動詞と活用:誤った分析を直す
このレッスンの役割
動詞の活用は、入試の文法問題で最も出題が多く、誤りの型もはっきりしています。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、直します。
今回の中心技能は、誤答を見て「『〜る』を一段と決めつけた」「終止形と連体形を混同した」「『ので・のに』の活用形を誤った」「可能動詞を取り違えた」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「帰る」の活用の種類を、ある人は「下一段活用」と答えました。どこで誤ったのでしょうか。
「帰る」に「ない」を付けると「帰らない」。「ら」はア段なので五段活用です。「〜る」で終わるから一段だと決めつけた型①です。「食べる」(食べない:エ段)は下一段ですが、「帰る」「走る」「入る」「切る」「知る」は五段です。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 「〜る」を一段と決めつける | 語尾の形だけで種類を決める | 帰る=下一段 | 「ない」テストでア段なら五段 |
| ② 終止形と連体形の混同 | 同じ形なので区別しない | 「読むとき」を終止形 | 後ろが名詞なら連体形 |
| ③ 「ので・のに」の活用形 | 終止形に付くと思う | 「読むので」を終止形 | 連体形に付く |
| ④ 可能動詞の混同 | 「読める」を「読む」+「れる」と分ける | 読め/る | 可能動詞は一語の下一段動詞 |
型①を直す:「〜る」の動詞
| 動詞 | 「ない」 | 種類 |
|---|---|---|
| 帰る | 帰らない | 五段 |
| 走る | 走らない | 五段 |
| 入る | 入らない | 五段 |
| 切る | 切らない | 五段 |
| 見る | 見ない | 上一段 |
| 起きる | 起きない | 上一段 |
| 食べる | 食べない | 下一段 |
| 寝る | 寝ない | 下一段 |
「切る」(五段)と「着る」(上一段)、「帰る」(五段)と「変える」(下一段)のような、同音・類音の組に注意します。
型②を直す:後ろの語
| 文 | 後ろ | 活用形 |
|---|---|---|
| 本を読む。 | 言い切り | 終止形 |
| 本を読むとき | 名詞 | 連体形 |
| 本を読むと | 接続助詞「と」 | 終止形 |
| 本を読むのが | 名詞「の」 | 連体形 |
| 本を読むから | 接続助詞「から」 | 終止形 |
形が同じでも、後ろが名詞(とき・こと・の・人・もの)なら連体形です。
型③を直す:「ので」「のに」「のだ」
| 文 | 活用形 | 理由 |
|---|---|---|
| 雨が降るので | 連体形 | 「ので」は「の」(名詞)+「で」 |
| 走ったのに | 連体形 | 「のに」は「の」+「に」 |
| 行くのだ | 連体形 | 「のだ」は「の」+「だ」 |
| 行くから | 終止形 | 「から」は接続助詞 |
「の」を含む語の前は連体形です。
型④を直す:可能動詞
| 表現 | 分析 |
|---|---|
| 読める | 可能動詞(一語、下一段)。「読む」から作られた |
| 読まれる | 「読ま」(未然形)+「れる」(助動詞) |
| 書ける | 可能動詞(一語) |
| 書かれる | 「書か」+「れる」 |
| 見られる | 「見」+「られる」(上一段には可能動詞がない) |
五段動詞から作られた「〜える」の形は、一語の下一段動詞です。「れる」「られる」とは分けません。「見れる」「食べれる」は俗に使われますが、文法上は「見られる」「食べられる」です。
例題:どの型か
「走るので」の「走る」を終止形とした。
型③。「ので」の前は連体形。
「話せる」を「話す」+「れる」と分けた。
型④。「話せる」は可能動詞で一語。
よくある間違い
活用の種類を暗記で済ませる
「ない」テストをすれば、知らない動詞でも決まります。
終止形と連体形を「同じだから気にしない」
形は同じでも設問では区別されます。後ろの語で決めます。
可能動詞と受け身を混同する
「読める」(可能)と「読まれる」(受け身・可能など)は別の語です。
自分で確かめよう
確認1:「帰る」を下一段とした誤りの型と直し方
型①。「帰らない」でア段なので五段。
確認2:「走ったのに」の「走っ」の活用形と、「のに」の前の活用形
「走っ」は連用形(た に付く)。「走った」の「た」が連体形で「のに」に付いている。
確認3:「書ける」と「書かれる」の違い
「書ける」は可能動詞(一語)、「書かれる」は「書か」+助動詞「れる」。
まとめと次の一歩
誤りは、「〜る」を一段と決めつける、終止形と連体形の混同、「ので・のに」の活用形、可能動詞の混同、の四つに分けられます。「ない」テスト、後ろの語、「の」を含む語、可能動詞は一語、で直せます。
次のレッスンでは、長い文と入試形式の問題で、動詞の活用を通して使います。
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