段落同士の関係:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「段落同士の関係」の出口です。関係の種類、四段階の手順、誤りの四つの型を、入試形式の構成問題で通して使います。
中心技能は、段落の役割を説明し、意味段落に区切り、構成の型を判定し、中心文を並べて要約することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
段落の関係は、四つの形で出ます。
- 段落の役割:「第三段落は、文章全体の中でどのような役割を果たしているか」
- 意味段落:「本文を三つに分けるとき、二つ目はどの段落から始まるか」
- 構成の説明:「この文章の構成の説明として適切なものを選べ」
- 要約:「本文を〜字以内で要約せよ」
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
【一】「便利になれば、人は幸せになる」と、多くの人が信じている。本当にそうだろうか。
【二】確かに、洗濯機や冷蔵庫は、家事の時間を大きく減らした。かつて一日がかりだった洗濯は、今では数十分で終わる。
【三】しかし、ある調査では、家電が普及した後も、主婦の家事時間はほとんど減っていなかった。減った時間の分だけ、求められる清潔さの基準が上がったからである。
【四】つまり、便利さは、楽をもたらすのではなく、基準を引き上げるのだ。
【五】だとすれば、幸せは、便利さの量ではなく、何を「十分」とするかを自分で決められるかどうかにかかっている。
問1
第二段落は、文章全体の中でどのような役割を果たしているか。
問2
本文を「序論・本論・結論」の三つに分けるとき、本論はどの段落からどの段落までか。
問3
この文章の構成として適切なものを選びなさい。ア 主張を先に示し、根拠を並べている イ 問いを立て、一般の見方を認めたうえで反論し、答えを導いている ウ 二つのものを対比し、どちらも大切だと結んでいる エ 昔と今を比べ、変化の原因を説明している
問4
各段落の中心文を使って、本文を六十字以内で要約しなさい。
答えと判断
問1
第一段落の問いに対し、一般の見方(便利さが時間を減らす)を具体例で認める譲歩の役割。第三段落の「しかし」で反論されるための前置き。
問2
第二段落から第四段落まで。一が問い(序論)、二〜四が譲歩・反論・まとめ(本論)、五が答え(結論)。
問3
イ。一で問い、二で「確かに」と認め、三で「しかし」と反論、四で「つまり」とまとめ、五で答え。
問4
「便利になれば幸せになるとは限らない。便利さは楽ではなく基準の引き上げをもたらすので、幸せは何を十分とするか自分で決められるかにかかっている。」(五十九字)。一の問い+四のまとめ+五の答え。二・三は材料なので圧縮。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「筆者の主張を述べる役割」 | 譲歩の段落を柱にした | 関係の取り違えを直す(型②) |
| 問2で「三〜五」 | 「確かに」の段落を序論に入れた | 関係を矢印で表す(段階4) |
| 問3でエ | 二の「かつて〜今」を文章全体の型と見た | 関係の取り違えを直す(型③) |
| 問4に「洗濯は数十分で終わる」を入れた | 具体例を要約に入れた | 関係を矢印で表す(段階1) |
段落の図
| 段落 | 頭の合図 | 中心文 | 役割 | 記号 |
|---|---|---|---|---|
| 一 | 本当にそうだろうか | 便利=幸せか | 問い(序論) | 問 |
| 二 | 確かに | 家事の時間を減らした | 譲歩 | 譲 |
| 三 | しかし | 家事時間は減っていない | 反論(本論の中心) | ⇔ |
| 四 | つまり | 便利さは基準を引き上げる | まとめ | = |
| 五 | だとすれば | 幸せは自分で決められるかにかかる | 答え(結論) | 答 |
問いと答えを線でつなぐ:一 ⇒ 五。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 各段落の中心文を一文選んだか | 具体例の文ではない |
| 「確かに」の段落を譲歩と読んだか | 本論の前置き |
| 問いと答えの段落をつないだか | 一 ⇒ 五 |
| 要約に具体例を入れていないか | 洗濯機、数十分 |
| 構成の型は文章全体で決めたか | 段落の一部ではない |
よくある間違い
「確かに」の段落を序論に入れる
譲歩は本論の一部です。序論は問いの段落まで。
段落の一部の型を文章全体の型にする
第二段落の「かつて〜今」は変化の型ですが、文章全体は問題提起型です。
要約に印象的な具体例を入れる
要約は中心文を並べたものです。例は圧縮するか外します。
自分で説明しよう
確認1:文章全体の構成を図にする四段階
中心文を取り出す、合図で記号にする、図につなぐ、序論・本論・結論に分ける。
確認2:「確かに〜。しかし〜」の二つの段落の役割
譲歩と反論(本論の前置きと中心)。
確認3:要約に使うものと使わないもの
使う:各段落の中心文(問い・まとめ・答え)。使わない:具体例。
セクションの出口
入試形式の構成問題で、段落の役割を説明し、役割で意味段落に区切り、文章全体の構成の型を判定し、中心文で要約できたら完了です。
次のセクション「文章と図表の情報をつなごう」では、本文と図表の情報を対応させて読む方法を扱います。
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