情報を一つずつ取り出そう:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、情報の単位を補って取り出す方法を知りました。ここでは、段落の情報を表にして、隣り合う情報を矢印で結ぶ手順を一つに決め、どんな段落でも同じ順で整理できるようにします。
今回の中心技能は、「述語に印をつける → 主語と対象を補う → 表にする → 隣り合う情報を矢印で結ぶ」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
昨夜、強い風が吹いた。庭の木が倒れた。朝、父がそれを片づけた。
手順で整理します。述語:吹いた、倒れた、片づけた。主語と対象:風が/木が/父が それ(=木)を。表にして矢印:風が吹いた →(原因→結果)→ 木が倒れた ⇒(時間)⇒ 父が片づけた。三つの情報が二本の矢印でつながりました。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 述語に印をつける | 吹いた、倒れた、片づけた |
| 2 | 主語と対象を補う | 風が/木が/父が それ(木)を |
| 3 | 表にする | 三行の表 |
| 4 | 隣り合う情報を矢印で結ぶ | 吹いた→倒れた(因果)、倒れた⇒片づけた(時間) |
段階3:表の形
| 番号 | 誰が | 何を | どうした |
|---|---|---|---|
| 1 | 風が | ― | 吹いた |
| 2 | 木が | ― | 倒れた |
| 3 | 父が | それ(木)を | 片づけた |
指示語「それ」は、指す内容(木)に置き換えて書きます。
段階4:矢印の名前の決め方
| 二つの情報の間に | 名前 |
|---|---|
| 接続語がある | 接続語から(ので→因果、一方→対比、つまり→抽象) |
| 接続語がないが、前が後を引き起こす | 原因→結果 |
| 接続語がないが、時間が進む | 時間 |
| 接続語がないが、後が前の例 | 抽象←具体 |
接続語がなくても、意味で名前を決めます。「風が吹いた。木が倒れた」には「ので」がありませんが、原因→結果です。
例題:段落全体
兄は毎日ランニングをしている。先月から始めた。最初は三キロで息が切れた。今では十キロ走れる。
| 番号 | 誰が | 何を | どうした |
|---|---|---|---|
| 1 | 兄は | ランニングを | している |
| 2 | (兄は) | (ランニングを) | 先月から始めた |
| 3 | (兄は) | 三キロで | 息が切れた |
| 4 | (兄は) | 十キロ | 走れる |
矢印:1 ←(抽象←具体)← 2・3・4(1の説明)。2 ⇒(時間)⇒ 3 ⇒(時間)⇒ 4。3 ⇔(対比:変化)⇔ 4。
よくある間違い
段階1で文末の述語しか拾わない
一文の途中の述語(「借りて」など)も拾います。
段階2で指示語をそのまま書く
「それを片づけた」の「それ」は「木」に置き換えます。指示語のままでは情報として不完全です。
段階4で接続語がないと矢印を引かない
意味で名前を決めます。「吹いた。倒れた」は因果です。
自分で確かめよう
確認1:「電車が遅れた。私は遅刻した。先生に叱られた」を四段階で
述語:遅れた、遅刻した、叱られた → 電車が/私は/私は 先生に → 表 → 遅れた→遅刻した(因果)、遅刻した→叱られた(因果)。
確認2:表で指示語はどう書きますか
指す内容に置き換えて書く。
確認3:接続語がないときの矢印の名前の決め方
意味で決める(引き起こす→因果、時間が進む→時間、例→抽象←具体)。
まとめと次の一歩
手順は、述語に印、主語と対象を補う、表にする、隣り合う情報を矢印で結ぶ、の四段階です。接続語がなくても意味で名前を決め、指示語は内容に置き換えます。
次のレッスンでは、情報の取り出しでよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。