主張と根拠を図にしよう:要約・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「主張と根拠を図にしよう」の出口です。三層と二つの約束、四段階の手順、誤りの四つの型を、論説文と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、構成図を選び、図の空欄を本文から補い、図から抜けを指摘し、図を使って要約することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
図は、四つの形で出ます。
- 構成図の選択:「本文の構成を図にしたものとして最も適切なものを選べ」
- 空欄補充:「図の空欄に入る内容を本文から〜字で抜き出せ」
- 抜けの指摘:「筆者の主張のうち、根拠が示されていないものを答えよ」
- 要約:「図の上二層を使って要約せよ」(主張と直接の根拠)
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
①学校の図書館は、放課後も開いているべきである。②放課後は、生徒が自分の興味で本を選べる数少ない時間だからだ。③授業中の利用は、課題に必要な本を探すことに限られる。④ある中学校では、放課後の開館を始めてから貸出冊数が一・五倍になった。⑤増えた分の多くは、授業と関係のない小説や図鑑だった。⑥また、放課後の図書館は、居場所のない生徒の避難所にもなる。⑦確かに、開館には司書の勤務時間という問題がある。⑧しかし、地域の図書館と連携すれば、人員は補える。
問1
本文の構成を図にしたものとして、最も適切なものを選びなさい。 ア ① ← ②⑥、② ← ③④⑤、⑧ ← ⑦ イ ① ← ②⑥⑧、② ← ③、④ ← ⑤、⑦は譲歩 ウ ① ← ②④⑥、② ← ③、④ ← ⑤、⑦ ← ⑧ エ ① ← ②、② ← ③④⑤⑥、⑦⑧は図の外
問2
問1の正しい図で、②を支える「数値」の箱に入る内容を、本文から十五字以内で抜き出しなさい。
問3
筆者の主張のうち、本文に根拠が示されていないものを、文の番号で答えなさい。
問4
図の上二層(中心の主張と、それを直接支える根拠)だけを使って、六十字以内で要約しなさい。
答えと判断
問1
イ。①(中心)を支えるのは②(理由)、⑥(別の理由)、⑧(反論への答え。譲歩⑦を受けて①を守る)。②を③(対比で②を説明)が支え、④(数値)を⑤(内訳)が支え、④は②を裏づける……厳密には④→②でもよいが、選択肢の中で⑦を譲歩として本体の外に置き、矢印の向きが全て正しいのはイだけ。アは⑧←⑦(譲歩が根拠を支える形)が誤り。ウは⑦←⑧(向きが逆)。エは⑥(別の理由)を②の下に置いていて層が誤り。
問2
「貸出冊数が一・五倍になった」(十三字)。④。
問3
⑥。「居場所のない生徒の避難所にもなる」には、事実・例・理由のいずれも添えられていない。②には③④⑤、⑧には「連携すれば」という方法がある。
問4
「放課後は生徒が自分の興味で本を選べる数少ない時間であり、居場所にもなるので、学校図書館は放課後も開いているべきだ。」(五十八字)。①と②⑥。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でア | 譲歩⑦を根拠の段に置いた | 根拠のずれを直す(型④) |
| 問1でウ | ⑦←⑧の向きが逆 | 根拠のずれを直す(型①) |
| 問1でエ | ⑥を②の下に置いた(層の取り違え) | 根拠のずれを直す(型②) |
| 問3で② | ②には③④⑤があるのを見ていない | 抽象度と役割をつかむ(抜けの定義) |
| 問4に④の数値を入れた | 上二層でなく三層目を使った | 具体と抽象を往復する(層) |
完成した図
① 放課後も開いているべき(中心)
↑ ↑ ↑
② 興味で選べる時間 ⑥ 居場所になる ⑧ 連携で人員は補える
↑ ↑ (根拠なし) ⇔ ⑦ 司書の時間(譲歩)
③ 対比 ④ 一・五倍
↑
⑤ 内訳
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 矢印の向きが全て下から上か | ⑦←⑧は逆 |
| 譲歩は本体の外か | ⑦ |
| 別の理由は同じ段か | ②と⑥は同じ中層 |
| 根拠のない主張を見落としていないか | ⑥ |
| 要約に使う層を指示通りにしたか | 上二層=①と②⑥ |
よくある間違い
選択肢の図を本文の順番で判断する
図は抽象度の順。本文順の図は誤答の典型です。
「また」で始まる文を前の理由の下に置く
「また」は並列。同じ段に置きます。
根拠のない主張を「主張ではない」と思う
根拠がなくても主張は主張です。抜けとして指摘します。
自分で説明しよう
確認1:図の三層と二つの約束
上:中心の主張、中:支える主張・根拠、下:例・数値。矢印は下から上へ「支える」、上ほど抽象。
確認2:構成図の選択で最初に確かめること
矢印の向きが全て下から上か。次に譲歩が本体の外か。次に層。
確認3:「根拠が示されていない主張」の見つけ方
図で、矢印が一本も向いていない主張の箱を探す。
セクションの出口
論説文で、構成図を向き・譲歩・層の順で選び、図の空欄を本文から補い、矢印のない主張を抜けとして指摘し、指示された層で要約できたら完了です。
次のセクション「抽象語を使って要約しよう」では、図の上層にある抽象語を使って、字数内に要約を収める技術を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。