意見と根拠:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、主張と根拠の見分け方を知りました。ここでは、段落の中で主張と根拠を対応させて矢印で表す手順を一つに決めます。主張が複数あるときは、どの根拠がどの主張を支えるかの対応が重要です。
今回の中心技能は、「主張を決める → 根拠の候補を集める → 種類を分ける → 各根拠から主張へ矢印を引いて対応を確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
朝食をとるべきだ。脳は糖分をエネルギーにするため、朝食を抜くと午前中の集中力が落ちるからだ。ある中学校の調査では、朝食をとる生徒の方が、午前中のテストの正答率が高かった。また、朝食は生活リズムを整える効果もある。
手順で対応させます。主張:朝食をとるべきだ。根拠の候補:集中力が落ちる(理由)、正答率が高かった(データ)、生活リズムを整える(理由)。矢印:三本とも「朝食をとるべきだ」へ。三つの根拠が一つの主張を支えています。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 主張を決める | 朝食をとるべきだ |
| 2 | 根拠の候補を集める | 集中力、正答率、生活リズム |
| 3 | 種類を分ける | 理由、データ、理由 |
| 4 | 各根拠から主張へ矢印を引いて対応を確かめる | 三本 → 朝食をとるべきだ |
段階2:根拠の候補の集め方
| 場所 | 合図 |
|---|---|
| 主張の直後 | なぜなら、からだ、というのも |
| 主張の直前 | 〜。だから〜(主張) |
| 段落の中の具体例 | たとえば、実際に、〜の例がある |
| 数値・調査 | 調査によれば、〜パーセント、〜倍 |
| 「また」「さらに」の後 | 二つ目以降の根拠 |
段階4:対応を確かめる
矢印を引いたら、「この根拠があれば主張を認めやすくなるか」を問います。
| 根拠 | 主張 | 対応 |
|---|---|---|
| 集中力が落ちる | 朝食をとるべきだ | ○(朝食を抜く害) |
| 正答率が高かった | 朝食をとるべきだ | ○(朝食の効果) |
| 生活リズムを整える | 朝食をとるべきだ | ○(朝食の効果) |
対応しない根拠(別の主張を支えている)があれば、主張が複数あるか、根拠の読み違いです。
例題:主張が二つ
学校は読書の時間を増やすべきだ。読書は語彙と思考力を育てるからだ。一方で、読む本を学校が決めるべきではない。自分で選んだ本のほうが、読み通す率が高いという調査があるからだ。
| 主張 | 根拠 |
|---|---|
| 読書の時間を増やすべきだ | 語彙と思考力を育てる(理由) |
| 読む本を学校が決めるべきではない | 自分で選んだ本の読み通す率が高い(データ) |
主張が二つあり、根拠はそれぞれ別の主張を支えています。対応を取り違えると「増やすべき根拠は読み通す率」のような誤りになります。
根拠の鎖
読書は思考力を育てる。思考力は、どの教科の学習にも必要だ。だから、読書の時間を増やすべきだ。
読書→思考力→全教科に必要→増やすべき。根拠が鎖になって主張に届きます。設問「なぜ増やすべきと言えるのか」には、鎖全体を答えます。
よくある間違い
段階1で根拠を主張にする
「読書は思考力を育てる」は根拠です。主張は「べきだ」の文。
段階2で「また」「さらに」の後を見落とす
二つ目以降の根拠が落ちます。
段階4で対応を確かめない
主張が二つあるとき、根拠を取り違えます。「この根拠はどの主張を支えるか」を一つずつ確かめます。
自分で確かめよう
確認1:「ヘルメットをかぶるべきだ。頭部のけがは命に関わるからだ。死亡率が三分の一という統計もある」を四段階で
主張:かぶるべきだ → 根拠:命に関わる、死亡率三分の一 → 理由、データ → 二本とも「かぶるべきだ」へ。
確認2:「また」「さらに」の後に来やすいものは何ですか
二つ目以降の根拠。
確認3:主張が二つあるとき、段階4で何を確かめますか
各根拠がどちらの主張を支えているか。
まとめと次の一歩
手順は、主張を決める、根拠の候補を集める、種類を分ける、矢印を引いて対応を確かめる、の四段階です。主張が複数なら対応を一つずつ確かめ、根拠が鎖なら全体を答えます。
次のレッスンでは、主張と根拠の対応でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。