動詞と活用:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、動詞の活用形が六つあることを知りました。入試では、活用形に加えて「活用の種類」(五段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格)が問われます。ここでは、両方を判定する手順を一つに決めます。
今回の中心技能は、「基本形に戻す → 『ない』を付けて活用の種類を決める → 後ろの語で活用形を決める → 活用表で確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
弟は本を読んでいる。
「読ん」の活用の種類と活用形を手順で決めます。基本形は「読む」。「ない」を付けると「読まない」で、「ま」はア段 → 五段活用。後ろは「で」(=て)なので連用形。活用表で「読む」の連用形は「読み/読ん」。確定です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「読ん」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 基本形に戻す | 読む |
| 2 | 「ない」を付けて活用の種類を決める | 読まない → ア段 → 五段 |
| 3 | 後ろの語で活用形を決める | で(て)→ 連用形 |
| 4 | 活用表で確かめる | 読み/読ん で合う |
段階2:活用の種類の判定
| 「ない」を付けた形 | 直前の音 | 種類 | 例 |
|---|---|---|---|
| 書かない、読まない | ア段 | 五段活用 | 書く、読む、走る、話す |
| 起きない、見ない | イ段 | 上一段活用 | 起きる、見る、信じる |
| 食べない、受けない | エ段 | 下一段活用 | 食べる、受ける、教える |
| 来ない(こない) | (特別) | カ行変格活用 | 来る のみ |
| しない | (特別) | サ行変格活用 | する、〜する(勉強する) |
「ない」の直前がア段なら五段、イ段なら上一段、エ段なら下一段。「来る」「する」だけが変格です。
段階3:活用形の判定
| 後ろに付く語 | 活用形 |
|---|---|
| ない、う、よう、れる、られる、せる、させる | 未然形 |
| ます、た、て、たい、読点(中止) | 連用形 |
| 言い切り、と、から、けれど、が、し | 終止形 |
| 名詞(とき、こと、の、人)、ので、のに | 連体形 |
| ば | 仮定形 |
| 命令して言い切る | 命令形 |
「ので」「のに」は連体形に付くことに注意します。
段階4:活用表
| 種類 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 仮定 | 命令 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 五段「書く」 | 書か/書こ | 書き/書い | 書く | 書く | 書け | 書け |
| 上一段「起きる」 | 起き | 起き | 起きる | 起きる | 起きれ | 起きろ/起きよ |
| 下一段「食べる」 | 食べ | 食べ | 食べる | 食べる | 食べれ | 食べろ/食べよ |
| カ変「来る」 | こ | き | くる | くる | くれ | こい |
| サ変「する」 | し/せ/さ | し | する | する | すれ | しろ/せよ |
五段の未然形は二つ(書か・書こ)、連用形は二つ(書き・書い)あります。「書こう」の「書こ」は未然形、「書いた」の「書い」は連用形(音便)です。
例題1
明日早く起きよう。
- 基本形:起きる
- 起きない → イ段 → 上一段
- 後ろ「よう」→ 未然形
- 上一段の未然形は「起き」→ 合う
例題2
宿題をしなければならない。
- 基本形:する
- サ変
- 後ろ「なけれ(ない)」→ 未然形
- サ変の未然形「し」→ 合う
例題3
走れば間に合う。
- 基本形:走る
- 走らない → ア段 → 五段
- 後ろ「ば」→ 仮定形
- 五段の仮定形「走れ」→ 合う
よくある間違い
段階1を飛ばして文中の形で種類を決める
「読ん」のままでは「ない」が付けられません。基本形「読む」に戻してから。
「〜る」で終わる動詞を全部上一段か下一段だと思う
「走る」「帰る」「入る」は五段(走らない・帰らない・入らない でア段)。「ない」テストで確かめます。
「ので」「のに」を終止形に付くと思う
「読むので」の「読む」は連体形です。「ので」「のに」は名詞「の」を含むので連体形に付きます。
自分で確かめよう
確認1:「帰った」の「帰っ」を四段階で
基本形:帰る → 帰らない(ア段)→ 五段 → 「た」→ 連用形 → 五段の連用形「帰り/帰っ」で合う。
確認2:「食べるとき」の「食べる」の活用形
連体形(名詞「とき」に付く)。
確認3:活用の種類を判定するテスト
「ない」を付けて、直前の音がア段(五段)・イ段(上一段)・エ段(下一段)かを見る。「来る」「する」は変格。
まとめと次の一歩
手順は、基本形に戻す、「ない」で種類を決める、後ろの語で活用形を決める、活用表で確かめる、の四段階です。「〜る」の動詞は「ない」テストで五段か一段かを分けます。
次のレッスンでは、動詞の活用でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
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