抽象)、主張と根拠をつなぐ(なぜなら→根拠、だから→主張)、流れを変える(しかし→筆者側、ただし→補足、確かに→譲歩)。
確認2:接続語と内容のずれの四つの型
まとめでない(つまり)、理由でない(なぜなら)、飛躍(だから)、対立していない(しかし)。
確認3:空欄補充の手順
前後の文の抽象度(上がる・下がる・同じ)と役割(主張・根拠・例・補足)を決めてから、接続語を選ぶ。
セクションの出口
論説文で、接続語の空欄を抽象度と役割から補い、使い方の誤りを型で指摘し、接続語から主張と根拠を特定し、↑の文で要約できたら完了です。
次のセクション「必要な根拠を本文から選ぼう」では、設問の主張に直接対応する根拠を本文から選び、関係の薄い情報を除く基準を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。