長い文の構造を読み解こう:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、長い文の部品を知りました。ここでは、長い文の構造を読み解く手順を一つに決め、どんな長さの文でも同じ順で骨組みと節を取り出せるようにします。
今回の中心技能は、「文末の述語から骨組みを決める → 節の述語とその主語を見つける → 節の種類と係り先を決める → 省略された主語を補う」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
兄は、父が反対しているのを知りながら、自分が選んだ道を進むと決めた。
手順で読み解きます。文末の述語「決めた」。「決めたのは誰?」→「兄は」。骨組み:兄は/決めた。節の述語:「反対している」(主語:父が)、「選んだ」(主語:自分が)、「進む」(主語:省略=兄)。種類:「父が反対しているの」は「知りながら」の目的(名詞節)、「自分が選んだ」は「道」を修飾(連体修飾節)、「道を進む」は「と」で引用(引用節)、「知りながら」は接続節。省略:「進む」の主語は「兄」。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 文末の述語から骨組みを決める | 兄は/決めた |
| 2 | 節の述語とその主語を見つける | 父が/反対している、自分が/選んだ、(兄が)/進む |
| 3 | 節の種類と係り先を決める | 連体修飾節→道、引用節→決めた、接続節→決めた |
| 4 | 省略された主語を補う | 進む の主語=兄 |
段階2:節の述語を見つける
節の述語は、文の途中にある用言です。
| 目印 | 例 |
|---|---|
| 用言の連体形+名詞 | 選んだ+道、植えた+桜 |
| 用言+接続助詞 | 知りながら、建て替えたあと、降ったので |
| 用言+「と」 | 進むと、「行く」と |
| 用言+「の・こと」 | 反対しているの、走ること |
これらの用言は節の述語で、文全体の述語ではありません。
段階3:節の種類と係り先
| 節 | 種類 | 係り先 |
|---|---|---|
| 自分が選んだ | 連体修飾節 | 道(名詞) |
| 父が反対しているの | 名詞節(「の」で名詞化) | 知りながら(の目的) |
| 道を進むと | 引用節 | 決めた |
| 知りながら | 接続節 | 決めた |
段階4:省略された主語
| 節の述語 | 主語 | 補い方 |
|---|---|---|
| 進む | 兄 | 文全体の主語と同じ |
| 知りながら | 兄 | 文全体の主語と同じ |
| 反対している | 父 | 節の中に明示 |
節の主語が省略されていれば、文全体の主語か、直前の節の主語を引き継ぎます。
例題:段階ごとに
先生が私たちに教えてくれた方法は、問題が難しいときほど役に立つと、多くの先輩が言っていた。
- 骨組み:先輩が/言っていた
- 節:先生が/教えてくれた、問題が/難しい、(方法が)/役に立つ
- 種類:「先生が教えてくれた」→連体修飾節→方法。「問題が難しいとき」→接続節→役に立つ。「方法は〜役に立つと」→引用節→言っていた
- 省略:「役に立つ」の主語は「方法は」(引用節の主語)
この文は「先輩が言っていた」が骨組みで、「方法は役に立つ」は引用の中身です。
読解での使い方
| 設問 | 使う段階 |
|---|---|
| 「──線部の主語を答えよ」 | 段階2・4(節の主語、省略の補い) |
| 「──線部はどの文節に係るか」 | 段階3(係り先) |
| 「この一文の要点を書け」 | 段階1(骨組み) |
よくある間違い
段階1で、途中の述語を文全体の述語にする
「反対している」「選んだ」は節の述語。文末の「決めた」が文全体の述語。
段階2で節の主語を文全体の主語にする
「父が」「自分が」は節の主語。文全体の主語は「兄は」。
段階4を省いて「主語がない」と答える
省略された主語は文脈で補えます。文全体の主語か直前の節の主語。
自分で確かめよう
確認1:「母が作った料理を、父はおいしいと言った」の骨組みと節
骨組み:父は/言った。節:母が/作った(連体修飾節→料理)、(料理が)/おいしい(引用節→言った)。
確認2:節の述語を見つける目印を三つ
用言+名詞(連体形)、用言+接続助詞、用言+「と」。
確認3:節の主語が省略されているときの補い方
文全体の主語か、直前の節の主語を引き継ぐ。
まとめと次の一歩
手順は、文末から骨組み、節の述語と主語、節の種類と係り先、省略の補い、の四段階です。節の述語は文の途中の用言で、文全体の述語は文末にあります。
次のレッスンでは、長い文の読み解きでよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。