主語と述語を対応させよう:長文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「主語と述語を対応させよう」の出口です。述語の四つの形、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、長い文の主語を抜き出し、省略された主語を指摘し、ねじれた文を直せることです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
主語・述語は、三つの形で出ます。
- 主語の抜き出し:「──線部の述語に対する主語を一文節で抜き出せ」
- 省略された主語:「──線部の主語は何か。本文中の語で答えよ」
- ねじれの修正:「次の文を、主語と述語が対応するように書き直せ」(作文問題)
読解では、省略された主語を補って「誰が」を取り違えないことが、内容理解の土台です。
総合問題
問1
次の文の「残っていた」に対する主語を一文節で抜き出しなさい。
父が若いころに植えた庭の桜は、家を建て替えたあとも、一本だけ残っていた。
問2
次の文章の──線部「決めた」の主語を、本文中の語で答えなさい。
兄は、長い間進路に迷っていた。何度も先生に相談し、家族とも話し合った。そして春、ようやく地元の高校に進むことを決めた。
問3
次の文を、主語と述語が対応するように書き直しなさい。
私がこの本を薦める理由は、登場人物の心の動きが丁寧に描かれています。
問4
次の文の文全体の主語と述語を答えなさい。
祖母が毎年漬ける梅干しは、近所でも評判がいい。
答えと判断
問1
「桜は」。文末の述語「残っていた」に「何が」と問う。「父が/植えた」は小さな組。「一本だけ」は数を示す修飾語。
問2
「兄」(兄は)。「決めた」の主語は文中にない。前の文の主語「兄は」が続いている。
問3
「私がこの本を薦める理由は、登場人物の心の動きが丁寧に描かれていることです。」主語「理由は」に「何だ」の述語「ことです」を対応させる。
問4
主語「梅干しは」、述語「いい」。「祖母が/漬ける」は小さな組。「評判が/いい」は「評判が」が小さな主語で、文全体の述語は「いい」。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「父が」 | 小さな組の主語を取った | 誤った分析を直す(型①) |
| 問1で「一本だけ」 | 修飾語を主語にした | 誤った分析を直す(型②) |
| 問2で「主語はない」 | 省略を補わなかった | 誤った分析を直す(型③) |
| 問3で述語を直さなかった | ねじれに気づかない | 誤った分析を直す(型④) |
| 問4で「祖母が」 | 小さな組の主語を取った | 誤った分析を直す(型①) |
読解で主語を補う
| 場面 | 補い方 |
|---|---|
| 同じ人物の行動が続く | 前の文の主語を引き継ぐ |
| 会話文の「」の直後 | 話した人物 |
| 「〜と思った」「〜と感じた」 | 視点人物(物語なら「私」) |
| 新しい段落の最初 | 段落の話題の人物 |
物語文の心情問題は、「誰が」思ったかを取り違えると全部ずれます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 文末の述語から問ったか | 最初の「が」で決めていないか |
| 一文節で抜き出したか | 「桜は」(「庭の桜は」ではない) |
| 省略を補ったか | 前の文、話し手 |
| ねじれを直したか | 主語と述語だけ並べて通るか |
| 小さな組と文全体の組を分けたか | 設問の述語がどちらか |
よくある間違い
抜き出しで修飾語まで含める
「庭の桜は」ではなく「桜は」。一文節の指定なら、主語の文節だけです。
省略された主語を「私」と決めつける
物語でも論説文でも、前の文の主語が続くことが多いです。文脈で決めます。
ねじれを直すときに主語を変える
主語を変えてもよいが、設問によっては「述語を直せ」と指定されます。設問の指示に従います。
自分で説明しよう
確認1:長い文の主語を決める最初の一手
文末の述語を決め、「誰が・何が」と問う。
確認2:省略された主語を補う手掛かり
前の文の主語、会話の話し手、視点人物、段落の話題。
確認3:ねじれを見つける方法
主語と述語だけを並べて、文として通るかを見る。
セクションの出口
入試形式で、長い文の主語を抜き出し、省略を補い、ねじれを直せたら完了です。
次のセクション「修飾語と被修飾語」では、どの言葉がどの言葉を詳しくしているかを、近さだけでなく意味から判断する方法を扱います。
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