助動詞の働き:長文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「助動詞の働き」の出口です。助動詞の一覧、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、同形の語の品詞を識別し、意味が複数ある助動詞の意味を判定し、助動詞を抜き出すことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
助動詞は、三つの形で出ます。
- 同じ意味の選択:「──線部『れる』と同じ意味のものを選べ」(最頻出)
- 品詞の識別:「──線部『ない』と同じ品詞のものを選べ」
- 助動詞の抜き出し:「次の文から助動詞をすべて抜き出せ」
総合問題
問1
次の──線部「られる」と同じ意味のものを選びなさい。
幼いころのことが思い出される。 ア 先生にほめられる イ 朝早く起きられる ウ 故郷が案じられる エ 校長先生が来られる
問2
次の──線部「ない」と同じ品詞のものを選びなさい。
この問題は分からない。 ア 時間がない イ 美しくない ウ 誰も来ない エ お金はない
問3
次の──線部「そうだ」のうち、伝聞のものを選びなさい。
ア 雨が降りそうだ イ 明日は晴れるそうだ ウ おいしそうだ エ 今にも泣きそうだ
問4
次の文から助動詞をすべて抜き出しなさい。
弟は先生に注意されたが、少しも反省しなかったらしい。
答えと判断
問1
ウ。本文は「自然に思い出す」の自発。「案じられる」も自発(心の動き)。アは受け身(先生に)、イは可能(起きることができる)、エは尊敬(校長先生が)。
問2
ウ。本文の「分からない」は動詞の未然形に付き「分からぬ」と言えるので助動詞。「来ない」も「来ぬ」で助動詞。ア・エは形容詞(時間がぬ×)、イは補助形容詞(美しくぬ×)。
問3
イ。「晴れる」(終止形)に付いているので伝聞。ア・ウ・エは連用形・語幹に付く様態。
問4
れ、た、なかっ、た、らしい。 文節:弟は/先生に/注意されたが/少しも/反省しなかったらしい。「注意さ/れ/た/が」の「れ」(受け身)、「た」(過去)。「が」は助詞。「反省し/なかっ/た/らしい」の「なかっ」(否定)、「た」(過去)、「らしい」(推定)。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でア | れる・られる の意味の取り違え | 誤った分析を直す(型②) |
| 問2でア | 「ない」の品詞の混同 | 誤った分析を直す(型①) |
| 問3でア | そうだ の様態と伝聞の混同 | 誤った分析を直す(型③) |
| 問4で「なかった」を一語 | 切り出し誤り | 誤った分析を直す(型④) |
| 問4で「が」を入れた | 助詞と助動詞の混同 | 文の中の働きをつかむ |
識別のまとめ表
| 語 | 問い | 答え |
|---|---|---|
| れる・られる | 「〜に」があるか/「できる」か/心の動きか/目上か | 受け身/可能/自発/尊敬 |
| ない | 「ぬ」に置き換えられるか | 助動詞/形容詞 |
| だ | 「〜な」で名詞に続くか | 形容動詞の語尾/助動詞 |
| そうだ | 前が連用形・語幹か、終止形か | 様態/伝聞 |
| ようだ | まるで/どうやら/たとえば | 比喩/推定/例示 |
| らしい | 「どうやら」を付けて通るか | 助動詞/接尾語 |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 活用するか | 助詞(しない)と助動詞(する)の区別 |
| 一語ずつ切ったか | なかっ/た、れ/た |
| 前の活用形を見たか | そうだ の様態・伝聞 |
| 言い換えで意味を決めたか | れる の四つの意味 |
| 同形の他品詞を除いたか | 形容詞の「ない」、形容動詞の「だ」 |
よくある間違い
「同じ意味」の問題で、同じ動詞の選択肢を選ぶ
動詞ではなく助動詞の意味で選びます。「思い出される」と「案じられる」は動詞が違っても同じ自発。
抜き出しで助詞を混ぜる
「が」「ので」「は」は助詞です。活用しない語は除きます。
「らしい」を見たら全部助動詞にする
「学生らしい」「男らしい」は接尾語。「どうやら」テストで分けます。
自分で説明しよう
確認1:助動詞を判定する四段階
付属語で活用する、一語ずつ切り出す、前の活用形で特定、意味を言い換えで決める。
確認2:「れる・られる」の四つの意味と確かめ方
受け身(〜に)、可能(できる)、自発(心の動き)、尊敬(目上)。
確認3:助詞と助動詞を分ける基準
活用するかどうか。
セクションの出口
入試形式で、同形の語の品詞を識別し、「れる」「そうだ」「ようだ」の意味を判定し、助動詞を抜き出せたら完了です。品詞十種類はこれで全部です。
次のセクション「長い文の構造を読み解こう」では、ここまでの文の成分と品詞を使って、入れ子になった長い一文の骨組みを捉えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。