情報の関係マスターチェック:誤りの型を横断して直す
このレッスンの役割
各セクションで四つずつ学んだ誤りの型は、全部で五十以上あります。ここでは、それらを四つの大きな型にまとめ、自分がどの型で落としやすいかを診断します。型が分かれば、直し方は一つに決まります。
今回の中心技能は、自分の誤答を見て、四つの大きな型のどれかを言い、対応する直し方を即座に使えることです。目安時間は10分です。
四つの大きな型
| 大きな型 | 内容 | 含まれるセクションの型 |
|---|---|---|
| Ⅰ 読み飛ばし | 合図・項目・段落を見落とす | 原因の一部、根拠の取りこぼし、項目の取りこぼし、「しかし」の見落とし、接続語の省略 |
| Ⅱ 取り違え | 向き・相手・順序を逆にする | 因果の逆転、相手の取り違え、書かれた順=起きた順、根拠を主張に、具体を主張に |
| Ⅲ 範囲の誤り | 広すぎる・狭すぎる・段を飛ばす | 共通点の狭すぎ広すぎ、指示語の範囲、観点のずれ、片側だけ |
| Ⅳ 事実と意見の混同 | 判断を事実に、仮定を事実に、譲歩を主張に | 言い切り=事実、帰結を事実に、反事実を事実に、「確かに」を主張に、図表に原因を読む |
型Ⅰ:読み飛ばしの直し方
| 直し方 | 使う場面 |
|---|---|
| 合図を全部マークしてから数える | 原因・根拠・項目が複数のとき |
| 「また」「さらに」「そして」の後を必ず見る | 列挙 |
| 「しかし」の後に線を引く | 主張の位置 |
| 接続語がなければ補う | 文と文の関係 |
一言で言えば、「数えてから答える」。
型Ⅱ:取り違えの直し方
| 直し方 | 使う場面 |
|---|---|
| 因果テスト(AがなければBは起きない) | 向きの確認 |
| 同じ形の文の主語を相手にする | 対比 |
| 時間の合図で並べ直す | 回想、「〜する前に」 |
| 文末の形で主張を決める(べきだ、と考える) | 根拠・具体を主張にしない |
一言で言えば、「テストで向きを確かめる」。
型Ⅲ:範囲の誤りの直し方
| 直し方 | 使う場面 |
|---|---|
| 置き換えて過不足を見る | 指示語、言い換え |
| 全部の具体に当てはまり他と区別できる言葉 | 抽象化 |
| 表の同じ行で組む | 対比の観点 |
| 「Aは〜が、Bは〜」で両側を書く | 違いの記述 |
一言で言えば、「置き換えて、両側を見る」。
型Ⅳ:事実と意見の混同の直し方
| 直し方 | 使う場面 |
|---|---|
| 「調べられるか」テスト | 事実と意見 |
| 条件が成り立つかを確かめる | 条件の帰結 |
| 「のに」「はずだった」は反事実、事実を逆算 | 願望・後悔 |
| 「確かに」は譲歩、「しかし」の後が主張 | 主張の位置 |
| 図表から読めるのは数値と傾向だけ | 資料 |
一言で言えば、「それは本当に起きたか、筆者が言ったか」。
自己診断
次の六つの誤答を見て、大きな型を答えてから開いてください。
①「試合に負けた→練習不足」と矢印を引いた
Ⅱ 取り違え(因果の逆転)。因果テストで向きを確かめる。
②「風が強く雨も降ったので中止」を「風が強かったから」とだけ答えた
Ⅰ 読み飛ばし(原因の一部)。「も」をマークして数える。
③「誠実とは、約束の時間に必ず来ること」と答えた
Ⅲ 範囲の誤り(狭すぎ)。全部の具体に当てはまる言葉に。
④「全員が自転車に乗れば空気がきれいになる。しかし現実にはできない」で、「空気はきれいになる」を本文の内容とした
Ⅳ 事実と意見の混同(帰結を事実に)。条件が成り立つか確かめる。
⑤「確かに便利だ。しかし害もある」で主張を「便利だ」とした
Ⅳ 事実と意見の混同(譲歩を主張に)。「しかし」の後が主張。
⑥「これ」を直前の名詞「雨水」と答えた
Ⅲ 範囲の誤り(狭すぎ、置き換えで通らない)。「〜こと」で取り、置き換えて確かめる。
同じ型が二つ以上あれば、それが自分の弱点です。
弱点ごとの練習の戻り先
| 弱点 | 戻るセクション |
|---|---|
| Ⅰ 読み飛ばし | 原因と結果、意見と根拠、並列・添加・選択、接続語 |
| Ⅱ 取り違え | 原因と結果、比較と対比、時間・順序・変化 |
| Ⅲ 範囲の誤り | 具体と抽象、指示語、比較と対比 |
| Ⅳ 事実と意見の混同 | 事実と意見、条件と仮定、文章と図表 |
よくある間違い
誤答を「不注意」で済ませる
不注意にも型があります。型を言えれば、次は同じ落とし方をしません。
直し方を全部覚えようとする
大きな型ごとに一言(数える、テストで向き、置き換えて両側、本当に起きたか)で足ります。
自分の弱点の型を一つに決めない
診断で二つ以上同じ型があれば、そこを優先します。
自分で確かめよう
確認1:四つの大きな型
読み飛ばし、取り違え、範囲の誤り、事実と意見の混同。
確認2:型Ⅱの直し方を一言で
テストで向きを確かめる(因果テスト、主語、時間の合図、文末)。
確認3:型Ⅳの直し方を一言で
それは本当に起きたか、筆者が言ったか(調べられるか、条件の成立、反事実、譲歩、図表の範囲)。
まとめと次の一歩
誤りは、読み飛ばし、取り違え、範囲の誤り、事実と意見の混同、の四つの大きな型にまとまります。自己診断で弱点の型を決め、一言の直し方と戻り先のセクションで練習します。
次のレッスンは、コースの出口です。入試形式の総合問題で、全関係・五段階・四つの型を一度に使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。