時間・順序・変化:二つの情報を正しく分ける
このレッスンの役割
文章は、出来事を時間に沿って並べたり、手順を順番に示したり、「前はこうだったが今はこうだ」と変化を述べたりします。書かれた順と起きた順が違うこともあり、取り違えると「いつ」「何が変わったか」の設問を落とします。
今回の中心技能は、二つの情報が時間・順序・変化のどの関係で並んでいるかを見分け、書かれた順と起きた順を区別できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
今では町の名物になったこの祭りも、始まったころは参加者が十人ほどだった。やがて近隣の町からも人が集まり、二十年かけて今の規模になった。
書かれた順は「今→始まったころ→やがて→今」。起きた順は「始まったころ(十人)→やがて(近隣から)→今(名物)」。時間に沿った並びで、前と後で状態が変わる変化の関係です。
三つの関係の定義
| 関係 | 内容 | 合図 | 記号 |
|---|---|---|---|
| 時間 | 出来事が前後に並ぶ | その後、やがて、翌年、〜してから、〜する前に | A ⇒ B |
| 順序 | 手順や段階が番号で並ぶ | まず、次に、最後に、第一段階 | ① ⇒ ② ⇒ ③ |
| 変化 | 前と後で状態が違う | かつては〜が今は、〜になった、〜しつつある | 前 ⇒ 後(状態) |
時間と順序は「いつ」の並び、変化は「どう違うか」の並びです。変化には必ず「前の状態」と「後の状態」が組になります。
書かれた順と起きた順
| 文 | 書かれた順 | 起きた順 |
|---|---|---|
| 彼は出発する前に、荷物を確かめた | 出発 → 確認 | 確認 → 出発 |
| 今は名物だが、始まりは十人だった | 今 → 始まり | 始まり → 今 |
| 優勝した。その前年は一回戦で負けていた | 優勝 → 前年 | 前年 → 優勝 |
「〜する前に」「その前年」「かつては」は、書かれた順と起きた順が逆になる合図です。
変化の三つの要素
| 要素 | 問い | 今日の問い |
|---|---|---|
| 前の状態 | 前はどうだった | 参加者が十人 |
| 後の状態 | 今はどうか | 町の名物 |
| きっかけ・経過 | 何が変えた | 近隣から人が集まった、二十年 |
設問「どのように変化したか」は、前と後を組で答えます。「名物になった」だけでは半分です。
例題:分ける
まず、米を研ぐ。次に、三十分水につける。最後に、火にかける。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関係 | 順序 |
| 記号 | 研ぐ ⇒ つける ⇒ 火にかける |
| 書かれた順と起きた順 | 同じ |
昔はこの川で泳げたが、今は立ち入りが禁止されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 関係 | 変化 |
| 前 | 泳げた |
| 後 | 立ち入り禁止 |
時間と因果の区別
| 文 | 関係 |
|---|---|
| 雨が降った。その後、試合が始まった | 時間(前後だけ) |
| 雨が降ったので、試合が中止になった | 因果 |
「その後」は前後を言うだけで、原因ではありません。因果テスト「AがなければBは起きない」で確かめます。
よくある間違い
書かれた順=起きた順だと思う
「〜する前に」「かつては」で逆になります。起きた順に並べ直します。
変化を後の状態だけで答える
変化は前と後の組です。「十人から名物に」のように両方を書きます。
「その後」を「だから」のように読む
前後だけの関係です。因果テストで区別します。
自分で確かめよう
確認1:「彼は出発する前に、荷物を確かめた」の起きた順
確かめた ⇒ 出発した。
確認2:変化の三つの要素
前の状態、後の状態、きっかけ・経過。
確認3:「雨が降った。その後、試合が始まった」は因果ですか
因果ではない(時間の前後だけ)。雨がなくても試合は始まる。
まとめと次の一歩
時間は出来事の前後、順序は手順の番号、変化は前後の状態の違いです。「〜する前に」「かつては」で書かれた順と起きた順が逆になり、変化は前と後を組で答えます。
次のレッスンでは、文章の出来事を起きた順に並べ直し、変化を表にする手順を一行ずつ使えるようにします。
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