情報を一つずつ取り出そう:二つの情報を正しく分ける
このレッスンの役割
前のセクションで、情報は述語の数で数えると確かめました。ここでは、段落の文章から情報の単位を正確に取り出す方法を扱います。主語や対象が省略された文では、補わなければ情報が取り出せません。
今回の中心技能は、段落の各文から、述語ごとに「誰が・何を・どうした」を補って書き出せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
弟は図書館へ行った。本を三冊借りて、夕方まで読んだ。
二文目の情報を「誰が・何を・どうした」で書き出してください。
二文目の述語は「借りて」「読んだ」の二つ。主語はどちらも省略されていて、一文目の「弟は」。対象は「本を三冊」と「(本を)」。情報は、「弟は 本を三冊 借りた」「弟は(本を)夕方まで 読んだ」の二つです。省略を補って初めて、情報として成り立ちます。
情報の単位の三つの要素
| 要素 | 問い | 省略されやすさ |
|---|---|---|
| 誰が・何が(主語) | 述語に「誰が」と問う | 前の文と同じなら省略される |
| 何を・誰に(対象) | 述語に「何を」と問う | 前の文で出た物なら省略される |
| どうした(述語) | 文末や途中の用言 | 省略されない |
述語は必ずあるので、述語から主語と対象を問って補います。
省略を補う手掛かり
| 手掛かり | 例 |
|---|---|
| 前の文の主語 | 弟は図書館へ行った。(弟は)本を借りた |
| 前の文の対象 | 本を借りた。(本を)読んだ |
| 「は」で示された主題 | この本は面白い。(この本は)友人に勧めた |
| 会話の話し手 | 「行こう」と彼は言った。(彼は)立ち上がった |
例題:段落から取り出す
姉は料理が得意だ。先週、家族のために夕食を作った。みんなおいしいと言った。私もまた食べたいと思った。
| 文 | 誰が | 何を | どうした |
|---|---|---|---|
| 1 | 姉は | 料理が | 得意だ |
| 2 | (姉は) | 夕食を | 作った |
| 3 | みんな | (夕食を)おいしいと | 言った |
| 4 | 私も | (夕食を)また食べたいと | 思った |
四つの情報。2の主語、3と4の対象を補いました。
情報を取り出す意味
情報を表にすると、「誰が」の列で登場人物ごとの行動が、「何を」の列で話題の流れが見えます。この表が、次のセクション以降で関係を読む材料になります。
よくある間違い
省略された主語を補わない
「本を借りた」だけでは、誰が借りたか分かりません。前の文から補います。
「言った」「思った」の中身を落とす
「おいしいと言った」の「おいしい」は、言った内容で、情報の一部です。
主語が変わったことに気づかない
三文目で主語が「みんな」に変わっています。述語ごとに問い直します。
自分で確かめよう
確認1:情報の単位の三つの要素
誰が・何が(主語)、何を・誰に(対象)、どうした(述語)。
確認2:「弟は図書館へ行った。本を三冊借りた」の二文目の情報
弟は 本を三冊 借りた。
確認3:省略された主語を補う最初の手掛かり
前の文の主語。
まとめと次の一歩
情報の単位は「誰が・何を・どうした」で、主語と対象は省略されやすいので述語から問うて補います。表にすると、登場人物と話題の流れが見えます。
次のレッスンでは、取り出した情報を表にして矢印で結ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。