長い文の構造を読み解こう:長文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「長い文の構造を読み解こう」の出口です。三つの部品、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試の論説文に出るような長い一文で通して使います。
中心技能は、長い一文の主語を指摘し、係り受けを答え、骨組みから要点を抜き出すことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
長い文の構造は、三つの形で出ます。
- 主語の指摘:「──線部の主語を一文節で抜き出せ」(節の主語か文全体の主語か)
- 係り受け:「──線部はどの文節に係るか」
- 要点の記述:「この一文の内容を二十字以内でまとめよ」(骨組みを取り出す)
総合問題
次の一文を読んで、あとの問いに答えなさい。
私たちが日常で何気なく使っている言葉は、長い歴史の中で多くの人々が少しずつ形を変えながら受け継いできたものであり、その一つ一つに、使った人々の暮らしや考え方が刻まれていると言えるだろう。
問1
この文全体の主語と述語を答えなさい。
問2
「受け継いできた」の主語を一文節で抜き出しなさい。
問3
「刻まれている」の主語を一文節で抜き出しなさい。
問4
この一文の内容を、三十字以内でまとめなさい。
答えと判断
問1
主語「言葉は」、述語「言えるだろう」。文末の述語「言えるだろう」に「何が」と問う。ただし厳密には「言える」の主語は省略された「私(筆者)」とも取れるが、「〜と言える」の「と」の前が内容で、内容の主語が「言葉は」。入試では「言葉は/ものであり〜刻まれている」を骨組みとして扱う。
問2
「人々が」。「長い歴史の中で多くの人々が〜受け継いできた」が「もの」を修飾する連体修飾節で、その主語。
問3
「考え方が」(または「暮らしや考え方が」の「考え方が」)。「使った人々の暮らしや考え方が刻まれている」の主語。「人々の」は「暮らしや考え方」を修飾する連体修飾語。
問4
「言葉は人々が受け継いできたもので、人々の暮らしや考え方が刻まれている。」(三十字)。骨組みと二つの述部をまとめる。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で主語「私たちが」 | 節の主語を文全体の主語にした | 誤った分析を直す(型①) |
| 問2で「私たちが」 | 別の節の主語を取った | 分け方・見分け方を使う(段階2) |
| 問3で「人々の」 | 連体修飾語を主語にした | 誤った分析を直す(型②) |
| 問4に「日常で何気なく」を入れた | 修飾語を骨組みに入れた | 文の中の働きをつかむ(三つの部品) |
構造の表
| 部品 | 内容 |
|---|---|
| 骨組み | 言葉は/ものであり/刻まれている(と言える) |
| 連体修飾節① | 私たちが/使っている → 言葉 |
| 連体修飾節② | 人々が/受け継いできた → もの |
| 連体修飾節③ | (人々が)/使った → 人々 |
| 節の主語 | 私たちが、人々が、考え方が |
表にすると、三つの設問に一つの表で答えられます。
読解で長い文に出会ったら
| 手順 | 目安 |
|---|---|
| 文末の述語に印をつける | 5秒 |
| 「何が」と問うて主語に印をつける | 5秒 |
| 途中の用言(節の述語)に小さく印をつける | 10秒 |
| 骨組みだけを声に出さずに読む | 5秒 |
二十五秒で、長い文の骨組みが見えます。全文を頭から読み直すより速く確実です。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 文末から主語を決めたか | 最初の「が」で決めていないか |
| 節の主語と文全体の主語を分けたか | 設問の述語がどちらか |
| 連体修飾語を主語にしていないか | 「人々の」は修飾語 |
| 要点に修飾語を入れていないか | 骨組みだけでまとめたか |
| 一文節で抜き出したか | 「人々が」(「多くの人々が」ではない) |
よくある間違い
長い文を一読で理解しようとする
骨組みを先に取り出す手順のほうが、確実で速いです。
「〜であり」で文が終わったと思う
「〜であり、〜」は連用中止で、文は続きます。文末まで読んで述語を決めます。
要点をまとめるときに具体例や修飾語を残す
骨組み(主語・述語)と、必要な節だけでまとめます。
自分で説明しよう
確認1:長い文の構造を読み解く四段階
文末から骨組み、節の述語と主語、節の種類と係り先、省略の補い。
確認2:読解で長い文に出会ったときの最初の一手
文末の述語に印をつけ、「何が」と問うて主語を決める。
確認3:要点をまとめるときに使う部品
骨組み(文全体の主語・述語)と、意味に必要な節。修飾語は外す。
セクションの出口
入試の長い一文で、文全体と節の主語を区別し、係り受けを答え、骨組みから要点をまとめられたら完了です。
次のセクション「文の成分と品詞マスターチェック」では、このコース全体の文節・成分・品詞・活用・長文の構造を、高校入試形式で総合確認します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。