名詞と代名詞:文の中の働きをつかむ
このレッスンの役割
品詞の最初は名詞です。「自立語・活用しない」の箱の中で、名詞だけが主語になれます。ここでは、名詞の見分け方と五つの種類、そして名詞の一種である代名詞の働きをつかみます。
今回の中心技能は、「が」を付けて主語になれるかで名詞を見分け、五種類に分類できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
彼は三冊の本を読むことが好きだ。
この文の名詞を全部挙げてください。「彼」「三冊」「本」「こと」の四つです。どれも「〜が」を付けて主語にできます。「彼が」「本が」「ことが」。しかし四つは種類が違います。「彼」は代名詞、「三冊」は数詞、「本」は普通名詞、「こと」は形式名詞です。
名詞の見分け方
| テスト | 例 | 判定 |
|---|---|---|
| 「が」を付けて主語になれる | 本が、こと が、三冊が | 名詞 |
| 活用しない | 本(本ない×、本た×) | 名詞 |
| 「〜の」「〜を」も付けられる | 本の、本を | 名詞 |
「が」を付けて主語になれる自立語は名詞だけです。これが決め手です。
名詞の五種類
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 普通名詞 | 一般的な物・事の名前 | 本、山、学校、幸福、考え |
| 固有名詞 | 特定の人・場所・物の名前 | 富士山、東京、夏目漱石 |
| 数詞 | 数や量、順序 | 三冊、一つ、二番目、百人 |
| 形式名詞 | 本来の意味が薄れ、形だけ名詞として働く | こと、もの、とき、ところ、ため、はず |
| 代名詞 | 人や物・場所・方向を指し示す | 私、彼、これ、そこ、どちら |
形式名詞に注意
| 文 | 「こと」の種類 |
|---|---|
| 読むことが好きだ | 形式名詞(「読む」を名詞にする働きだけ) |
| 大事なことを言う | 普通名詞(事柄 の意味がある) |
形式名詞は、前に連体修飾語を必ず伴い、単独では意味が薄い名詞です。入試で「形式名詞を選べ」の形で出ます。
代名詞の四種類
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 人称代名詞 | 私、あなた、彼、彼女、誰 |
| 指示代名詞(物) | これ、それ、あれ、どれ |
| 指示代名詞(場所) | ここ、そこ、あそこ、どこ |
| 指示代名詞(方向) | こちら、そちら、あちら、どちら |
代名詞は名詞の一種なので、「が」を付けて主語になれます(彼が、これが)。
「この」「その」は代名詞ではない
「この本」の「この」は、単独で主語になれません(「このが」×)。「この」は連体詞です。「これ」(代名詞)と「この」(連体詞)は品詞が違います。
| 語 | 「が」を付ける | 品詞 |
|---|---|---|
| これ | これが(○) | 代名詞 |
| この | このが(×) | 連体詞 |
| そこ | そこが(○) | 代名詞 |
| その | そのが(×) | 連体詞 |
よくある間違い
「〜こと」「〜もの」を名詞と気づかない
「読むこと」の「こと」は形式名詞で、名詞です。「が」が付くかで確かめます。
「この」「その」を代名詞と思う
「この」は名詞を修飾する連体詞です。「が」を付けられるのは「これ」です。
動詞から作った名詞を動詞と思う
「考え」「泳ぎ」「遊び」は、「が」が付けば名詞です(考えが、泳ぎが)。文中での働きで決めます。
自分で確かめよう
確認1:名詞を見分ける決め手
「が」を付けて主語になれるか。
確認2:「彼は三冊の本を読むことが好きだ」の名詞を種類とともに
彼(代名詞)、三冊(数詞)、本(普通名詞)、こと(形式名詞)。
確認3:「これ」と「この」の品詞
「これ」は代名詞(名詞)、「この」は連体詞。
まとめと次の一歩
名詞は「が」を付けて主語になれる自立語で、普通・固有・数・形式・代名詞の五種類があります。「この」「その」は連体詞で、代名詞ではありません。
次のレッスンでは、文中の名詞を見つけて分類する手順を一行ずつ使えるようにします。
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