副詞・連体詞:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、副詞と連体詞の違いを知りました。ここでは、文中の語を判定し、名詞・形容動詞・形容詞と区別する手順を一つに決めます。
今回の中心技能は、「活用しないことを確かめる → 『が』が付かないことを確かめる → 修飾する相手で決める → 呼応の副詞は後ろの言い方で確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
決してあの道は通らない。
「決して」と「あの」を手順で判定します。活用:どちらもしない(決しだ×、あのだ×)。「が」:決してが×、あのが×。修飾する相手:「決して」→「通らない」(用言)、「あの」→「道」(名詞)。だから「決して」は副詞、「あの」は連体詞。「決して」は呼応の副詞で、後ろに「〜ない」を要求しています。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「決して」の場合 | 「あの」の場合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 活用しないことを確かめる | 決しだ× | あのだ× |
| 2 | 「が」が付かないことを確かめる | 決してが× | あのが× |
| 3 | 修飾する相手で決める | 通らない(用言)→ 副詞 | 道(名詞)→ 連体詞 |
| 4 | 呼応の副詞は後ろの言い方で確かめる | 〜ない → 合う | ― |
段階1で活用すれば形容動詞・形容詞、段階2で「が」が付けば名詞です。
段階1と2:除外のテスト
| 語 | 活用 | 「が」 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 静かに | する(静かだ) | ― | 形容動詞 |
| 昨日 | しない | 付く | 名詞 |
| ゆっくり | しない | 付かない | 副詞か連体詞へ |
| 大きな | しない | 付かない | 副詞か連体詞へ |
段階3:修飾する相手
| 語 | 相手 | 品詞 |
|---|---|---|
| ゆっくり | 歩く(動詞) | 副詞 |
| とても | 美しい(形容詞) | 副詞 |
| かなり | 静かだ(形容動詞) | 副詞 |
| 大きな | 犬(名詞) | 連体詞 |
| あらゆる | 人(名詞) | 連体詞 |
| もっと | ゆっくり(副詞) | 副詞 |
副詞は他の副詞も修飾します(もっとゆっくり)。
段階4:呼応の副詞
| 副詞 | 後ろの言い方 | 例 |
|---|---|---|
| 決して、少しも、全然 | 〜ない(打ち消し) | 決して忘れない |
| もし、たとえ | 〜ば・〜ても(仮定) | もし雨が降れば |
| たぶん、おそらく、きっと | 〜だろう(推量) | たぶん来るだろう |
| まるで、あたかも | 〜ようだ(比喩) | まるで夢のようだ |
| なぜ、どうして | 〜か(疑問) | なぜ来たのか |
| どうか、ぜひ | 〜ください・〜たい(願望) | ぜひ来てください |
呼応の副詞があれば、文末は決まります。作文で呼応が崩れると減点されます。
例題1:副詞が名詞を修飾する例外
もっと右の席に座った。
「もっと」は副詞ですが、「右」(名詞)を修飾しています。程度の副詞は、方向や数量を表す名詞を修飾することがあります(もっと前、ずっと昔、少し左)。例外として覚えます。
例題2:呼応の確認
たぶん明日は晴れる。
「たぶん」は推量の呼応の副詞なので、「晴れるだろう」が正しい形。「たぶん晴れる」は呼応が崩れています。
よくある間違い
段階1・2を飛ばして修飾語を全部副詞か連体詞にする
「静かに」は形容動詞、「昨日」は名詞。除外のテストを先にします。
「〜な」を全部連体詞にする
「静かな」は形容動詞。「〜だ」に戻せるかで分けます。
呼応の副詞の文末を確かめない
「決して〜する」「もし〜だ」は誤り。副詞を見たら文末を見ます。
自分で確かめよう
確認1:「ずっと昔のことだ」の「ずっと」の品詞と修飾する相手
副詞。「昔」(名詞)を修飾する例外的な用法。
確認2:「まるで」の後ろに来る言い方
「〜ようだ」(比喩)。
確認3:「ゆっくり」が副詞で「静かに」が形容動詞である理由
「ゆっくり」は活用しない、「静かに」は「静かだ」と活用する。
まとめと次の一歩
手順は、活用しない、「が」が付かない、修飾する相手、呼応の副詞の文末、の四段階です。程度の副詞が名詞を修飾する例外と、呼応の副詞の文末に注意します。
次のレッスンでは、副詞・連体詞でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。