文の成分と品詞マスターチェック:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、問題の形から技能と手順が決まることを確かめました。ここでは、入試本番で使う手順を一つに決め、どの形の文法問題にも同じ順で当てられるようにします。
今回の中心技能は、「問題の形を見る → 技能とテストを決める → 本文の語にテストを当てる → 選択肢や答案を確かめる」の四段階を、どの文法問題でも一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
「──線部『この』と同じ品詞のものを選べ。この本は面白い。 ア 静かな部屋 イ 小さな声 ウ 昨日の話 エ 元気に走る」
手順で解きます。形は同じ品詞の選択。技能は品詞の識別、テストは「活用するか」「が が付くか」「何を修飾するか」。本文の「この」は活用せず、「が」も付かず、名詞を修飾 → 連体詞。選択肢に同じテスト:ア「静かだ」に戻せる(形容動詞)、イ「小さだ」に戻せず名詞を修飾(連体詞)、ウ「昨日が」○(名詞)、エ「元気だ」(形容動詞)。イ。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「この」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 問題の形を見る | 同じ品詞の選択 |
| 2 | 技能とテストを決める | 品詞の識別:活用・「が」・修飾相手 |
| 3 | 本文の語にテストを当てる | 連体詞 |
| 4 | 選択肢や答案を確かめる | 各選択肢に同じテスト → イ |
例題1:文節数
「次の文はいくつの文節か。弟は宿題をやってしまってから遊びに行った。」
- 文節数
- 自立語の数、四つの基準(補助動詞・複合語・形容動詞・付属語)
- 自立語:弟、宿題、やっ、しまっ、遊び、行っ → 六
- 「ね」で通読:弟はね、宿題をね、やってね、しまってからね、遊びにね、行ったね → 六文節
例題2:成分
「──線部の成分を答えよ。友情、それは何よりも大切なものだ。(友情)」
- 成分の判定
- 消去法:独立語→述語→主語→接続語→修飾語
- 「友情」は文頭で読点付き、取り除いても文が成り立つ → 独立語
- 主語は「それは」で別にある → 確定
例題3:活用形
「──線部の活用形を答えよ。雨が降るので中止だ。(降る)」
- 活用形
- 基本形→後ろの語
- 基本形「降る」、後ろは「ので」(「の」を含む)→ 連体形
- 終止形と形が同じだが、「ので」の前は連体形 → 確定
例題4:助動詞の意味
「──線部『れる』と同じ意味のものを選べ。故郷が思い出される。 ア 先生にほめられる イ 早く起きられる ウ 昔が偲ばれる エ 先生が話される」
- 同じ意味の選択
- 言い換え:〜に(受け身)、できる(可能)、自然に(自発)、目上(尊敬)
- 「思い出される」は自然に → 自発
- ウ「偲ばれる」も自然に → 自発 → ウ
例題5:長い文の主語
「──線部『残っていた』の主語を一文節で抜き出せ。父が若いころに植えた庭の桜は、一本だけ残っていた。」
- 長い文の主語
- 文末の述語に「何が」と問う
- 「残っていたのは何?」→ 桜は
- 「父が」は節の主語で除外 → 「桜は」
段階4で確かめる項目
| 技能 | 確かめ |
|---|---|
| 文節数 | 「ね」で通読、自立語の数と一致 |
| 成分 | 消去法で一つに決まったか |
| 品詞 | 選択肢全部に同じテストをしたか |
| 活用形 | 形が同じ別の活用形(終止・連体、仮定・命令)でないか |
| 助詞・助動詞の意味 | 言い換えで確かめたか |
| 長い文の主語 | 節の主語を除いたか |
よくある間違い
段階3で本文の語を決めずに選択肢から入る
本文の語を先にテストで決めます。選択肢から入ると、形の似たものに引かれます。
段階4で選択肢の一部にしかテストをしない
四つ全部に同じテストをすると、消去法で確実に決まります。
テストを飛ばして「知っている」で答える
「帰る」を下一段、「静かな」を連体詞とする誤りは、テストを飛ばしたときに起きます。
自分で確かめよう
確認1:「──線部『そうだ』が伝聞のものを選べ」を四段階で
同じ意味の選択 → 前の活用形(連用形・語幹→様態、終止形→伝聞) → 本文の「そうだ」の前を見る → 選択肢全部の前を見て、終止形に付くものを選ぶ。
確認2:段階3で本文の語を先にテストする理由
選択肢から入ると形の似た語に引かれるから。本文の語を基準にして選択肢を比べる。
確認3:活用形で形が同じになる組を二つ
終止形と連体形(書く)、仮定形と命令形(書け。五段)。
まとめと次の一歩
本番の手順は、問題の形を見る、技能とテストを決める、本文の語にテストを当てる、選択肢や答案を確かめる、の四段階です。本文の語を先に決め、選択肢全部に同じテストを当てます。
次のレッスンでは、入試の文法問題で実際に起きる失点を型に分け、コース全体の直し方を一覧にします。
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