修飾語と被修飾語:分け方・見分け方を使う
このレッスンの役割
前のレッスンで、修飾語の二種類を知りました。ここでは、「この文節はどの文節に係るか」を決める手順を一つに決め、離れた被修飾語でも同じ順で見つけられるようにします。
今回の中心技能は、「修飾語の種類を決める → 候補を後ろから探す → 二つを直接つないで通るか試す → 残りで確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
私は昨日図書館でとても面白い本を借りた。
「とても」はどの文節に係るでしょうか。種類:「とても」は副詞なので連用修飾語。候補は後ろの用言:「面白い」「借りた」。直接つなぐ:「とても面白い」は通る。「とても借りた」は通らない。答えは「面白い」です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「とても」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 修飾語の種類を決める | 副詞 → 連用修飾語 |
| 2 | 候補を後ろから探す | 用言:面白い、借りた |
| 3 | 二つを直接つないで通るか試す | とても面白い(○)、とても借りた(×) |
| 4 | 残りで確かめる | 「面白い→本を」「本を→借りた」でつながる |
修飾語は、原則として被修飾語より前にあります。だから候補は後ろから探します。
段階1:種類から候補を絞る
| 修飾語の形 | 種類 | 候補 |
|---|---|---|
| 形容詞・連体詞・名詞+の | 連体 | 後ろの名詞 |
| 副詞・形容詞「〜く」・形容動詞「〜に」 | 連用 | 後ろの用言 |
| 名詞+を・に・で・へ・と | 連用 | 後ろの用言(たいてい述語) |
種類が決まれば、候補は半分になります。
段階3:直接つなぐテスト
| 修飾語 | 候補 | つなぐ | 判定 |
|---|---|---|---|
| 昨日 | 図書館で | 昨日図書館で | ×(名詞に係らない) |
| 昨日 | 借りた | 昨日借りた | ○ |
| 図書館で | 面白い | 図書館で面白い | × |
| 図書館で | 借りた | 図書館で借りた | ○ |
| 面白い | 本を | 面白い本を | ○ |
つないで自然に通る相手が被修飾語です。
例題1:離れた連用修飾語
母はゆっくりと子どもに絵本を読んで聞かせた。
「ゆっくりと」:副詞 → 用言が候補:読んで、聞かせた → 「ゆっくりと読んで」○。被修飾語は「読んで」(「読んで聞かせた」全体に係ると考えてもよいが、直接の被修飾語は「読んで」)。
例題2:連体修飾語が二つ
古い木の机がある。
「古い」:形容詞 → 名詞が候補:木の、机が。「古い木」も「古い机」も通る。文脈で決める。ふつうは直後の「木の」に係り、「古い木の」が「机が」に係る。設問では「最も近い名詞」が原則。
例題3:「〜の」の連体修飾語
兄の友人の車に乗った。
「兄の」→「友人の」、「友人の」→「車に」、「車に」→「乗った」。「の」が続くときは、順に次の名詞に係ります。
修飾語の係り先の原則
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 前から後ろへ | 修飾語は被修飾語の前にある |
| 種類で絞る | 連体は名詞、連用は用言 |
| 最も近い候補が優先 | ただし意味が通らなければ次の候補 |
| 連用修飾語は述語に集まりやすい | 昨日、図書館で、本を → 借りた |
よくある間違い
段階1を飛ばして全文節を候補にする
種類で絞れば候補は半分です。連体か連用かを先に決めます。
段階3で「近いから」で決める
「とても」の隣は「面白い」ですが、「昨日」の隣「図書館で」は被修飾語ではありません。つないで通るかで決めます。
連用修飾語が全部述語に係ると思う
「とても」は述語「借りた」ではなく「面白い」に係ります。用言なら述語以外も候補です。
自分で確かめよう
確認1:「私は昨日図書館で本を借りた」の「昨日」の被修飾語を四段階で
連用 → 候補:借りた → 「昨日借りた」○ → 他の連用修飾語も「借りた」に係る。被修飾語は「借りた」。
確認2:「とても面白い本」の「とても」が「本」に係らない理由
「とても」は副詞(連用修飾語)で、名詞には係らないから。
確認3:係り受けを決める最後のテスト
修飾語と候補を直接つないで、意味が通るか。
まとめと次の一歩
手順は、種類を決める、候補を後ろから探す、直接つないで試す、残りで確かめる、の四段階です。種類で候補を絞り、つないで通るかで決めます。
次のレッスンでは、係り受けでよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。