LESSON 01

抽象表現を具体化しよう

抽象表現を具体化しよう:要約・入試で統合する

論説文で、筆者の考えに当てはまる例の選択、当てはまらない例の選択、身近な例の記述、例を添えた意見文の作成を入試形式で解き、具体化を本番で使える形にまとめます。

抽象表現を具体化しよう:要約・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「抽象表現を具体化しよう」の出口です。三つの条件、四段階の手順、誤りの四つの型を、論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、当てはまる例と当てはまらない例を選び、身近な例を記述し、例を添えた短い意見文を書くことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

具体化は、四つの形で出ます。

  1. 当てはまる例の選択:「筆者の考えに当てはまる例として適切なものを選べ」
  2. 当てはまらない例の選択:「当てはまらないものを選べ」(反例・要素欠落)
  3. 身近な例の記述:「筆者の考えに当てはまる例を、身近な場面から挙げよ」
  4. 意見文:「筆者の考えについて、具体例を挙げて自分の意見を書け」(条件作文)

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

私たちは、「分かった」と思った瞬間に、考えるのをやめる。答えが出たのだから、それ以上考える必要はないと感じるからだ。しかし、本当に深く理解するためには、「分かった」の後にもう一度「本当にそうか」と問い直す必要がある。この問い直しを、私は「二度目の疑問」と呼びたい。一度目の疑問は、分からないから生まれる。二度目の疑問は、分かったつもりの自分に向けられる。学びを深めるのは、この二度目の疑問である。

問1

「二度目の疑問」に当てはまる例として最も適切なものを選びなさい。 ア 数学の問題が解けず、先生に質問した。 イ 数学の問題が解けたあと、別の解き方でも同じ答えになるか確かめた。 ウ 数学の問題が解けたので、次の問題に進んだ。 エ 数学の問題の答えを友人と見比べ、同じだったので安心した。

問2

「二度目の疑問」に当てはまらないものを選びなさい。 ア 実験の結果が予想どおりだったが、条件を変えても同じになるか試した。 イ 歴史の年号を覚えたあと、なぜその年に起きたのかを調べた。 ウ 作文を書き終えたあと、読み手に伝わるかを考えて読み直した。 エ テストで満点だったので、その単元の復習はしなかった。

問3

「二度目の疑問」に当てはまる例を、あなたの身近な場面から一つ、四十字以内で書きなさい。

問4

筆者の考えについて、問3の例を使って、賛成か反対かを八十字以内で書きなさい。

答えと判断

問1

イ。要素:分かった(解けた)/問い直す(別の解き方で確かめる)。アは一度目の疑問(分からないから)。ウは考えるのをやめた(反例)。エは確かめているが「本当にそうか」の問い直しではなく、安心して終えている(反例に近い)。

問2

エ。「満点だったので復習しなかった」は、分かったと思って考えるのをやめた反例。ア・イ・ウは「分かった後に問い直す」の例。

問3

例:「英単語の意味を覚えたあと、例文の中でも同じ意味で使えるか辞書で確かめた。」(三十八字)。要素:覚えた(分かった)+確かめた(問い直し)。

問4

例:「賛成だ。私は英単語を覚えたあと例文で確かめることで、意味の違いに気づけた。分かったつもりを疑うことが、理解を深めると実感したからだ。」(七十四字)。立場+例+例から導ける理由。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でア 一度目の疑問と二度目を混同(範囲外) 抽象度と役割をつかむ(条件②)
問1でエ 「確かめる」の語だけ見て要素(問い直し)を確かめていない 根拠のずれを直す(型②)
問3で「勉強は大切だ」 抽象のまま 根拠のずれを直す(型④)
問4で例と理由がつながらない 例から抽象に戻していない 具体と抽象を往復する(段階4)

要素表(「二度目の疑問」)

要素 内容 例での対応
前提 分かったと思った 解けた、覚えた、書き終えた
行動 本当にそうかと問い直す 別の解き方で確かめる、なぜかを調べる、読み直す
向き 自分に向ける 自分の理解を疑う

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
「分かった後」の例になっているか 一度目の疑問ではない
「問い直す」行動があるか 安心して終えていない
記述は場面・行動に下りているか 抽象のままでない
意見文は立場・例・理由の順か 例から理由が導けるか
字数内か 四十字、八十字

よくある間違い

「疑問」の語に引かれて一度目の疑問を選ぶ

本文は一度目と二度目を区別しています。「分かった後」が条件です。

記述で筆者の文を言い換えて終える

例は自分の場面に下ります。

意見文で例と理由が別の話になる

例から抽象(問い直すと理解が深まる)に戻し、それを理由にします。

自分で説明しよう

確認1:抽象表現を具体化する四段階

要素に分ける、場面を置く、一文にする、条件で点検して戻す。

確認2:「二度目の疑問」の例の必須要素

分かったと思った後に、本当にそうかと自分の理解を問い直す行動。

確認3:例を添えた意見文の順序

立場、例、例から導ける理由。

セクションの出口

論説文で、当てはまる例と当てはまらない例を要素・範囲・反例で判定し、身近な例を場面に下りて記述し、例を添えた意見文を書けたら完了です。

次のセクション「筆者の主張を見つけよう」では、抽象と具体の往復を土台に、問いへの答え・繰り返し・文末から中心となる考えを特定する方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:具体化を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「二度目の疑問(分かった後に本当にそうかと問い直す)」の例として適切なものはどれですか。
  2. 設問 1
    「数学の問題が解けず、先生に質問した」が「二度目の疑問」の例にならない理由はどれですか。
  3. 設問 2
    「テストで満点だったので復習はしなかった」は「二度目の疑問」に対して何ですか。
  4. 設問 3
    身近な例を記述するとき、「勉強は大切だ」と書く誤りの型はどれですか。
  5. 設問 4
    例を添えた意見文の順序として適切なものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。