助詞の働き:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、助詞の四種類を知りました。ここでは、文中の助詞の種類を判定し、入試で狙われる「同じ助詞の意味・用法の違い」を見分ける手順を一つに決めます。
今回の中心技能は、「付属語で活用しないことを確かめる → 前に付く語で格助詞か接続助詞かを分ける → 意味を添えるなら副助詞・文末なら終助詞 → 格助詞は意味・用法を言い換えで確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
私の書いた手紙を、母の机に置いた。
二つの「の」は同じ用法でしょうか。「私の書いた」の「の」は、「私が書いた」と言い換えられます(主語を示す)。「母の机」の「の」は「母が机」とは言えず、「母の持っている机」(所有)。同じ格助詞「の」でも、用法が違います。入試では「同じ用法のものを選べ」で出ます。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「私の書いた」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 付属語で活用しないことを確かめる | 「の」は活用しない付属語 |
| 2 | 前に付く語で格・接続を分ける | 名詞「私」→ 格助詞 |
| 3 | 副助詞・終助詞でないか | 意味の添加でも文末でもない |
| 4 | 格助詞の用法を言い換えで確かめる | 「私が書いた」○ → 主語 |
段階2:前に付く語
| 助詞 | 名詞に付く(格助詞) | 用言・助動詞に付く(接続助詞) |
|---|---|---|
| が | 犬が | 走ったが |
| と | 友と | 押すと |
| から | 家から | 寒いから |
| で | 庭で | 読んで(「て」の濁音) |
| の | 母の | ― |
段階4:「の」の用法
| 用法 | 言い換え | 例 |
|---|---|---|
| 主語 | 「が」に言い換えられる | 私の書いた手紙(私が書いた) |
| 連体修飾(所有など) | 「が」に言い換えられない | 母の机 |
| 体言の代用 | 「もの・こと」に言い換えられる | 赤いのをください(赤いもの) |
| 並立 | 「〜の〜の」の形 | 行くの行かないのと迷う |
段階4:「に」の用法
| 用法 | 例 |
|---|---|
| 場所 | 駅にいる |
| 時 | 三時に会う |
| 相手 | 友人に話す |
| 目的 | 買い物に行く |
| 結果 | 医者になる |
| 原因 | 寒さに震える |
段階4:「で」の用法
| 用法 | 例 |
|---|---|
| 場所 | 庭で遊ぶ |
| 手段 | バスで行く |
| 原因 | 雨で中止 |
| 時間・期限 | 三日で終わる |
| 材料 | 木で作る |
例題:同じ用法を選ぶ
「彼の描いた絵」の「の」と同じ用法のものを選べ。 ア 私の本 イ 鳥の鳴く声 ウ 大きいのがいい エ 東京の人口
イ。「鳥が鳴く」と言い換えられる主語の用法。アとエは連体修飾、ウは体言の代用。
よくある間違い
段階2を飛ばして形だけで決める
「が」「と」「から」は前に付く語で種類が変わります。前を見ます。
「の」の用法を全部「所有」だと思う
主語の「の」は入試の定番です。「が」に言い換えられるかで確かめます。
副助詞を格助詞と混同する
「は」「も」「こそ」「だけ」は副助詞。名詞に付いても格助詞ではありません。
自分で確かめよう
確認1:「寒いから帰る」の「から」の種類と理由
接続助詞。形容詞「寒い」(用言)に付いているから。
確認2:「鳥の鳴く声」の「の」の用法と確かめ方
主語。「鳥が鳴く」と言い換えられる。
確認3:「バスで行く」と「雨で中止」の「で」の用法
手段、原因。
まとめと次の一歩
手順は、付属語で活用しない、前に付く語で格・接続、副・終でないか、格助詞の用法を言い換え、の四段階です。「の」は「が」への言い換えで主語の用法を見分けます。
次のレッスンでは、助詞でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。