LESSON 01

長い文の構造を読み解こう

長い文の構造を読み解こう:誤った分析を直す

節の主語・述語を文全体のものと取り違える、連体修飾節の範囲を誤る、引用節の内と外を混同する、省略された主語を誤って補うという四つの型で、長い文の読み解きの誤りを見抜いて直します。

長い文の構造を読み解こう:誤った分析を直す

このレッスンの役割

長い文の読み違いは、「誰が何をしたか」の取り違えとして、読解の内容理解を直撃します。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、どの段階で崩れたかを見つけて直します。

今回の中心技能は、誤答を見て「節の主語・述語を文全体のものと取り違えた」「連体修飾節の範囲を誤った」「引用節の内と外を混同した」「省略された主語を誤って補った」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。

今日の問い

「先生が私たちに教えてくれた方法は、問題が難しいときほど役に立つと、多くの先輩が言っていた」で、「役に立つ」の主語を、ある人は「先輩が」と答えました。どこで誤ったのでしょうか。

「役に立つ」は引用節「方法は〜役に立つと」の中の述語で、その主語は「方法は」です。「先輩が」は文全体の述語「言っていた」の主語。引用節の内と外を混同した型③です。

誤りの四つの型

型 起きていること 例 直し方
① 節の主語・述語を文全体のものと取り違える 途中の「が」や用言を骨組みにする 「父が」を文全体の主語 文末の述語から問う
② 連体修飾節の範囲を誤る 節がどこから始まるかを誤る 「若いころに植えた」だけを節とする 節の主語から名詞の直前までが範囲
③ 引用節の内と外を混同する 「と」の中の主語と外の主語を取り違える 「役に立つ」の主語を「先輩が」 「と」の内側の述語には内側の主語
④ 省略された主語を誤って補う 文脈と違う主語を補う 「進む」の主語を「父」 文全体の主語か直前の節の主語

型①を直す:文末から

文 途中の述語(節) 文全体の述語 文全体の主語
祖父が植えた桜は咲いている 植えた 咲いている 桜は
父が反対しているのを兄は知っていた 反対している 知っていた 兄は
母が作った料理を父はほめた 作った ほめた 父は

型②を直す:節の範囲

祖父が若いころに植えた庭の桜は

連体修飾節は「祖父が若いころに植えた」で、「祖父が」から「植えた」まで。「桜」を修飾します。「庭の」は「桜」を修飾する別の連体修飾語。節の範囲は、節の主語から始まり、修飾される名詞の直前の用言で終わります。

誤った範囲 正しい範囲 理由
若いころに植えた 祖父が若いころに植えた 節の主語「祖父が」を含む
祖父が若いころに植えた庭の 祖父が若いころに植えた 「庭の」は節の外(桜に直接係る)

型③を直す:引用の内と外

方法は役に立つと、先輩が言っていた

位置 主語 述語
引用の内(「と」の前) 方法は 役に立つ
引用の外 先輩が 言っていた

「と」の前までが引用の中身で、その中の述語には中の主語が対応します。

型④を直す:省略の補い方

兄は、父が反対しているのを知りながら、自分が選んだ道を進むと決めた。

述語 主語 根拠
知りながら 兄 文全体の主語と同じ動作主
進む 兄 「自分が選んだ道」の「自分」=兄
反対している 父 節の中に明示

「父」を「進む」の主語にすると、文脈が壊れます。「自分」が誰を指すかも手掛かりです。

例題:どの型か

「母が作った料理を父はほめた」の文全体の主語を「母が」とした。

型①。文末の述語「ほめた」に問うと「父は」。

「祖父が若いころに植えた庭の桜」の連体修飾節を「若いころに植えた」とした。

型②。「祖父が」から始まる。

よくある間違い

「が」を見るたびに主語を更新する

「が」の付く文節は節の主語のことが多いです。文全体の主語は文末から決めます。

引用の「と」を見落とす

「〜と言った」「〜と思う」の「と」の前は別の文です。内と外を分けます。

省略された主語を「私」と決めつける

論説文では筆者、物語では視点人物のことが多いが、文全体の主語や直前の節の主語を優先します。

自分で確かめよう

確認1:「役に立つ」の主語を「先輩が」とした誤りの型と直し方

型③。引用の内側の述語なので、内側の主語「方法は」。

確認2:連体修飾節の範囲の決め方

節の主語から、修飾される名詞の直前の用言まで。

確認3:「父が反対しているのを兄は知っていた」の文全体の主語

「兄は」。「父が」は節の主語。

まとめと次の一歩

誤りは、節と文全体の取り違え、節の範囲、引用の内と外、省略の補い方、の四つに分けられます。文末から、節の主語から名詞の直前まで、「と」の前後を分ける、文脈で補う、で直せます。

次のレッスンでは、入試の論説文の長い一文で、構造の読み解きを通して使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:長い文の誤りの型

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「方法は役に立つと、先輩が言っていた」で「役に立つ」の主語を「先輩が」とした誤りは、どの型ですか。
  2. 設問 1
    「祖父が若いころに植えた庭の桜」の連体修飾節の範囲はどれですか。
  3. 設問 2
    「母が作った料理を父はほめた」の文全体の主語はどれですか。
  4. 設問 3
    「と言った」「と思う」の「と」の前の述語の主語はどこにありますか。
  5. 設問 4
    「が」を見るたびに主語を更新する誤りの直し方はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。