副詞・連体詞:誤った分析を直す
このレッスンの役割
副詞・連体詞の誤りは、形容動詞・名詞・動詞との混同で起きます。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、直します。
今回の中心技能は、誤答を見て「形容動詞を連体詞・副詞と見なした」「時の名詞を副詞と見なした」「連体詞の『ある』を動詞と見なした」「呼応が崩れた」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「静かな部屋で静かに読む」の「静かな」を連体詞、「静かに」を副詞と答えた人がいます。どこで誤ったのでしょうか。
「静かな」も「静かに」も「静かだ」に戻せます。活用する語なので形容動詞です。連体詞と副詞は活用しません。形容動詞を連体詞・副詞と見なした型①です。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 形容動詞を連体詞・副詞と見なす | 「〜な」「〜に」の形だけで決める | 静かな=連体詞 | 「〜だ」に戻せれば形容動詞 |
| ② 時の名詞を副詞と見なす | 昨日・今・春 を副詞にする | 昨日=副詞 | 「が」が付けば名詞 |
| ③ 連体詞の「ある」を動詞と見なす | 「ある日」の「ある」を動詞にする | ある=動詞 | 名詞だけを修飾し活用しなければ連体詞 |
| ④ 呼応の崩れ | 呼応の副詞と文末が合わない | 決して〜する | 副詞に合う文末に直す |
型①を直す:「〜だ」に戻す
| 語 | 戻す | 品詞 |
|---|---|---|
| 静かな | 静かだ○ | 形容動詞 |
| 大きな | 大きだ× | 連体詞 |
| 静かに | 静かだ○ | 形容動詞 |
| すぐに | すぐだ× | 副詞 |
| いろんな | いろんだ× | 連体詞 |
| いろいろな | いろいろだ○ | 形容動詞 |
「いろんな」(連体詞)と「いろいろな」(形容動詞)は別の語です。
型②を直す:「が」テスト
| 語 | 「が」 | 品詞 |
|---|---|---|
| 昨日 | 昨日が○ | 名詞 |
| 今 | 今が○ | 名詞 |
| すぐ | すぐが× | 副詞 |
| やがて | やがてが× | 副詞 |
| 毎日 | 毎日が○ | 名詞 |
型③を直す:「ある」の二種類
| 文 | 「ある」の働き | 品詞 |
|---|---|---|
| 本がある | 述語。活用する(あった、あれば) | 動詞 |
| ある日のこと | 「日」を修飾。活用しない | 連体詞 |
| ある人が言った | 「人」を修飾 | 連体詞 |
「ある+名詞」で「どこかの、特定しない」の意味なら連体詞です。
型④を直す:呼応の修正
| 崩れた文 | 直した文 |
|---|---|
| 決して忘れます | 決して忘れません |
| もし雨が降る、中止だ | もし雨が降れば、中止だ |
| たぶん来る | たぶん来るだろう |
| まるで夢だ | まるで夢のようだ |
| 全然分かる | 全然分からない(本来の呼応) |
例題:どの型か
「ある朝、鳥が鳴いた」の「ある」を動詞とした。
型③。「朝」を修飾し活用しないので連体詞。
「毎日走る」の「毎日」を副詞とした。
型②。「毎日が」と言えるので名詞。
「決して諦めます」。
型④。「決して諦めません」。
よくある間違い
形だけで品詞を決める
「〜な」「〜に」「〜る」の形は複数の品詞にまたがります。活用と「が」のテストで決めます。
「ある」を見たら全部動詞にする
連体詞の「ある」は入試の定番です。後ろが名詞で、活用しなければ連体詞。
呼応を意識せずに作文する
「決して」「もし」「たぶん」「まるで」を書いたら、文末を確かめます。
自分で確かめよう
確認1:「静かな」を連体詞とした誤りの型と直し方
型①。「静かだ」に戻せるので形容動詞。
確認2:「ある日」の「ある」の品詞と理由
連体詞。「日」を修飾し、活用しないから。
確認3:「まるで夢だ」の呼応を直してください
「まるで夢のようだ」。
まとめと次の一歩
誤りは、形容動詞との混同、時の名詞との混同、「ある」の二種類、呼応の崩れ、の四つに分けられます。「〜だ」に戻す、「が」テスト、「ある」の働き、文末の確認、で直せます。
次のレッスンでは、長い文と入試形式の問題で、副詞・連体詞の判定を通して使います。
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