助動詞の働き:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、助動詞の働きと一覧を知りました。ここでは、文中の助動詞を切り出し、意味が複数ある助動詞(れる・られる、そうだ、ようだ、だ)の意味を決める手順を一つに決めます。
今回の中心技能は、「付属語で活用することを確かめる → 一語ずつ切り出す → 前に付く活用形で助動詞を特定する → 意味を言い換えで決める」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
昔のことが思い出される。
「れる」の意味を手順で決めます。付属語で活用する(れる・れれば)→ 助動詞。切り出す:思い出さ+れる。前は動詞「思い出す」の未然形。意味:「〜に〜される」ではない(受け身×)、「思い出すことができる」でもない(可能×)、「自然に思い出す」(自発○)。自発です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「思い出される」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 付属語で活用することを確かめる | れる(れれば、れた)→ 助動詞 |
| 2 | 一語ずつ切り出す | 思い出さ/れる |
| 3 | 前に付く活用形で特定する | 未然形+れる |
| 4 | 意味を言い換えで決める | 自然に思い出す → 自発 |
段階3:前に付く活用形
| 助動詞 | 前の活用形 | 例 |
|---|---|---|
| れる・られる、せる・させる、ない、う・よう、まい | 未然形 | 書か(れる)、食べ(られる)、行こ(う) |
| たい、たがる、ます、た、そうだ(様態) | 連用形 | 行き(たい)、降り(そうだ) |
| らしい、そうだ(伝聞)、まい | 終止形 | 降る(らしい)、降る(そうだ) |
| ようだ | 連体形・「の」 | 降る(ようだ)、雨の(ようだ) |
| だ、です | 名詞・助詞 | 学生(だ)、雨(です) |
「そうだ」は前の活用形で様態と伝聞が分かれます。
段階4:「れる・られる」の四つの意味
| 意味 | 言い換え・確かめ | 例 |
|---|---|---|
| 受け身 | 「〜に〜される」。動作主が他にいる | 先生にほめられる |
| 可能 | 「〜できる」 | 朝早く起きられる |
| 自発 | 「自然に〜」「思わず〜」。心の動きの動詞 | 昔が思い出される、将来が案じられる |
| 尊敬 | 主語が目上。「お〜になる」 | 先生が話される |
段階4:「ようだ」の三つの意味
| 意味 | 呼応する副詞 | 例 |
|---|---|---|
| 比喩 | まるで | まるで夢のようだ |
| 推定 | どうやら | どうやら雨のようだ |
| 例示 | たとえば | 彼のような人になりたい |
段階4:「だ」の識別
| 文 | 「〜な」で名詞に続くか | 判定 |
|---|---|---|
| 学生だ | 学生な× | 助動詞(断定) |
| 静かだ | 静かな○ | 形容動詞の語尾 |
| 読んだ | ― | 助動詞「た」の濁音(過去) |
| 雨だそうだ | ― | 「だ」(断定)+「そうだ」(伝聞) |
例題:複数の助動詞
弟に宿題をやらせたかった。
切り出す:やら/せ/たかっ/た。「せ」(使役。せる)、「たかっ」(希望。たい)、「た」(過去)。三つの助動詞。
よくある間違い
段階2で切り出さずに「せたかった」を一語にする
助動詞は一つずつです。一覧を知っていれば機械的に切れます。
「れる」を見たら全部受け身にする
四つの意味があります。言い換えで決めます。
「そうだ」の様態と伝聞を前の活用形で見ない
「降りそうだ」(連用形)は様態、「降るそうだ」(終止形)は伝聞。
自分で確かめよう
確認1:「先生が来られる」の「られる」の意味
尊敬(主語が目上)。
確認2:「雨が降りそうだ」と「雨が降るそうだ」の違い
前者は様態(今にも降る様子)、後者は伝聞(降ると聞いた)。
確認3:「やらせたかった」の助動詞を一語ずつ
せ(使役)、たかっ(希望)、た(過去)。
まとめと次の一歩
手順は、付属語で活用する、一語ずつ切り出す、前の活用形で特定、意味を言い換えで決める、の四段階です。「れる・られる」「そうだ」「ようだ」「だ」は意味が複数あり、言い換えと前の形で決めます。
次のレッスンでは、助動詞でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
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